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  1. 世田谷区議会 2021-06-14
    令和 3年  6月 定例会-06月14日-01号


    取得元: 世田谷区議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-03
    令和 3年  6月 定例会-06月14日-01号令和 3年  6月 定例会 令和3年第二回定例会 世田谷区議会会議録第九号 六月十四日(月曜日)  出席議員(五十名) 一番   神尾りさ 二番   佐藤美樹 三番   そのべせいや 四番   青空こうじ 五番   ひうち優子 六番   上川あや 七番   くりはら博之 八番   つるみけんご 九番   小泉たま子 十番   あべ力也 十一番  高岡じゅん子 十二番  金井えり子 十三番  田中みち子 十四番  下山芳男 十五番  加藤たいき
    十六番  河野俊弘 十七番  阿久津皇 十八番  高久則男 十九番  津上仁志 二十番  河村みどり 二十一番 いそだ久美子 二十二番 中山みずほ 二十三番 中里光夫 二十四番 江口じゅん子 二十五番 たかじょう訓子 二十六番 和田ひでとし 二十七番 上島よしもり 二十八番 菅沼つとむ 二十九番 高橋昭彦 三十番  岡本のぶ子 三十一番 平塚けいじ 三十二番 中塚さちよ 三十三番 藤井まな 三十四番 風間ゆたか 三十五番 大庭正明 三十六番 ひえしま進 三十七番 宍戸三郎 三十八番 真鍋よしゆき 三十九番 畠山晋一 四十番  いたいひとし 四十一番 佐藤ひろと 四十二番 福田たえ美 四十三番 羽田圭二 四十四番 中村公太朗 四十五番 桜井純子 四十六番 桃野芳文 四十七番 田中優子 四十八番 おぎのけんじ 四十九番 石川ナオミ 五十番  山口ひろひさ  出席事務局職員 局長     林 勝久 次長     井上徳広 庶務係長   星野 功 議事担当係長 水谷 敦 議事担当係長 長谷川桂一 議事担当係長 岡本俊彦 議事担当係長 菊島 進 議事担当係長 末吉謙介 議事担当係長 髙橋 亮 調査係長   佐々木 崇  出席説明員 区長     保坂展人 副区長    宮崎健二 副区長    岡田 篤 副区長    中村哲也 政策経営部長 加賀谷 実 デジタル改革担当部長(政策経営部長兼務)        加賀谷 実 総務部長   池田 豊 危機管理部長 菅井英樹 生活文化政策部長        片桐 誠 地域行政部長 舟波 勇 スポーツ推進部長        内田政夫 環境政策部長 清水優子 経済産業部長 田中耕太 保健福祉政策部長        澁田景子 保健福祉政策部次長        有馬秀人 高齢福祉部長 長岡光春 障害福祉部長 須藤剛志 子ども・若者部長        柳澤 純 保育部長   和田康子 世田谷保健所長        辻 佳織 住民接種担当部長        久末佳枝 技監     松村浩之 都市整備政策部長        畝目晴彦 みどり33推進担当部長        釘宮洋之 道路・交通 計画部長        田中太樹 豪雨対策推進担当参事        桐山孝義 教育長    渡部理枝 教育監    粟井明彦 教育総務部長 知久孝之 教育政策部長(教育監兼務)        粟井明彦 生涯学習部長 内田潤一 総務課長   後藤英一     ──────────────────── 議事日程(令和三年六月十四日(月)午後一時開議)  第 一 代表質問     ──────────────────── 本日の会議に付した事件  一、会議録署名議員の指名  二、会期の決定  三、諸般の報告
     四、日程第一 代表質問     ────────────────────     午後一時開会 ○下山芳男 議長 ただいまから令和三年第二回世田谷区議会定例会を開会いたします。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 これより本日の会議を開きます。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 本日の日程はお手元に配付の議事日程のとおりであります。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 議事に先立ちまして、一言申し上げます。  本会議の運営に当たりましては、さきの臨時会に引き続き、新型コロナウイルス感染症への対策を十分講じた上、進めてまいりたいと思いますので、議員各位の御協力をお願いいたします。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 それではまず、会議録署名議員の指名を行います。  会議録署名議員には、会議規則第七十九条の規定により、   十二 番 金井えり子議員   三十九番 畠山 晋一議員 を指名いたします。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、会期についてお諮りいたします。  本定例会の会期は、本日から六月二十三日までの十日間とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」呼ぶ者あり〕 ○下山芳男 議長 御異議なしと認めます。よって会期は十日間と決定いたしました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、区長から招集の挨拶の申出があります。保坂区長。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 令和三年第二回世田谷区議会定例会に当たり、区議会議員並びに区民の皆様に御挨拶を申し上げます。  私は、平成二十三年、二〇一一年に世田谷区長に就任して以来、今日に至るまで区政に全力を尽くしてきました。こうして九十二万区民の健康と生命、暮らしに責任を持つ仕事を継続してこられたのも、世田谷区職員と区民、そして議会の皆様からの御提案と御協力をいただいてきたからだと、改めて感謝をいたします。  今日の区政の骨格をつくっているのは、平成二十五年、二〇一三年に区議会で議決された世田谷区基本構想です。平成二十六年、二〇一四年には基本構想を土台として、「子どもが輝く 参加と協働のまち せたがや」を掲げて、十年間の区政運営の最上位の指針となる世田谷区基本計画を策定しました。  この基本計画で目指したのは、区政全般にわたって、区民との参加と協働を進め、組織の縦割りを超えて横串を刺すマッチングを進めて、子ども・子育て応援都市、まちづくりセンターでの三者連携の福祉の相談窓口、旧梅ヶ丘病院跡に福祉、医療、保健の拠点開設などを進めてまいりました。基本計画では、準備段階であった世田谷区児童相談所の開設や、青少年交流センターの新設、充実、総合教育会議での議論を深化させた教育総合センターの新設準備等を進めてまいりました。  世田谷区基本計画も令和五年度、二〇二三年に最終年度が迫る中、今年度は新実施計画(後期)が最終年度を迎えています。令和四年度、五年度の二年間の次期実施計画については、次期基本計画に連結して準備する必要があります。  基本構想を区民参加で議論した十年前は、東日本大震災と東京電力・福島第一原発事故の直後でした。これまでの大量消費を前提としたライフスタイルを見直して、持続可能なレジリエンスな社会を目指す議論があったことを覚えています。そして今、世界同時に新型コロナウイルス感染症というパンデミックに見舞われています。  日本のみならず、世界中の人々が命の危機にさらされ、公衆衛生のセーフティーネットの重要性に気づき、資源の有限性と気候危機の大波が襲ってくる中で、ライフスタイルのみならず、産業構造そのものの転換が必要な時代に入っています。  こうした視点を踏まえて、コロナ禍の状況を直視して、昨年に打ち出した世田谷区政策方針を手がかりにしながら、持続可能な区政運営を構築するため、(仮称)世田谷区未来つながるプラン(実施計画)を策定してまいります。  最優先で新型コロナウイルス感染症対策に取り組むようになってから、一年四か月が経過しようとしています。区民生活も大きな影響を受け、区主催及び区民の自主的な文化・スポーツ・コミュニティー行事・活動も中止や延期が相次ぎました。そして、今まさにウイルスとの闘いは途上にあります。  昨年の年末から始まった第三波を受け、一月七日に出された二回目の緊急事態宣言が一か月半で解除されましたが、英国株とも呼ばれる変異株が感染力を強めて感染者数を押し上げ、東京都も四月十二日からのまん延防止等重点措置を挟み、四月二十三日、三度目となる緊急事態宣言が発出され、五月七日には、五月三十一日まで、さらに六月二十日まで延長されました。  世田谷区の累計感染者数は、令和三年六月十日現在一万二千三百九十二人となりました。九十七人の方が亡くなられ、入院中百八十七人、宿泊療養中七十一人、自宅療養中百二十八人となっています。お亡くなりになられた方々に心より哀悼の意を捧げ、闘病中の方々の一日も早い御快癒をお祈りいたします。  第四波に備えて区では、保健所体制の充実強化、在宅療養者に対する訪問診療体制の構築、病床逼迫時に緊急に自宅で酸素吸入ができる事業者との契約、後遺症相談窓口等も進め、英国株に加えて一部上陸が確認されているインド株への備えも加速していきます。  アメリカ、イギリスでは、ワクチン接種が短期間で大量に進んで、感染増に歯止めがかかり、社会的規制の緩和が始まっています。日本では、ワクチン供給が遅れ、世田谷区には、ようやく四月八日に二箱、九百七十五人掛ける二回分を入荷し、高齢者施設での接種に充てました。区では、国の情報を早期に収集してワクチンの入荷見込みを基に、高齢者対象の住民接種を前倒しにして始めました。  五月三日から区立大蔵第二運動場体育館と旧二子玉川仮設庁舎で集団接種を始めました。五月中旬から順次会場を拡大し、現在十九会場で高齢者を対象とした接種を行っています。区民全体の接種実績は、国の大規模接種センターでの接種回数も含め、六月十四日時点で約十万三千回となっております。今後、高齢者接種の早期完了に向けて、会場をフル稼働させてペースを上げてまいります。  四月二十八日の予約開始日からコールセンターがつながりにくく、またネット予約も混み合うなど御迷惑をおかけしました。五月八日からは、区内二十八か所のまちづくりセンターで、予約が取りにくい高齢者を対象とした職員によるサポートをさせていただき、六月十日までに一万三千三百十人の方の予約を確保いたしました。全体で六十五歳以上の方から六月十四日現在で約十四万一千人の予約をいただいています。  今後の接種券の発送については、六月十五日から基礎疾患を有する方、高齢者施設等従事者、六十歳から六十四歳の方約六万七千人の方へ接種券を送付するとともに、七月末までに十六歳以上の区民の方に接種券を送付する予定です。  また、集団接種と並行しまして、高齢者施設の接種も進めていきます。六月十日時点で九十九施設、入所者と従事者を合わせて一万百四回の接種を行っています。六月からは、巡回接種チームも現在の三チームから十チームに拡大し、高齢者施設でのクラスター抑止に向け、迅速な接種に取り組んでいきます。  また、外出することが困難な高齢者を中心とした自宅療養者を対象とした訪問接種は、医師会と具体的な段取りをめぐって検討を進め、訪問診療の活用を軸に準備をしています。  また、移動が困難な高齢者、障害者の方には、介護サービス等による同行支援を活用していただくとともに、福祉タクシー券等の対応を準備しています。  さらに、接種会場運営の見直しや病院、地域の診療所での接種が可能となるよう調整を進めています。まずは高齢者の接種完了に向け、最適な接種方法を組み合わせながら、希望する区民が安心して接種が受けられるよう、迅速かつ安全な接種に取り組んでまいります。  また、新型コロナウイルス感染症に対するPCR検査については、昨年四月以降、感染疑いのある有症状の方や濃厚接触者の方を対象に実施しておりまして、一日六百件程度の検査体制を整えています。令和二年度末においては約四万件の検査件数を超え、今もなお検査体制を維持し続けています。  一方、昨年十月から社会的インフラを継続的に維持し、重症化を避けるためのPCR検査として、介護事業所などを対象とした社会的検査を開始いたしました。さらに、今年一月から導入したより簡易かつ迅速に検査ができるスクリーニング検査を六月十日時点で、延べ六百七十七施設に対し実施、六千七百六十九人の方に受けていただきました。六月十日現在、定期検査、随時検査、スクリーニング検査、合わせまして延べ千八百二十一施設に対し実施しており、二万八千三百八十三人の方の検査を行いました。  年末年始の第三波における感染者急増期には、高齢者施設での感染者が発生した際に、保健所と連携し、社会的検査のチームが急行して、事業所や施設の関係者全員に一斉検査することで施設内の感染拡大を防ぐことができました。  世田谷区から国に課題提起してきた社会的検査の手法として、コスト低減と複数の検体を一度に検査する時間の節約効果が期待できる検体プール検査法の導入につきましては、本年一月二十二日の国通知により、従来までのPCR検査同様、行政検査の対象とすることや、精度管理等に関する指針などが示されたところです。区では、四月十九日より行政検査として実施している定期検査において導入しています。  また、ワクチン接種を進めつつ、社会的検査を徹底することで、感染拡大を防止し、高齢者等の重症化や死亡者の抑制を図りたいと考えています。これまでの社会的検査で明らかになった陽性者について、Ct値に着目し、分析を進めました。Ct値とは、検体の中のウイルスを何回増幅すれば検出できるのかを表す数値で、数値が低ければ低いほど感染力が強くなるものと考えられています。  まず、昨年十一月から今春にかけ、約一万一千人を対象とした社会的検査で確認した七十八例の陽性者を調査したところ、三十三人がCt値二十五未満の感染力が強い方だったことが分かり、このうち八割が七十代以上の高齢者だったことが明らかになりました。とりわけ高齢者施設、医療機関などでのクラスター防止のためには、Ct値が低く感染力の強い方に効果的な感染防止対策を取ることなど、変異株対策に有効な手法を検討していきます。  国の内閣官房の依頼を受け、早期探知のためのモニタリング検査に区として協力し、区内の大学等に対し、検査協力の呼びかけにも取り組んでいます。これまで一年四か月、最前線で奮闘された医療現場の皆さん、感染リスクに向き合いながら、命を支える仕事を続けられた福祉関係従事者の方々、感染拡大期に激務が続いてきた保健所をはじめとする区職員など、皆さんの献身的な努力に感謝をいたします。  同時に、コロナ禍のさなかに区の組織が試され、危機管理体制が継続する中で業務を継続し、区民生活を守る行政組織運営をつくり上げていく必要性を感じています。  次に、教育についてです。  教育委員会では、文部科学省のGIGAスクール構想に基づき、タブレット端末を小中学校の児童生徒に一人一台配備するとともに、教員のためのタブレット端末配備、校内の通信環境の再整備を全校で行いました。  こうして、子どもたちは学校でも家庭でも、タブレット端末から世界中の情報にアクセスして調べものをしたり、オンラインでクラスの友達や先生だけではなく、学校外の地域の人々とも協働して学習できるなど、新たな学びができるようになりました。一方で、家庭で利用時間が夜遅くなることや、タブレットの使い方のルールが必要だという保護者の声も寄せられています。  教育委員会では、一人一台のタブレット端末を活用した学びについて議論を交わすオンラインセミナーを五月十五日に開催いたしました。学識経験者や保護者代表の方を交え、当日及び録画再生も含め、八千二百人もの視聴者を得て、子どもと保護者にとって身近な意見交換を行うことができました。  新しい学びをめぐって、これまでの授業にあった教師が課題を与えて解き方を説明する受動的な学びにとどまらず、知的好奇心を引き出し、課題を解決していく主体的な学びへの転換が問われています。これまでの一斉授業と板書の代替にタブレット端末があるのではなく、個別最適化の可能な教育基盤を整えていくことが必要です。  自ら仮説を立て、未知の課題にアプローチする探求的な学びや、友達と役割を分担して協力して組み立てていく協働的な学び、気候危機など、大人も正解を見いだせていない、子どもたちが生きる時代に立ちはだかる課題に対して、試行錯誤しながら解決策に近づいていく力を育てることも重要です。  ICTという道具を使って、子どもたちの発達、成長を支え、世田谷区という地域資源に根差して、困難な時代を生き抜く子どもたちの糧となる新しい学びを保証していきます。  十二月のオープンに向けて開設準備を進めています教育総合センターは、スタートとともに世田谷の教育のターニングポイントとなります。総合教育会議で教育委員会とともに議論してきた学びの質の転換は実践段階に入り、いよいよ学校教育現場を支える教育研究、教員研修の質の向上が必須です。  教育総合センターでは、学校支援、教員支援の拠点となるとともに、子ども支援、教育相談の場として機能し、在宅から幼稚園や保育園での教育をフォローする乳幼児教育センターを配置します。また、世田谷区の地域資源、教育環境に着目して、子どもたちを支える新たな教育ネットワークを構築いたします。  教育総合センターの施設には、せたがや自治政策研究所や区職員研修を担当する部署も入ります。この機会を積極的に捉え、コラボレーション効果をつくり出し、世田谷区に数多くある特色ある大学や、社会的貢献に自覚的な企業と連携していきます。この地域資源については、経済産業部門でも着目しており、子どもたちの教育をバージョンアップする条件として生かしています。  世田谷の教育が従来までの狭義の学校の枠にとどまらず、地域全体の社会資源に支えられ、子どもたちが意欲を持って課題に挑戦し、学ぶ教育基盤をつくり出していくことが求められています。各学校現場から教育委員会、区行政組織の総合力をマッチングし、大学、企業、地域の幅広い舞台を広げ、学びの現場を設計、運用することができるよう、底支えをする拠点として、教育総合センターは新たな稼働を始めます。  次に、自治体DX、デジタルトランスフォーメーションの推進についてです。  昨年度、世田谷DX推進方針Ver・1を策定し、力強く実現する専管組織として、新年度からデジタル改革担当部を発足しました。今年度は、先送りせずにすぐに実現することから、半年後に可能な改革、一、二年の時間をかけて準備するものに優先順位をつけ、区役所内部の情報環境改革を進め、区民の利便性を高めていきます。  各分野での電子申請の充実、拡充、子育て関連情報のAIチャットボット化、議会報告等におけるペーパーレス化、モバイルワークやオンライン会議の幅広い活用等から開始します。トライ・アンド・エラーによる改善を図りながら、「Re・Design SETAGAYA」を推進します。この改革は、アナログからデジタルへの移行のみを意味しません。区民の立場から見て、区の窓口やサービスの在り方を見直して、区民からの各種申請や手続等の合理化を進め、これまでと比べて区民に時間を返す改革を実現します。  今回、電話やネットで受け付けてきたワクチンの予約も、予約が取りにくい、相談したり、援助してくれる人が周囲にいないという声を受けて、高齢者を対象にまちづくりセンターで職員が予約サポートに当たりました。ネット等にアクセスしにくい人たちの間で格差が生まれるデジタルデバイド問題を地域で受け止め、解消する試みもまたDXの在り方の重要なポイントです。今後、担当部だけの課題ではなく、特別職も含めた全庁的な改革として、専門家などの力も借りながら、これまでの仕事の段取りや発想そのものの「Re・Design」も図ってまいります。  一方で、DXの改革推進には相応の財政負担が伴います。現時点では、デジタル庁創設における国の支援策は明確ではありませんが、今年度については、コロナ禍における課題解決を早急に図るため、地方創生臨時交付金の活用を図ります。議会との議論を深めながら行政サービスの変革に取り組んでいきます。  次に、地域行政の推進についてです。  世田谷区では、コミュニティーを重視した住民参加によるまちづくりを進め、区民主体の活動を尊重する地域行政を推進してきました。区民の生活圏にまちづくりセンターを配置、五つの総合支所と本庁をつなぐ地域行政制度が三十年の歳月を重ねて定着を見てきました。  一方で、時代は大きく変化しました。とりわけ、昨年からのコロナ禍は、地域での自主的な活動を困難にさせ、コミュニティーの希薄化を進行させました。他方、在宅勤務、テレワーク等の採用で、居住する地域に関心を持つようになったとの声もあります。ICT技術の進展は、先に触れた教育現場のみならず、全産業に波及をしていきます。  まちづくりセンターでは、これまでの町会・自治会のコミュニティー活動を支えるとともに、地区で活動する住民団体が交差する活動拠点として、また、防災訓練の実施や防災塾の開催など災害対策の身近な拠点としての機能を発揮してきました。  一方で、超高齢社会の到来を踏まえ、平成二十八年、二〇一六年に全地区で開始した福祉の相談窓口を軸とした地域包括ケアシステムの地区展開も集積が続いています。区民に最も身近なまちづくりセンターで、あんしんすこやかセンター、社会福祉協議会との三者連携が進んでいます。各地区での取組は、コミュニティーカフェや買物支援、高齢者世代の地域参加など多彩に行われています。  今後、(仮称)地域行政推進条例の制定や推進計画による施策をまとめ、区民やNPO、民間事業者など、地域、地区の多様で多次元のネットワークを広げ、地域行政制度のリニューアルに踏み込みます。生活圏である地区を重視し、デジタル技術の応用で窓口業務に変化が生じる中、新たなコミュニティーに向き合う地域行政の役割を再定義してまいります。  本年二月に実施した、(仮称)地域行政推進条例の骨子案に関するパブリックコメントやリモートによる住民説明会では、条例制定によってどのように区民の生活や行政が変わっていくのかなど、多くの意見が寄せられました。次第に関心は高まってきたものの、今後、数十年の地域の形、自治の在り方に関わる骨格を形成するためには、より多くの論点を掘り下げ、また区民への周知と議会での御議論が必要です。そのため、当初予定しておりました本年秋の条例制定の日程を見直し、時間をかけて熟議を重ねることにしたいと思います。  既に四月から各地区を回り、町会・自治会の方々との意見交換を行っていますが、今後、幅広い区民参加の機会を重ね、よりよき地域行政改革を議会の皆様とともに進めてまいります。  次に、本庁舎等整備についてです。  いよいよ七月より、本庁舎等整備工事に着手します。  さきの臨時会での議決を経て、施工者と工事請負契約を五月二十日に締結し、現在、工事開始に向けた準備を進めているところです。庁舎等整備工事は、三期にわたり、六年三か月もの工期をもって、現在の敷地にて庁舎機能を維持しながら、現庁舎の解体と新庁舎の建設を組み合わせて進行するものです。  五月の連休明けには、都市整備領域所管部、環境政策部、施設営繕担当部が、技監を先頭に、総勢約五百三十人で旧玉川高校の二子玉川分庁舎に移転し、業務を開始しております。四年六か月という長期にわたる仮移転となりますが、窓口移転についての御案内の周知徹底に取り組み、区民サービスの水準を維持してまいります。  本庁舎等整備は、大規模かつ長期にわたる難易度の高い工事になります。そこで、工事専用のホームページを開設し、本庁舎整備等工事の進捗状況をいつでも区民の皆さんにお知らせできるよう準備を整えています。  竣工まで七十五か月の大工事となりますが、施工者とともに安全対策に万全を期し、防災と自治、区民生活を支える拠点としての本庁舎等整備を着実に進めてまいります。  次に、世田谷区公文書管理条例の改正に向けた取組についてです。  公文書管理条例は、公文書の適正な管理を通じて区政の透明性と区民への説明責任を担保していくことを目的に、令和二年四月に施行しました。その後、公文書管理委員会での議論を経て、公文書の中でも、特に後世に向けて恒久的に引き継いでいくべき文書を重要公文書として位置づけ、その管理手続や区民による利用手続などを条例に追加するための検討を行い、今般、条例の改正素案として取りまとめたところです。  今後、区議会の御意見を頂戴しながら、区民への意見募集の手続や制度の詳細部分の検討を行い、第四回区議会定例会での条例改正の提案に向けて、準備を進めてまいります。  次に、東京二〇二〇大会についてです。  東京二〇二〇大会開幕まで約一か月となりました。七月九日には、前回の東京一九六四年大会のレガシーである駒沢オリンピック公園から馬事公苑までをコースとしたオリンピック聖火リレーが実施されます。その馬事公苑では、七月二十四日から十六日間、馬術競技の熱戦が繰り広げられます。  また、大蔵運動場、第二運動場でのアメリカ選手団キャンプが七月四日から予定され、現在、最終調整を行っているところです。さらに、八月二十三日には大蔵運動場をスタート地点にしたパラリンピック聖火リレーが実施されます。  一年延期を経てここまでに至りましたが、USOPC、アメリカオリンピック・パラリンピック委員会をはじめ東京都、組織委員会等の関係機関と連携し、新型コロナウイルス感染防止対策を徹底した上で進めてまいります。  次に、世田谷区産業振興基本条例についてです。  区では、平成十一年、一九九九年に世田谷区産業振興基本条例を制定し、区内産業の振興を図ってまいりました。以後、二十二年を経て区内産業を取り巻く環境も大きく変化をいたしました。デジタル技術の急速な発展や、SDGsをはじめとした持続的な環境や社会構造への意識の高まりなど、コロナ禍の中で大きな変容を遂げようとしています。  従来までの産業に加えて、多様かつ複合的な価値を新たに生むコミュニティーサービスが生まれ、デジタル情報技術が多元的なコミュニケーションを可能とする時代になりました。とりわけコロナ禍における社会行動の制約が続いたことで、自宅や居住地域で多くの時間を過ごす人が増え、地元を歩くことが日常的になることで、地域の重要性や身近なコミュニティーの価値が見直されています。  こうした状況の変化を的確に捉え、これまでの産業振興の基盤に加えて、地域循環型経済を有機的に発展させる骨格を形成し、地域経済の持続可能な発展に取り組みます。そのため、世田谷区産業振興基本条例の改正に向けた検討を進めています。  具体的には、四つの新たな基本的方針を立てます。多様な地域産業の基盤強化、多様な働き方の実現、地域や社会の課題解決に向けたソーシャルビジネスの推進、持続可能性を考慮した事業活動やエシカル消費の推進を推進していきます。  事業者、区、区民とも方向性を共有した上で、九十二万都市が消費地としての住宅都市から、多様なビジネスやサービスが生まれ、世代を超えてつながり合い、これまでにない地産地消や職住近接が可能となる地域循環型経済を構築していきます。  今定例会での御議論やパブリックコメントなどを踏まえて、条例の検討を進めてまいります。  次に、保育待機児童についてです。  世田谷区の四月一日現在の保育待機児童ですが、昨年度に続き、待機児童ゼロを達成することができました。  私は、平成二十三年、二〇一一年に区長就任以来、最重要課題として保育待機児対策を掲げ、保育施設整備に積極的に取り組んできました。平成二十五年から平成二十九年、そして平成三十一年、令和元年でもありますが、ここで保育待機児数が、全国ワーストワンになるなど厳しい状況に直面をしておりました。保育園整備のための区有地や国有地の活用、民間の土地所有者と保育運営事業者とのマッチング推進などにより、保育園整備を質、量ともに前進させることができました。改めて、区議会をはじめ担当職員、保育事業者、土地、建物を提供された方、近隣の皆様などの御協力に感謝をいたします。
     十年前の保育施設数は、分園を含め百九十八施設で保育定員数は一万一千二百六十五人でした。今年四月の保育施設数は三百六十四施設、保育定員が二万六百七十三人まで拡充し、保育待機児ゼロを二年継続できることになりました。  少子化の進展とコロナ禍の影響もあってか、今年度の入園申込者数は、前年よりも約六百三十名減少し、保育施設における定員の空きも増えてきています。一方で、昨年度から取り組んできましたゼロ歳児定員に空きのある認証保育所に、一歳児枠への転換を誘導する施策については、既に一定の効果が表れています。  今後、需給バランスを図るとともに、多様化する保育ニーズに応えていきたいと考えています。保育需要についての中長期的な見通しをつけるため、本年九月には、社会経済動向や人口動態に目を凝らし、新たな区の人口推計なども踏まえながら、今後の保育施設整備の在り方を含めた保育施策の方向性を示していきます。  次に、世田谷みどり33の推進についてです。  このたび、国土交通省等々力宿舎跡地約二・八ヘクタールを玉川野毛町公園として拡張するため、区民参加による検討を基に、アンケートや現場見学会などでいただいた意見を反映した玉川野毛町公園拡張事業基本計画を取りまとめました。隣接する野毛大塚古墳を含む既存の公園と、拡張予定敷地に残る豊かな緑など、貴重な財産を生かしつつ、グリーンインフラの考えを導入した施設整備など、防災機能も有した公園として、令和六年三月の開園を目指してまいります。  また、今年は、五年ぶりに世田谷区の緑の現況を調査する年です。前回調査では、下がり続けていたみどり率が約〇・六ポイントの上昇に転じ、二五・一八%となりました。公園整備をはじめ、五年間の様々な取組が数字として表れることになります。百年の大計をもって都市計画の中に緑地や公園を位置づけ、宅地化の進展に伴う緑の減少を回復するため、積極的な世田谷みどり33に取り組んでまいります。  次に、第四次住宅整備方針(案)についてです。  令和三年度から十年間を計画期間とする第四次住宅整備方針の案を取りまとめました。住まいは人の暮らしの基本です。住宅施策もまた、持続可能なまちづくりの観点から、時代の要請に応えていくべき分野です。グリーンインフラと連携した環境配慮型リノベーション事業にも積極的に取り組んでいきます。  住宅の確保に配慮を要する方への支援、建物の老朽化と居住者の高齢化という二つの老いを抱える分譲マンション、空き家を含めた住宅の資産価値向上や有効活用などを重点施策とし、多岐にわたる課題に対応すべく、「みんなで支え次世代へつなぐ安全で安心な暮らし・住まい・まちづくり世田谷」を基本理念に掲げ、積極的に取り組んでまいります。  次に、令和三年度一般会計第一次補正予算について申し上げます。  新型コロナウイルス感染症対策をはじめ、子育て世帯への支援やプレミアム付区内共通商品券の発行支援、DXの取組など、地方創生臨時交付金や東京都生活応援事業などの財源の活用を図りながら、速やかに対応すべき施策について、歳入歳出それぞれ四十億一千九百五十一万四千円の補正予算を計上するものであります。  最後に、本議会に御提案申し上げます案件は、令和三年度世田谷区一般会計補正予算(第一次)など、議案二十二件、諮問一件、同意一件、報告六件です。何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御議決賜りますようお願いいたします。これをもって挨拶といたします。 ○下山芳男 議長 以上で区長の挨拶は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、事務局次長に諸般の報告をさせます。    〔井上次長朗読〕  報告第二十五号 令和二年度世田谷区繰越明許費繰越計算書外報告五件 ○下山芳男 議長 以上で諸般の報告を終わります。  ここでしばらく休憩いたします。     午後一時四十分休憩    ──────────────────     午後一時五十分開議 ○下山芳男 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 これより日程に入ります。  日程第一を上程いたします。    〔井上次長朗読〕  日程第一 代表質問 ○下山芳男 議長 質問通告に基づき、順次発言を許します。  まず、公明党を代表して、四十二番福田たえ美議員。    〔四十二番福田たえ美議員登壇〕(拍手) ◆四十二番(福田たえ美 議員) 初めに、新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた方々に哀悼の意を表するとともに、今なお闘病されている皆様に心よりお見舞いを申し上げます。  また、現在も最前線で対応に当たっておられる医療従事者の皆様、並びに区の職員をはじめとする関係者の皆様に、心より敬意を表し、深く感謝を申し上げます。  世界全体が新型コロナウイルスの脅威と、一層深刻化する気候変動という二つの危機に直面をしています。安全な生活と経済活動は、健全な地球環境があって初めて成り立ち、コロナ禍が長引く一方、気候変動の被害はコロナ禍よりはるかに甚大かつ長期に及びます。気候危機を回避できる社会への早期移行は待ったなしの状況です。  コロナ禍の脅威から区民の命と生活を守り抜くことに全力を挙げるとともに、新たな時代を見据えた行政改革と、誰も置き去りにしない社会構築に応戦してまいります。  初めに、ワクチン接種の加速化について伺います。  新型コロナウイルスによる感染第四波、感染力の強い変異株の増加が私たちの暮らしに大きな影響をもたらし、より一層の対策が求められます。変異株は、従来型より感染力が高く、若年世代の感染者も増えており、こうした影響を少しでも食い止めるため、あらゆる施策を総動員して立ち向かわなくてはなりません。  その感染収束の決め手となるワクチンに関しては、医療従事者や高齢者への接種も現在進んでいますが、未曽有の事態とも言うべきコロナ禍に対し、政治はどのように対応をすべきか、断じて区民を守り抜くとの烈々たる責任感と、政策を立案し、遂行するリーダーシップ、決断力が求められています。  保坂区長においても、国や都の批判ばかりでなく、具体策を示すリーダーシップをさらに発揮してもらいたいと訴えておきます。  そこで、ワクチン接種の加速化に向けて、二つの観点からお伺いいたします。  第一に、現在の接種予約体制の改善についてです。  世田谷区では、六月七日時点で約十四万一千人分の予約を受け付けており、既に六十五歳以上の全ての方が二回接種できる枠を確保しております。四月二十八日の予約開始時はかなり混乱を来しましたが、我が党の提案で、二十八地区のまちづくりセンター・出張所での予約サポート体制によって改善に至ったことは評価をいたします。  しかし、区内には六十五歳以上の区民は約十九万五千人で、そのうち施設入所者、在宅療養の方、約一万五千人を除いてもいまだ約三万九千人の方について対応が明確に示されておりません。もちろんワクチン接種は希望される方に限りますが、状況や意思を確認する必要があると考えます。  そこで四点質問をいたします。  一点目は、既に接種券が届いている六十五歳以上の区民のうち、未反応の方への追跡や意思確認についてです。  接種券が届いていることさえ認識されていない方、認知症等の症状により予約日を失念してしまった方など、希望される方が取り残されないよう、あんしんすこやかセンターや地区社協、民生委員などと連携をして把握すべきです。区の見解を伺います。  二点目は、問合せ専用のフリーダイヤルについてです。  世田谷区新型コロナワクチンコールへの電話が予約のみならず、全般的なお問合せが増えているとのことです。本日よりキャンセル専用のフリーダイヤルを開設とのことですが、問合せも併せて対応すべきと考えます。  今月十五日より、六十五歳未満の方の接種券が段階的に送付され、かつ、接種会場の選択肢も増えることで、問合せ数の増加、国の大規模接種会場等の予約の重複によるキャンセル、受付などが交錯することは明らかです。早急に対応を求めます。区の見解を伺います。  三点目に、集団接種会場へのタクシー券の配布についてです。  既に国もワクチン接種にバスやタクシーを活用することを推奨しており、地方創生臨時交付金の活用が他自治体でも行われております。今回、要介護度3以上の方への移動支援として、福祉タクシー券の給付について報告がありました。しかし、要介護三に至らないが、移動困難な高齢者に対して、一定の条件を前提にタクシー券の配布を実施すべきです。区の見解を伺います。  四点目に、コロナワクチンの余剰が発生した場合の取扱いについてです。  既に厚生労働省は、五月二十五日の事務連絡において、余剰ワクチンが発生した場合には、地域の状況を踏まえ、接種券を保有していなくても柔軟に対応して判断するよう通達がされています。世田谷区においても、福祉保健常任委員会で対策を明記していますが、公益事業に携わる方々へは重層的な登録を整え、一回たりとも無駄に廃棄しないよう万全の体制を整えるべきと考えますが、区の見解を伺います。  第二に、接種体制の拡充について伺います。  五月二十五日に開催された厚生労働省による第六回自治体説明会においては、今後のファイザー社ワクチン基本配分計画については、六月最終週までに全高齢者が二回接種可能となる量のワクチンを配送できる見込みを踏まえた上で、七月末までの接種完了へ向けて希望する方への接種体制の拡充について示されました。財政面の支援として、自治体における時間外、休日の加算や診療所や医療機関での個別接種の促進を図るため、新たな支援策が追加されました。これらの制度を活用して、より一層の接種体制を構築すべきです。  そこで二点質問をいたします。  一点目は、個別接種、巡回接種、訪問接種への展開についてです。  六十五歳以上の施設入所者約一万一千人、在宅療養者約四千人の方への対応として、基幹病院や診療所、クリニックなどの個別接種、高齢者・障害者施設を訪問しての巡回接種や、在宅要介護者、療養患者への訪問接種へ踏み出すべきです。六月中の実施をめどにと表明していますが、より具体的なスケジュールを示していくことを求めます。  また、予約方法の一元化も課題となります。個別接種に伴う予約を医療機関側に委ねることが通常診療へ大きな妨げになるとの意見もあります。あわせて、予約方法について方針をお伺いいたします。  二点目は、十五日から六十五歳未満の方へ接種券が届く予定になっております。現在、平日におけるまちづくりセンターでの予約サポートについては、引き続き継続を求めます。区の見解を伺います。  さらに、集団接種会場における人員体制については、まちづくりセンター職員が随時型応援体制に組み込まれているとのことです。しかし、地区によって状況は異なりますが、平日における予約サポートの継続に支障を来すことも考えられます。別途アルバイトの方を確保するなど配慮をすべきではないでしょうか、区の見解を伺います。  次に、社会的孤立対策について伺います。  長引くコロナ禍の影響で収入が大幅に減少し、家賃や公共料金が支払えないなど属性や世代を問わず、生活に困窮する区民が存在し、国はこの間、住居確保給付金や生活福祉資金などを拡充してきましたが、さらに支援の継続が求められています。また、対面による支援が止まることにより、孤立のリスクも高まっております。  複雑、複合的な課題やはざまのニーズへの対応が困難となる現状に対して、重層的支援体制整備事業が創設されました。断らず受け止め、つながり続ける支援体制の構築をコンセプトとして、属性を問わない相談支援、参加支援、地域づくりに向けた支援を一体的に実施することで、たらい回しにすることなく、適切な支援につなげていきます。  そこで二点質問をいたします。  一点目に、アウトリーチの強化についてです。  区内二十八か所のまちづくりセンターに、高齢者、障害者、子育て世帯、生きづらさを抱えた若者等を対象とした福祉の相談窓口が開設され、五年となりますが、その機能はまだ十分に発揮されていないと考えます。  会派としてこれまでも提案をしてきましたが、コロナ禍だからこそ、コミュニティーソーシャルワーカー機能を充実・強化し、相談者の課題が解決するまで寄り添う伴走型の支援が求められていると考えます。区の見解を伺います。  二点目に、住まいの確保についてです。  昨年十一月、渋谷区で路上生活をしていた女性がバス停ベンチにいたところ、殴られ、命を落としました。コロナの影響か、収入源が断たれ、住む家も失った女性の最後の生活場所が路上となりました。社会保障の基盤である住まいがなければ、社会から孤立し、命の危険にさらされる可能性があります。そのためにも、生活困窮者が相談に訪れるぷらっとホーム世田谷と住まいのサポートセンターの機能を統合した福祉・住宅総合相談窓口を創設し、ワンストップ化の推進が必要と考えます。区の見解を伺います。  次に、自殺対策について伺います。  厚生労働省と警視庁が三月十六日に発表した二〇二〇年の自殺者数は、前年比九百十二名増の二万一千八十一名となり、十一年ぶりに増加に転じています。男性は減少している一方で、女性は二年ぶりに増加し、特に二十代の増加率が顕著であります。  それらを踏まえて、公明党世田谷総支部青年局が、この春に全世代を対象に、命を守るアンケート調査を実施いたしました。その結果では、約四割の方が自殺を考えたことがあるというショッキングな数字も表され、一層の対策を進める必要性が浮き彫りとなりました。  そこで二点質問をいたします。  一点目は、ゲートキーパーの役割の重要性についてです。  これまでも保険料収納課、納税課などでの滞納などの相談機会に、早期に対応ができるよう求めてきました。コロナ禍で生活相談も増えていることを捉えても、窓口業務におけるゲートキーパー的役割が重要と考えます。さきのアンケートでは、ゲートキーパーについて、八〇%の方が知らないと答えた一方で、ゲートキーパーになるための研修に参加したいと答えた方が七〇%おられました。  ゲートキーパーの周知とともに、拡充につなげる受講機会の工夫をし、活動につなげていくような取組にしていくべきと考えますが、区の見解を伺います。  二点目に、若年被害女性に対しての支援についてです。  さきに述べた二十代の自殺の増加率が顕著な背景の一因には、コロナ禍で顕在化した性暴力や貧困、家族関係破綻等の様々な困難を抱えている孤立している女性たちの問題があります。こうした方々が抱える課題を整理し、自立して生きるための学び直しや具体的な生活基盤が必要であります。そのためには、公的機関と、NPO等民間支援団体が連携をしたアウトリーチによる相談支援や、居場所の確保等が求められています。今後、区として、若年被害女性への支援及び体制の強化について、区の見解を伺います。  次に、気候変動対策の強化について伺います。  令和元年十月の台風十九号では、甚大な被害が発生するなど、近年の気候変動による大規模な台風や集中豪雨など、年々自然災害が激甚化しています。深刻化する気候危機の状況を踏まえ、令和二年十月に世田谷区気候非常事態宣言を発表し、二〇五〇年までに区内の二酸化炭素排出量実質ゼロを目指すことを表明しました。  一方で、台風、集中豪雨から区民の命を守るとのテーマ一つを取っても、河川、護岸、堤防整備は国や都、上下水道は東京都、危機管理、土木などは区となり、所管が多岐にわたります。  総合的かつ長期戦略的に考えるためには、気候変動を全庁横断的に担う所管の創設が必要です。現在、世田谷区地球温暖化対策地域推進計画の見直しを二年かけて行うとのことですが、スピード感に欠けていることが否めません。  深刻な気候危機回避に貢献するものと評価されるためには、二〇三〇年の削減目標に加速度を増して進めていくべきです。  SDGsの取組につながるペーパーレス、食品ロス、紙おむつのリサイクル、脱プラスチック、エシカル消費など、推進すべき行動が様々あると考えられます。できる限り事業者や区民に向けた環境配慮行動を示すべきと考えます。  ここで二点から伺います。  一点目に、気候非常事態宣言が評価される結果を伴うためには、多岐にわたる所管について、気候変動を全庁的に包括できる所管の創設が必要と考えます。区の見解を伺います。  二点目に、二〇三〇年の目標達成に向けて、スピード感を持って、事業者、区民に向けて具体的な環境配慮行動と目標を示すべきです。区の見解を伺います。  次に、区民に寄り添う経営改革について伺います。  第一に、区立保育園の在り方について伺います。  先般、福祉保健常任委員会において、保育待機児童の状況と今後の保育施設整備について報告がありました。  そこでは、二年連続保育待機児童がゼロであり、今年度の入園申込みが大幅に減少していることから、令和五年四月、新規開設整備については公募を実施しないとのことでした。ゼロ歳から二歳児の人口の推移では、平成二十八年の二万三千百二十四人から、令和三年には二万十一人に減少したことで、保育施設でのゼロ歳から二歳児の欠員数は八百三人に上っています。この欠員状況では、私立保育園や認証保育所、企業主導型保育所にとっては、保育園経営面の負担や従事する保育士等に不安をもたらしています。  一部の私立事業者からは、このままでは年内にも撤退しなくてはならないとのお声も聞いています。最悪の事態である保育園閉鎖の危機に追い込まれないよう、早急に手だてが必要です。  そこで二点伺います。  一点目は、区立保育園の定員調整についてです。  保育園では、定員数に合わせて保育士等の人員を確保しています。欠員の発生により、私立認可保育園からは経営が厳しいとの悲鳴が上がっております。これまで区は、保育待機児童解消のため、私立認可保育園の誘致を積極的に進めてきました。今後は、区立保育園から定員を減らして調整を早急に進めるべきと考えます。区の見解を伺います。  二点目に、民営化についてです。  区は、新たな人口推計などを踏まえ、九月に今後の保育施設の方向性を示すとしています。区立四十六園を整理縮小し、私立認可保育園の安定した継続策を示すべきです。区の見解を伺います。  第二に、魅力ある図書館について伺います。  我が党は、この八年間、区民にとって魅力ある図書館について何度も議論をしてきました。このたび、教育委員会は、魅力ある図書館づくりに向けた事業方針としてまとめ、報告がありました。報告では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大などの新たな状況を受け、図書館サービスの在り方や運営体制などについて総合的に検討をしてきており、あり方検討委員会からの報告書を踏まえ、三つの取組を柱として、魅力ある図書館づくりを進めるとしております。
     そこで三点質問をいたします。  一点目は、取組の柱一の中央図書館についてです。  この事業方針では、中央図書館が地域図書館をマネジメントするとあります。マネジメントとは何でしょうか。管理なのか、戦略なのか不明です。そもそも教育センター移転後の中央図書館の構想として、全フロアを活用した魅力ある大型図書館を予測していましたが、その後、不登校特例校や隣接する区立小学校の教室不足からの転用など、次から次へと付け足された中央図書館は、既に全図書館の拠点ではなくなったと考えます。区が重要視する中央図書館のマネジメントについて見解を伺います。  二点目は民営化についてです。  取組の柱二として、あり方検討委員会報告でも明確になっている民間活用の効果を地域図書館に導入するとの決断に時間がかかりましたが、英断を評価します。地域図書館二館に指定管理者制度を導入するとの方針ですが、具体的にどのような視点から図書館を選択するのか、区の見解を伺います。  三点目は、運営コストの見える化についてです。  取組の柱三について、図書館運営協議会を設置し、恒常的によりよい図書館運営やサービス水準をチェックするガバナンスの仕組みとしています。ガバナンスの仕組みづくりは当然必要ですが、区立図書館も含めて、サービス水準や運営コストの見える化をすることが重要であり、協議会には民間からの厳しい目が必要であると考えます。区の見解を伺います。  第三に、公共施設のコスト管理と事業の民営化について伺います。  長引くコロナ禍の影響は、経済においても随所に見られるようになり、今後の区財政に及ぼす影響は予断を許しません。我が党は、将来世代にツケを回さないためにも、新公会計制度を基軸として、全事務事業の見直しと進捗状況等を統率する専管組織を求めてきました。特に公共施設の維持管理コストは、区財政にとって大きな課題であります。  区は、平成二十九年度より、世田谷区公共施設等総合管理計画を策定し、学校教育施設の計画的な改築を目指してきましたが、耐震の問題やエアコンの設置などの影響で大幅な計画の見直しが迫られています。加えて、今般の三十五人学級の導入で、改修費用も大幅に増大します。こうした状況下にあることを考えると、公教育の現場においても、行財政改革は待ったなしであります。  そこで二点質問をいたします。  一点目に、新BOP事業の民営化についてです。  利用者増や大規模校における狭小化や、学童クラブの時間延長のニーズに対応するため、民営化に大きくかじを切るべきと考えます。世田谷区以外の二十二区は、コロナ禍でありながら民間委託を推進し、区民ニーズに応えています。民営化に向けた道筋を示すべきです。改めて区の認識を伺います。  二点目に、学校施設の長寿命化についてです。  学校施設長寿命化計画が三月に発表されました。学校施設が全公共施設の延べ床面積で五〇%を超える中、築五十年以上の学校が四十四校と改築費用の増加が見込まれます。  本計画では、棟別改築のほか、他の施設との複合化、プールの共有化を進めることで、コスト削減と平準化に努めるとしていますが、令和八年度以降、年百億円を超える整備計画となっており、このような取組だけで果たしてコスト削減をなし得るのか、改めて区の見解を伺います。  最後に、区民に寄り添う経済対策について伺います。  第一には、子育て世帯生活支援特別給付金についてです。  コロナ禍における国の定額給付金と東京都出産応援事業のはざまとなる令和二年四月二十八日から十二月三十一日までに出生された御家庭への臨時特別給付金の支給について、我が党が四月二十一日に保坂区長に対して緊急要望をいたしました。このたびの第一次補正予算においても、子ども一人当たり十万円支給となる(仮称)子育て世帯への特別定額給付金が計上されたことは高く評価をいたします。しかし、同時に発表されました、低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金、その他世帯分の支給については、区の丁寧な対応が求められます。  支給対象者である令和三年四月の児童手当、または特別児童扶養手当の支給を受けている方は申請不要で、口座に振り込まれます。一方、令和三年度分の住民税均等割が非課税である方と、コロナ禍の影響を受け、家計が急変した方に関しては申請が必要になります。一人も漏れなくの受給の権利を行使していただくためにも、迅速かつ申請行動につながる案内通知等の工夫が重要です。  ここで伺います。コロナ禍で確定申告が通常より一か月延長されたことによる支給対象者及び今年に入ってコロナ禍の影響で家計が急変した世帯への把握をどのように行うのでしょうか。一人も残さず、情報を届け、受給できるようにすべきです。区の見解を伺います。  第二には、せたがやPayの加盟店拡大についてです。  このたびの補正予算に新たな経済対策として、プレミアム付商品券事業の予算が計上されました。長引くコロナ禍の経済対策として、我が党が提案し続けてきたプレミアム商品券は、東京都生活応援事業を利用して、電子商品券を大幅に増やした世田谷区及び商店街連合会の努力を大変評価いたします。  一方で、緊急事態宣言の延長により、飲食店をはじめとした区内の個店の経営が逼迫する窮状が続いており、この打開策の一助となるせたがやPayにおいては、六月十一日時点で九百四十四店舗とのことです。利用できる加盟店の拡大が急務であります。  区は、将来的に地域通貨ともなるせたがやPayが地域経済の活性化に大きく寄与するには、区内の加盟店舗数の目標数を定め、取り組むべきではないでしょうか。あわせて、利用者の裾野拡大も並行して行い、多くの区民に還元する取組がコロナ禍における経済対策と言えます。  ここで二点伺います。  一点目に、加盟店の拡大についてです。  区は、加盟店拡大を委託して行うとのことですが、成果報酬として委託先へ目標数を定めて確実に拡大するべきと考えます。区の見解を伺います。  二点目に、さらなる第三弾への取組です。コロナ禍がまだまだ続くことを鑑み、さらなる経済対策としての第三弾を今年度末をめどに検討すべきと考えますが、区の見解を伺います。  以上で檀上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 福田議員に、私からは三点お答えをいたします。  まず、ワクチンの接種体制について御提案がございました。  区では、高齢者のワクチン接種に当たりまして、副反応等がどのように出るか、こちらは万全な対応が取れるように、複数の医師がいる集団接種会場から接種のほうを進めて現在に至っております。一方、接種を希望される方の中には、この集団接種会場までいらっしゃれない、また通い慣れている病院やクリニックでの個別接種を希望されている方もいることを存じ上げています。  病院、診療所における個別接種、まして在宅療養の方に対する訪問接種の実施について、この間先行して実施してきた医療従事者のワクチン接種のめどがようやくつき、予定よりは遅れてしまいましたが、六月中旬からこの接種を開始し、順次、拡大する方向で調整を進めているところでございます。  私のほうからも世田谷区、玉川両医師会の個別接種を事前に研修する集いに参加させていただいて、個別接種に医師会の会員の先生方が、積極的にぜひ取り組んでいただきたいということをお願いしているところでございます。  また、病院、診療所での接種の予約方法ですが、通常診療への影響を考慮し、世田谷区の予約システムを使いたい、この医療機関につきましては、十九の現在の集団接種会場とともに、この予約システムの中に、病院・診療所名を表示して、また、ワクチンコールセンターや区の予約サイトから現在の接種会場同様、予約ができるようにいたします。ワクチン接種を希望される方が、誰一人取り残されることなく接種が受けられる体制を整備してまいります。  次に、気候変動対策についてお尋ねをいただきました。  世界のCO2排出量は、現在もなお増加を続けており、気候危機の状況は、生物の生存条件を脅かすほどの事態に直面をしています。  区では、これまでも、自然の力を生かしたグリーンインフラ基盤づくりや全国の自治体に先駆けて、世田谷版RE一〇〇に取り組み、自然エネルギー由来の電力調達を図るなど、自治体間連携による自然エネルギー活用に努めてまいります。  さらに、区民参加の下、よりよい環境と生命を守る行動を加速しようと、昨年十月、気候非常事態を宣言するとともに、二〇五〇年にCO2排出量実質ゼロを目指すと表明をいたしました。この宣言を踏まえまして、地球温暖化対策地域推進計画の改定に着手しているところでございまして、現在、部長級で構成されている環境共生推進会議等を通じ、全庁を挙げ、現在の進捗状況を把握しているところであります。  この二〇五〇年の実質ゼロの目標を達成するためには、公共施設、住宅、建築、交通、産業、消費生活、リサイクルなど多くの部署を横つなぎし、総合的かつ長期的な戦略を立てていくことが必要であると考えています。  推進体制といたしましては、環境政策部を核として、全庁一体となって気候変動対策に取り組むとともに、世代を超えた区民参加の仕組みをつくりまして、現在の気候危機から区民の命を守る取組及び行動を具体化し、成果を出していく決意でございます。  最後に、第三弾経済対策を今後という御提案でございます。  新型コロナウイルス感染症の影響により、区内経済は大変厳しい状況が続いています。一部持ち直しの動きがあっても、これは好転というにはほど遠く、最悪の場合は、持ち直しに五年以上を要したリーマンショック以上に時間を要する危険がございます。区としてもこうした経済動向を踏まえ、引き続き、その対策を打っていく必要を認識しています。  今回、せたがやPayやプレミアム付商品券の支援を八月から年度末にかけて実施できるよう補正予算に提案をさせていただいています。これまでプレミアム付商品券の利用ということに縁遠かったその外側にいた人たちにも大いに使ってもらいたいと思っています。  今後、ワクチンの接種が進む中で、どのようなタイミングで次の経済対策が必要なのか、国や都の支援策の状況、これも注視しながら、雇用状況、景気動向に目を配りながら、区民、事業者を取り巻く環境を把握して、適切な時期に対策が取れるように準備をしてまいります。  以上です。    〔岡田副区長登壇〕 ◎岡田 副区長 私からは、気候変動対策について、区民や事業者に向けた環境配慮行動の提示について御答弁申し上げます。  地球温暖化対策地域推進計画の改定におきましては、環境審議会での御議論とともに、区民ワークショップなど、世代を超えて広く区民、事業者の御意見をいただく機会を設け、二〇三〇年度の新たな中間目標や目標達成に向けたロードマップ、具体的な施策を策定してまいります。  区が掲げる脱炭素社会の実現のためには、大量生産、大量消費、大量廃棄のライフスタイルの転換が不可欠であり、早急に区民、事業者と区が危機意識を共有し、一人一人ができるところからこの問題に取り組んでいくことが極めて重要です。  今年度は、区民、事業者への普及啓発としまして、気候非常事態宣言を受け、気候危機に立ち向かうために区民一人一人ができることをまとめ、チラシやSNS等で発信してまいります。  また、全庁挙げての区としての率先行動など、既存の取組を適宜アップデートするとともに、区民、事業者の皆さん、他自治体、有識者等と情報共有、協働を進め、計画改定までの間にできるところから着手し、スピード感を持って温暖化対策を推進してまいります。  以上です。    〔中村副区長登壇〕 ◎中村 副区長 私からは、五点御答弁いたします。  まず、ワクチン接種の問合せ専用のフリーダイヤルの新規開設についてです。  新型コロナワクチンコールは、本年二月の開設以来、接種券の発送状況などに合わせて回線を増強してきましたが、予約開始当初はつながりにくい状況が生じ、御迷惑おかけいたしました。接種券の発送や予約枠の拡大直後、また朝の時間帯については、依然としてつながりにくい状況が続いておりますが、平日の午後から夕方にかけての時間帯や土日、祝日は改善をしてきております。  今後は、国の大規模接種センターに加え、病院での個別接種や職域接種など選択肢が増えることで、区の集団接種の予約のキャンセルが増えることが見込まれます。  このことから、次の接種券送付に先立ち、ネット環境がない方でもキャンセルの連絡がしやすいよう、本日六月十四日からキャンセル専用の電話をフリーダイヤルで開設いたします。また、予約と問合せは一連の流れで受けるケースが多いですが、今後、接種機会の多様化とともに、相談内容が複雑になることも想定され、状況を見ながら最適な電話の受付体制を整えるとともに、フリーダイヤルへの切替えに向け、検討をしてまいります。  次に、コミュニティーソーシャルワーク機能の充実強化についてです。  福祉の相談窓口の一翼を担っています社会福祉協議会では、相談者に寄り添い、ニーズを把握し、適切な社会資源につなげるコーディネート機能を持ったコミュニティーソーシャルワークの役割が重要と捉え、人材育成計画を策定し、専門性の高い人材の確保、育成などを行っております。  また、各地区において、近隣住民や専門機関、団体等との協働によるサポートネットワークの構築など、コミュニティーソーシャルワーク機能の発揮による個別支援と地域支援の一体的な推進に取り組んでおります。  今後、福祉の相談窓口では、職員が相談者に寄り添いながら、必要なときタイムリーに専門的な相談支援につなぎ、相談者の課題が解決するまで伴走する仕組みの充実が必要となります。  ICTの活用により、福祉の相談窓口と専門機関、団体等をつなぐことなど、相談支援の環境整備を含め、コミュニティーソーシャルワーク機能の強化に取り組んでまいります。  次に、区立保育園の定員調整についてです。  区では、令和三年四月の保育待機児童が昨年に引き続きゼロになった一方で、複数の保育施設において、入園する子どもの数が定員に満たない、いわゆる欠員の増加という新たな課題が生じております。  お話がありましたとおり、この四月の欠員は、ゼロ歳から二歳児で八百名を超えており、こうした欠員の増加は、私立認可保育園や認証保育所、企業主導型保育所の経営に大きく影響を及ぼす懸念があると認識をしております。  この間、待機児童解消に向けて区立保育園の定員を弾力化により最大限拡大してきましたが、昨年からはこの弾力化の解消を段階的に進めております。引き続き、私立保育園を含めた定員弾力化の解消を図るとともに、今後の就学前人口の推移や、地域の保育需要の動向を十分に見極めた上で、区立保育園の定員の見直しについて検討してまいります。  次に、区立保育園の再整備についてです。  区立保育園につきましては、地区ごとに公的なセーフティーネットの役割を担うとともに、地区内に複数の区立保育園が配置されている場合、老朽化に伴う改築に当たっては、移転、統合、閉園等による再整備を検討することとしております。この方針に基づき、今後、四園を対象に、新たに区立保育園を再整備する計画を定めておりますが、この間のコロナ禍に伴う事務事業の緊急見直しなどに伴い、統合時期の変更が生じております。  来年度には、子ども・子育て支援事業計画の策定を予定していることから、地域、地区の保育需要をより細かく分析し、改めて今後の具体的な区立保育園の再整備計画について検討を進めてまいります。  加えて、これまで保育待機児童問題が優先しており、対応できていなかった出生前入園選考や区外在住者の四月入園選考についても具体的な検討を進め、私立保育園が安定して運営を行っていけるよう取り組んでまいります。  次に、新BOP事業の民間活用についてです。  新BOPにつきましては、昨年度、新BOP事業のあり方検討委員会において、目指すべき方向性について検討し、報告書としてまとめております。その中では、新BOPの規模の適正化のための定員制の導入や、民間活用の是非と活用方法等について検討が必要であるなどの意見があり、現在、庁内の関係所管で検討を進めております。  九月に新BOP事業の今後の施策の方向性について取りまとめ、年内に令和四年度以降の具体的な施策をお示しする予定で進めております。  新BOPは、子どもたちのセーフティーネットとして、学校、児童館、子ども家庭支援センターなどの関係機関と連携して、児童の見守りや支援を行っており、こうした役割を踏まえた最適な運営方法について、民間事業者の活用を含め、検討してまいります。  以上です。    〔渡部教育長登壇〕 ◎渡部 教育長 中央図書館のマネジメント強化について御答弁申し上げます。  中央図書館は、図書館ネットワークの中枢機能を担う情報拠点であるとともに、基本計画に示された文化の創造と知のネットワークの主翼をなす機関です。各地域図書館は、幅広い世代の利用を想定し、以前、議会でも御指摘があったとおり、地域活性化やまちづくりを支え、さらには地域の歴史なども継続して所蔵する地域の知の拠点としての役割を担っていきます。  中央図書館は、その地域図書館の様々な活動を支援、調整、アドバイスし、各地域図書館ならではの特色ある取組をイベント等を通して、広く区民の方々にお伝えする役割を担います。さらに、区長部局との連携を統括する役割も必要となります。中央図書館には、この全体を効率的に運営するためのマネジメント機能の強化こそが重要です。  議会で様々に御示唆いただきましたが、今後、多様なニーズに的確に対応するため、民間活用、中央図書館のマネジメント機能の充実に全力を挙げてまいります。  以上でございます。 ◎久末 住民接種担当部長 私からは、新型コロナワクチン接種について四点御答弁いたします。  初めに、予約されていない高齢者への対応についてです。  現在、高齢者の予約者数十四万人強に国の大規模接種会場での接種者数を加えますと、約十五万人の方が予約または接種を終えた方がいらっしゃいまして、該当者の八割を超えております。まだ予約されていない方の中には、病院などでの個別接種を希望される方や、これから接種を検討される方のほか、予約の仕方が分からない方や接種券の到着に気がつかない方などもいるものと考えております。  区では、これまであんしんすこやかセンターや民生児童委員、高齢者クラブの協力を得て、直接の情報提供などを行うほか、スマートフォンをお持ちでない方や、インターネット予約の方法が分からない方を対象に、まちづくりセンターでの予約支援を行ってまいりました。引き続き、関係機関や関係団体に協力をいただきながら、まだ予約をされていない方への情報発信や手続の支援を行うとともに、状況を見ながら、さらなる対策を検討するなど、接種を希望される方が取り残されないよう取り組んでまいります。  次に、余剰ワクチンについてです。  余剰となったワクチンについては、廃棄することなく効率的に使用することとされ、その運用については自治体に委ねられています。区では、貴重なワクチンを無駄にしないため、キャンセル等により生じた余剰ワクチンは、会場に従事する医療従事者、委託事業者、区職員に接種を行ってきました。さらに、会場の状況を踏まえ、接種会場を中心とした半径五百メートル圏内にある区立保育園、幼稚園、小中学校の保育士、教職員に対し、接種券を保有していなくても接種対象者に追加したところです。  引き続き、実効性のある対応策を検討、実施しながら、ワクチン管理を徹底し、ワクチンの有効活用を図ってまいります。  次に、大蔵第二運動場への無料シャトルバスについてです。  大蔵第二運動場への無料送迎シャトルバスは、六月四日から二十一日までの間、成城学園前駅と用賀駅から朝九時から夕方五時三十分まで運行しています。この間、一日当たりで平均で百七十五名ほどの方が利用しており、一台当たりの一回の利用者の平均は約七名となっております。  お話しのとおり、オリンピック・パラリンピック実施期間はアメリカ選手団が利用するため、接種会場として利用できません。そのため、再び接種会場として利用するのは九月三日を予定しています。会場再開時には、非接種者の年齢も下がることから、無料シャトルバスの運行につきましては、改めて必要性を確認しながら、今回のバス利用状況も踏まえまして検討してまいります。  最後に、会場でのアルバイト活用についてです。  集団接種会場では、受付や誘導など基本的な運営は委託事業者で行い、ワクチン管理や接種者の個人情報管理などは区職員で行う体制を取っております。  各会場では、区の職員が四名ほど従事しており、主にまちづくりセンターを含めた総合支所や施設所管部と全庁応援の職員が勤務しております。通常運営は委託事業者の社員やアルバイトが担っておりますが、細かな質問や相談事もあることから、判断を求められることもあり、一定数以上の職員が勤務する必要があると思っております。  今後も、総合支所や施設所管部と調整し、委託事業者との役割分担も進め、職員の本来業務に支障が起きないよう、限られたマンパワーの中で的確な人員配置を行ってまいります。  以上です。
    ◎長岡 高齢福祉部長 私からは、集団接種会場への移動支援についてお答えいたします。  区では、公共交通機関の利用による移動が困難な在宅の高齢者や障害者の外出を支援するため、福祉タクシー券等の交付により、福祉移動サービスを提供しております。対象は、障害者は身体障害者手帳をお持ちの方で、下肢機能障害等がある方や、愛の手帳一度、二度をお持ちの方で、高齢者は常時車椅子を使用している要介護度三から五の方です。  このたび、こうした対象者に自宅から集団接種会場に移動する際などに御利用いただくよう、タクシー券等の二回接種分を追加で給付することといたしました。内容といたしましては、障害者には福祉タクシー券を、車椅子やストレッチャーを利用する障害者や高齢者には予約料・迎車料補助券、ストレッチャー料免除券を追加で給付いたします。  なお、福祉タクシー券の対象者のうち約六四%が高齢者でもあります。ワクチン接種は、現在、集団接種会場や高齢者施設が中心ですが、今月中にはより身近な地域の病院や診療所において、個別接種が順次開始される予定です。  こうした選択肢を含め、高齢者の方などが御相談される御家族やヘルパー、ケアマネジャーの方などに対して丁寧な周知を行うなど、安心してワクチンを接種していただける環境づくりに取り組んでまいります。  以上です。 ◎舟波 地域行政部長 私からは、まちづくりセンターにおけるワクチン接種の予約支援について御答弁申し上げます。  今回実施しましたまちづくりセンターでのワクチン接種予約支援につきましては、六十五歳から七十四歳のワクチン接種券の送付に伴い、ネット予約の混雑が予想され、また、電話予約もつながりにくいことなどから、急遽インターネットになじみのない高齢者の方の接種機会の確保に向けた支援を実施したものでございます。  これまで延べ一万三千人を超える方の予約支援を行い、また、まちづくりセンターや福祉の相談窓口などを知っていただく機会にもなりました。現在、約十四万人を超える方が世田谷区の接種会場の予約をされておりますけれども、まだ接種予約ができていない方や、接種予約の取り直しを希望する方などがいらっしゃると考えております。  今後も、まちづくりセンターでは、区民の困り事の相談支援として、あんしんすこやかセンター等とも連携しながら、接種予約の支援を希望される方に丁寧に対応してまいります。  以上でございます。 ◎澁田 保健福祉政策部長 私からは、福祉・住宅総合相談窓口の創設についてお答えさせていただきます。  この間、区民への利便性の向上を図るため、生活困窮世帯の相談窓口であるぷらっとホーム世田谷と、住宅確保要配慮者向けのサービスであるお部屋探しサポートが連携し、ワンストップで支援を行う仕組みについて協議を重ねているところでございます。  例えばぷらっとホーム世田谷で支援を受けている方がお部屋探しサポートを利用する際は、必要に応じてぷらっとホーム世田谷の職員が同行したり、お部屋探しサポートでの相談中に福祉の相談が必要と判明した場合には、その場でぷらっとホーム世田谷につなげるなどのスキームの可能性について検討をしております。  区といたしましては、住まいや生活、就労などの様々な悩みを持つ方が、福祉や住宅の相談を総合して相談できる体制づくりについて、住宅所管課と連携し、引き続き検討してまいります。  以上でございます。 ◎辻 世田谷保健所長 私からは、自殺対策におけるゲートキーパーについてお答えいたします。  警察庁の自殺統計によると、令和二年の区内の自殺者数は、前年比五名増の百六人で、ここ十年で初めて増加に転じました。一方、令和二年度の区民意識調査では、回答した二千三百七十一人のうち、メンタルなどの悩みなどを誰にも相談しない人の割合が約一三%存在しています。このことからも、自殺のサインにいち早く気づき、相談窓口等へ橋渡しを行うことで自殺予防の一端を担うゲートキーパーは重要であり、区ではこれまで延べ千四百七十四人のゲートキーパーを養成してきました。  さらに、コロナ禍の中で生活相談に関わる区職員や地域で生活する一般区民の方も含めて、気づきの感度を上げるなど、ゲートキーパーの裾野の拡大が大変重要です。  そのために、まずは庁内の各総合支所保健福祉センターをはじめ、納税課や保険料収納課等の構成員の自殺対策連絡会において、ゲートキーパーの重要性を改めて共有するとともに、区民や各種団体等に向けての情報発信や啓発の充実、ゲートキーパー講座の入門講座の新規設置などにより、普及拡充を図ってまいります。  さらに、ゲートキーパーとして活動できる場について、先進事例等を調査して検討するなど、自殺対策としての支えあい地域づくりを進めてまいります。  以上です。 ◎片桐 生活文化政策部長 私からは、若年被害女性への支援についてお答えいたします。  若年女性の中には、交際相手や知人からの性暴力など重大な問題を抱えていてもどこにも相談できずにいたり、居場所や経済的な基盤がないために援助交際を繰り返すなど、深刻化するケースが多く報告されております。  このような状況を踏まえ、都では、平成三十年度より若年被害女性等支援事業を実施し、アウトリーチ支援、居場所の確保、自立支援などに取り組んでいるところです。  区におきましても、この六月より犯罪被害者等相談窓口を開設し、身近な地域で相談できる体制を整えるとともに、被害者の精神的な回復に向けた医療へのつなぎなど、医療機関をはじめとする各種支援機関との連携体制の構築を進めております。  また、被害女性が安心して過ごせる居場所の確保を積極的に進めることで、地域の中で支えられながら、御本人の意向に沿った社会生活を送れるよう、個々の状況に寄り添った伴走型の支援を展開してまいります。  以上です。 ◎内田 生涯学習部長 私からは、魅力ある図書館について二点お答えいたします。  まず、指定管理者制度導入についてです。  教育委員会では、第二次図書館ビジョンが掲げる基本理念に沿った世田谷らしい魅力ある図書館を目指し、安定的な図書館サービスを提供していくために、図書館運営体制あり方検討委員会からの報告を踏まえ、民間事業者の図書館運営におけるノウハウやアイデア等を活用してまいります。  民間活用の手法としましては、地域特性や利用者ニーズに応じた自由度の高い図書館サービスの充実を図るために、新たなニーズに対する柔軟な対応や、施設全体の維持管理、図書周辺サービスを含む幅広い業務範囲に対応可能な指定管理者制度をモデル的に地域図書館二館に導入します。  導入対象とする図書館をどのように選択するかは、館の規模や来館者数のほか、開館時間延長による利用者の利便性の効果がある立地環境、近接する施設との地域連携の可能性、施設形態や施設運営上の課題の改善見込みといった様々な条件を総合的に勘案して、七月を目途に決定してまいります。  次に、(仮称)図書館運営協議会についてです。  直営の図書館と民間活用した図書館の双方において、区民の視点から運営状況の確認を行うなど、区民が運営に関わり、よりよい図書館運営やサービス水準を評価していくガバナンスの仕組みとして、(仮称)図書館運営協議会を設置いたします。  各図書館の運営状況等を評価する上では、サービス水準や運営コストなどの評価指標を定め、PDCAサイクルを確立することが必要なことから、指標に対する達成度を評価し、魅力的な図書館づくりに取り組んでまいります。  また、区立図書館としての質の高い公共サービスの供給を念頭として、メンバーには公募による区民や学識経験者、民間事業者などの民間の目線を十分反映できる構成を考えております。  様々な視点から各図書館の運営状況を客観的に評価、検証を続けていくことで、図書館運営やサービス水準を安定的に確保してまいります。  以上でございます。 ◎知久 教育総務部長 私からは、学校施設の長寿命化についてお答えいたします。  小中学校全九十校のうち、四十四校は築五十年以上の建物を有しているなど、今後多くの学校施設が更新時期を迎えることから、学校施設の整備に多額の経費が見込まれております。  このような学校施設を取り巻く状況を踏まえ、教育委員会では、財政負担の軽減や平準化を図るため、長寿命化を推進し、計画的な老朽化対策に取り組むことを目的として、本年三月に世田谷区学校施設長寿命化計画を策定いたしました。  本計画は、施設の長寿命化とともに、令和十二年度までの計画期間内に更新時期を迎える学校の改修工事については、必要な機能が維持できる最低限の工事とするなど、徹底した経費の削減を図ることを基本としております。  しかしながら、四十五人学級の導入をはじめ、今後の新たな国の施策等による緊急的な工事などにも対応ができるよう、引き続き改修工事の優先度を精査するとともに、学校施設の整備及び維持管理経費のさらなるコスト縮減に向けて、関係所管と連携して取り組んでまいります。  以上です。 ◎柳澤 子ども・若者部長 私からは、子育て世帯生活支援特別給付金についてお答えいたします。  低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金のうち、ひとり親世帯以外の低所得の子育て世帯分については、支給対象となる方が大きく二つに分けられます。  一つには、令和三年四月分の児童手当または特別児童扶養手当の支給を受けている方であって、令和三年度分の住民税均等割が非課税である方は区で把握しているので、改めて申請をしていただくことなく支給いたします。  もう一つは、支給年齢対象の子の養育者で、令和三年度分の住民税均等割が非課税である、あるいは家計急変により同様の事情と認められる方には、区が把握していないことから、申請により給付金を支給してまいります。  また、令和二年分の確定申告期限が延長されたことにより、令和三年度分の住民税課税状況の決定が遅くなる可能性も考慮し、住民税均等割非課税であることが不明な方に対しては、収入の状況を確認するなど、支給対象と想定される全ての方へ通知により御案内することで、支給対象者の把握に努め、対象となる方には一人も残さず情報を届けてまいります。  家計が急変した世帯への給付に当たっては、新型コロナウイルス感染症の影響により収入が減少したことを区へ申請していただき、基準に該当するかどうか判定していく必要がございます。  区といたしましては、家計が急変した世帯への給付を確実に行っていくために、受給対象者になる方が認識しやすいよう工夫し、御案内を通知するとともに、区のホームページやツイッター等の広報媒体などを活用し、申請勧奨に努めてまいります。  以上です。 ◎田中 経済産業部長 私からは、せたがやPay加盟店の拡大について答弁いたします。  新実施計画(後期)の令和三年度の取組として、現状の加盟店舗数に二千店舗を上積みすることを目標としております。お話しの加盟店拡充の取組の外部委託では、加盟店を増やした場合に報酬を支払う成果報酬型で実施するなど、商店街振興組合連合会とともに様々な事業者にヒアリングをかけているところです。  引き続き、区、商店街振興組合連合会、産業振興公社の三者で連携し、主に御高齢の方が経営している店舗や電子決済に抵抗感がある店舗に直接訪問し、実演も含めた丁寧な説明を行うなど、幅広く加盟店を増やしてまいります。  私からは以上です。 ◆四十二番(福田たえ美 議員) 御答弁ありがとうございました。再質問させていただきます。  まず初めに、タクシー券の対象者の拡充についてというところですが、介護三に至らないが、脳梗塞による麻痺や足腰が弱く、室内を歩くことが精いっぱいの方もいらっしゃいます。送迎を頼める身内がおらず、切り詰めた生活の中でタクシーの予約をすれば、往復には約二千円を超える出費となるということで、大変つらいというお声もいただいております。  医療機関での接種においても、自宅から近い医療機関がなかったり、またかかりつけ医がワクチン接種を実施していないなど、接種にたどり着けない方が存在いたします。  そこでもう一度答弁を求めますが、高齢者のこの移動困難者への支援について、再度答弁を求めます。  二つ目に、社会的孤立について二点伺います。  実態把握について、まずは、昨今、社会的孤立という言葉だけが先走っておりますが、コロナ禍の影響によって、家族、友人、知人との交流が減少し、地域とのつながりも途絶えている高齢者の方に対して、ワクチン接種というキーワードとして、これまで接触が困難だった方へのアプローチの大きな機会であります。地域、地区とつながる絶好の機会と捉えるべきでありますが、区の見解を伺います。  もう一つ、伴走型支援について伺います。  御答弁では、ICT活用とのことですが、それも一つの方法と認識しておりますが、複雑な課題においては、相談者と一緒に手続を行ったり、専門家や支援機関などへの連携、調整を行う伴走型支援が必要な方々がいらっしゃいます。この点に関しても、区の見解を伺います。  三点目には、福祉・住宅総合相談窓口について伺います。  お部屋探しサポートで相談中に福祉の相談が必要と判明した場合には、ぷらっとホーム世田谷へつなげるとのことですけれども、コロナ禍で収入が急に減少したなどの方が急増しており、相談中にどう聞き取るのかが大変重要であります。  今、どのように相談の中で聞き取っているのか、また、より一層の聞き取りの工夫が必要であると考えます。区の見解を伺います。  そして最後に、気候変動対策についてですが、環境政策部を核として、気候変動対策を進めるとの御答弁をいただきましたが、成果を出していくためには、この環境政策部に権限を付与せずしては、従前の取組と何ら変わりません。権限の付与について伺います。 ◎中村 副区長 再質問にお答えいたします。  私からは、社会的孤立に関連して二点御答弁いたします。  まず、ワクチン接種を地域や地区とつながる絶好の機会と捉えるべきという御質問です。  現在もまちづくりセンターでの予約支援、継続しておりますが、この取組に当たりましては、各福祉の相談窓口のあんすこや社会福祉協議会はもとより、地区の町会・自治会、民生委員、高齢者クラブなど、多くの皆様から個別の御連絡をいただいたことで、これまでに一万三千を超える予約を受け付けることができています。  今後も、このまちづくりセンターで御予約いただいた高齢者の方々とともに、個別の接種に取り組んでいただいた地域の皆様とのつながりを大切にして、また、ワクチン接種を話題とすることで、あんすこや民生委員の訪問などで、ふだん接点のない方や訪問を受け入れてこれまでいただいていない方に関わる契機としてまいりたいと考えております。  コロナ禍が長期化する中で、様々な手法により高齢者の状況把握に努めることで、高齢者の孤立予防や介護予防の取組強化を図ってまいります。  次に、伴走型支援についてです。  福祉の相談窓口では、相談内容が整理されていない場合ですとか、相談者自身が問題点を表現できない場合も想定されます。相談者の表情や話し方、服装といった非言語の情報を同じ空間で直接感じ取って、適切なアセスメントにつなげる対面の相談支援が重要と考えております。  今後も、身近な福祉の相談窓口では、この対面の相談支援と地区の三者が伴走することを基本としながら、ICTにより相談者が保健福祉センターや専門機関に出向くことなく、タイムリーにつながることができ、課題解決を図る仕組みの構築を目指してまいります。  以上です。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 再質問にお答えいたします。  環境政策部の権限をきちっと位置づけよということでございました。  CO2排出実質ゼロは、区役所の全所管が当事者でありまして、力を合わせる必要がございます。事業実施所管がそれぞれ新たな目標を設定し、事業の組み立て方を改革することでしか実現をしないと考えています。  二〇三〇年の野心的な削減目標に向け、加速度を増して対策を進めていくため、環境政策部が核となり、環境審議会、意欲的に出す、要するに取り組む事業者や、NPO等の最新の知見を取り入れまして、取り組んでまいります。  なお、環境政策部は、昨年度より政策会議のメンバーに位置づけておりまして、庁内での気候変動対策をリードしていくよう、体制を構築してまいります。 ◎長岡 高齢福祉部長 私からは、高齢者の移動支援についての再質問にお答えいたします。  先ほども御答弁いたしましたが、ワクチン接種について、今月中にはより身近な地域の病院や診療所において、個別接種が順次開始される予定です。  また、在宅診療を行っている高齢者の方等に対しては、訪問医の方が御自宅に伺ってワクチン接種を行う訪問接種についても、現在調整を行っているところです。  また、移動に伴うヘルパーなどの支援は、介護保険法に基づきまして、接種会場への移動や会場内での介助等に利用することが国の通知等によって認められているため、これにより対応することも可能となっております。  区といたしましては、移動困難な高齢者の方などへのワクチン接種につきまして、様々な選択肢を用意することで接種を希望する方の機会が失われることのないよう十分に配慮してまいります。  以上です。 ◎知久 教育総務部長 先ほど長寿命化の改修の件で、本来三十五人学級と答弁すべきところ、四十五人学級と発言してしまい、おわびして、訂正いたします。  以上です。 ◎畝目 都市整備政策部長 私からは、お部屋探しサポートの相談の中で聞き取りの工夫についての再質問についてです。  お部屋探しサポートの相談において、立ち退きや近隣トラブル、身体的、また経済的問題など様々な転居事由をお伺いしている中で、例えばコロナ禍による収入激減、健康や食生活の状況、就職先に困っているなど、福祉の支援が必要と判断された場合においては、ぷらっとホーム世田谷を御案内してきてございます。  相談の中で、確実に福祉の支援につないでいくためにも、聞き取り手側には丁寧な対応と、相談者の状況やちょっとした変化を見逃すことなく、気づきが大切で、その場でぷらっとホーム世田谷への必要性を判断し、面談日を調整する必要がございます。  区といたしましては、事業委託してございます一般財団法人世田谷トラストまちづくりにおいて、財団職員がこの間培ってきたノウハウや専門性に加え、さらに福祉的な知識を高めていくため、福祉所管、社会福祉協議会と連携し、研修を実施するなど、効果的で実効性のある取組を検討してまいります。  以上でございます。 ◆四十二番(福田たえ美 議員) 御答弁ありがとうございました。今最後にいただきました福祉・住宅総合相談窓口については、今後、トラストまちづくりの方々がさらにこの福祉の知識を深めていただけるということで、それによって本当にきめ細かな対応をより一層行っていただくことを期待いたします。  それでなんですが、区長からも再答弁いただきましたけれども、気候変動の対策についてはリードしていくように指示していくということではなく、やはり権限がなければ大きく前に進めないんじゃないかということでありますので、こういうところはしっかりともう一度進めていただくようお願いしたいと思います。
     それと、あとタクシー券でございますけれども、何度も同じ答弁をいただいているということは感じましたが、私が申し上げたいところは、訪問とか、個別接種、そこからも漏れてしまう方がいらっしゃるということなんです。これはやはりコロナ対策ということで、命に関わる、それを一番収束させるためには、このワクチン接種というところです。もう高齢の方々は本当に恐ろしいという気持ちで、この命を守るためのワクチン接種を本当に行いたいのにできない方がいる、この人たちにきめ細かな対応をしていくという視点がなければ、本当の意味で区民の命を守るとは言えません。  ここに関しては早急にもう一度検討していただきたいということで、以上で公明党世田谷区議団からの質問を終わります。 ○下山芳男 議長 以上で福田たえ美議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後三時一分休憩    ──────────────────     午後三時十分開議 ○下山芳男 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 この際、議事の都合により、本日の会議時間をあらかじめ延長いたします。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 代表質問を続けます。  世田谷立憲民主党を代表して、三十二番中塚さちよ議員。    〔三十二番中塚さちよ議員登壇〕(拍手) ◆三十二番(中塚さちよ 議員) 通告に従い、世田谷立憲民主党区議団八名を代表して質問を行います。  人口減少と行財政のスリム化について質問します。  厚生労働省は、昨年末に同年十月までの妊娠届出数を公表しました。新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、妊娠届出数は例年を下回る推移となっており、特に初回の緊急事態宣言下の二〇二〇年五月は、前年比マイナス一七・六%と二割近い減少となっています。  国立社会保障・人口問題研究所の公表する将来推計人口では、日本人の出生数がこのレベルまで減少するのは二〇三四年と想定していました。コロナ危機が出生数減を加速させ、人口減少を十年前倒しさせると懸念されます。  その主な原因である婚姻数の減少と、婚姻につながる機会の減少は、コロナ以後も接触を避ける新しい生活様式が定着することにより、長期化も予想されます。  本区においては、コロナ禍による地域経済への打撃に加え、ふるさと納税による税収減も深刻です。加えて、将来にわたり税収減に直結する人口減少を見越し、継続的に事業見直しを行い、一人一人の区民の生命と生活を守ることを最優先に区政運営を行うべきと考えます。区の見解を伺います。  このような状況の中、喫緊の課題である行財政のスリム化には、外郭団体の抜本的改革が不可欠と考えます。昨年、我が会派では、区の全ての事業について中身を詳細にヒアリングし、不要不急の事業や予算を洗い出す全事業見直しを実施しましたが、その結果、外郭団体への補助金はさらに見直しができるものと考えています。  特に世田谷サービス公社、世田谷トラストまちづくり、産業振興公社については、類似事業の散在や赤字が続く収益事業等の課題があり、整理統合による行政コストの削減を、これまでも会派の質問などを通して提案してきました。区の検討結果はどうなっているでしょうか、答弁を求めます。  次に、地域行政制度とDX推進について、ワクチン予約で見えてきた課題とまちづくりセンターの可能性について尋ねます。  本区では、四月二十八日から七十五歳以上の区民の新型コロナのワクチン接種予約がスタートしました。電話予約が殺到し、七十五歳以上の方にはインターネットが使えない方も多かったため、子どもや家族、ケアマネジャーなど、そういう方が代わってインターネットで予約をしました。  しかし、インターネットが使えない、家族や頼れる人も周囲にいない、予約ができず困っているという区民からの御相談を街頭でも多くいただきました。ワクチン予約をめぐり、コロナ禍で人と人との関わりが減る中、このような孤立者を出さない取組が求められます。区の答弁を求めます。  このような事態から数日遅れでありましたが、区内二十八か所のまちづくりセンターで、職員がスマホのワクチン予約のサポートを行ったところ、一万三千件ものニーズがあったとのこと、区民の満足度も高く、職員も大いに感謝されたとのことです。  これまでまちづくりセンターの中には、地域住民の認知度が低い場所もあることが指摘されてきましたが、これを機に、身近な相談窓口として、さらに活用できる可能性が見いだされたと考えます。  まちづくりセンターをどう区民に役立つ場所として再構築し、アピールしていくか、区の見解を伺います。  DX推進と格差の解消についても質問します。  今回のワクチン予約を通して、ICT化で区民の利便性が向上する一方、ついていけない区民が出てくるという情報格差、デジタルデバイドの問題が浮き彫りとなりました。  一方で、今回を契機に、こうした区民の方々がまちづくりセンターに来られ、職員が対応することで、新たなニーズを発見し、必要な機関につなげていくなど、区民への支援に生かすこともできるのではないかと考えます。  庁内でDXを進めて業務効率化を図ることで、職員がもっと地域に出たり、区民に対応する時間を増やすことこそ、DX推進の大きな目的と言えるでしょう。  新しい知識にたけた若手職員や資質あるセンター長、DXの専門家や住民参加の充実など、まちづくりセンター個別の実情に応じ、多様な人材を配置することなどで区民への対応を充実できるのではないでしょうか。区の見解を問います。  昨今、報道でも話題になっているのは、コロナ禍での働き方の格差問題です。調査によると、大企業や正社員でテレワークの実施率が高いのに対し、中小企業や非正規雇用者では実施率が低いことが明らかになっています。区でも昨年、会計年度任用職員の方から、コロナ禍での窓口対応への不安や窮状を訴える声がありました。  今後、管理職を中心にデジタルデバイスの支給が行われるなど、庁内での働き方改革も進みそうですが、格差拡大につながらないよう区の対応を求めます。  次に、コロナで苦しむ区民をなくすための取組について、介護サービス従事者や外出が難しい在宅要介護高齢者等への接種についてお尋ねします。  ワクチン接種については、国の圧力の下での区の尽力に感謝していますが、幾つか課題も残されています。  本区では、早くから区長の判断で、介護施設だけではなく、在宅介護サービス事業者もワクチンの優先接種の対象としたことは評価していますが、介護現場からは、区から接種希望者を募る連絡が来たものの、その後、音沙汰がないとの声が聞こえてきています。  高齢者にとってコロナ感染は命に直結します。また、障害者の重度訪問介護サービスなどは、長時間滞在で身体接触のある介助が欠かせず、感染リスクが高いと言えます。万一ヘルパーが感染した場合も、長時間の身体介助を伴う仕事は、簡単に代わりのヘルパーが見つかりません。介助の穴を空けられないため、神経をすり減らし続けている経営者の方から、もうやめたい、心が折れそうだとの悲鳴が上がっています。訪問系サービスにも早期のワクチン接種が求められています。接種の見通しを早く事業者にも情報提供するよう求めます。  また、優先接種対象は区民に限定されていますが、区民にサービスを提供している在勤の区外在住者も対象に含めるべきと考えます。既に他自治体ではそのような対応を取っている現状もあります。周回遅れにならないよう区にも早急な対応を求めます。  高齢者の接種が進む一方で、遠くまで行くのが難しい方にとっては、接種会場の拡大と近隣の医療機関による接種体制づくりも急務です。また、接種に行くのが難しい在宅要介護高齢者への訪問によるワクチン接種の準備はどうなっているのでしょうか。死亡・重症化リスクの高い方々が置き去りにされかねない現状を危惧します。今後の見通しを示してください。  感染に関するデータの精度向上と公開についても質問します。  福井県では、四月の陽性者数の九八%の感染経路を特定し、その八五%がマスクなしの会話が原因であると分析、会話の際のマスク着用の徹底を図るとともに、特にリスクの高いマスクなし、飲食ありでの感染を避けるため、家族内でも体調不良者は別に食事をするなど、根拠ある感染対策を進めています。  一方、東京都では、感染経路が分かっているのはおよそ四割、本区でも感染経路不明者の割合が五割、六割で推移しています。実際に感染をした方に聞くと、保健所の聞き取り調査に行動履歴を全て正直に答えることに抵抗を感じる人がやはり多いのではないかとのことでした。無記名でアンケートを取るなどして、感染経路不明を減らし、区民の感染対策に役立てられるよう、データの分析と結果の公表を求めます。区の見解を問います。  東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックに関し、区も応答、発信せよということで質問をさせていただきます。  東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックをIOCのバッハ会長と菅首相は、開催する方向でアクセルを踏み続けています。しかし、国民の多くは大きな不安を感じています。五月半ばに行った朝日新聞の世論調査では、中止、延期を求める声が八割超でありました。同じく五月の共同通信、読売新聞の調査でも中止が過半数、七日に閉会となった東京都議会でも立憲民主、都民ファースト、共産の合わせて議会の過半数を占める三つの会派が、オリパラの中止、延期などに言及しました。実際、街頭でもオリパラ開催に対し反対の声が大きいと感じています。区では区民の声をどう受け止めているか、見解を伺います。  NHKの調査では、東京オリンピック・パラリンピックで予定されている海外選手の事前合宿や交流の受入れを中止した自治体が百以上に上っているとのことです。そしてその八割は日本での感染状況を鑑みた相手の国や地域の側の意向によるものとのことです。  私どもの会派では、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックに対し、中止や延期を望む区民の声を多く受けているところですが、そのような中で、本区はアメリカ選手団の受入れに変更はないとしています。報道によると、百人以上になるとも言われる関係者の受入れに対し、区民の中では、外国人がウイルスを持ち込み、感染拡大するのではないかといった不安や誤解から差別的な言動も起こりかねないと危惧しています。  感染拡大を防止するために最も重要なのは、外国人が多数来るか来ないかということではなく、受入れ後の対策を日本人関係者も含めてどれだけ徹底できるかということではないでしょうか。このまま受入れを行っていくのであれば、最低でもどう具体的な感染予防対策を行っていくのかを区民にしっかりと明示すべきです。  平和の祭典がヘイトの祭典、外国人に対するコロナ差別にならないよう、区としての発信が必要ではないでしょうか、答弁を求めます。  次に、区民生活の向上に資する経済産業政策の在り方についてお尋ねします。  SDGsなど新たな視点を取り入れた条例改正について、区では現在、世田谷区産業振興基本条例の見直しの検討を行っています。現行の条例は平成十一年に制定されたものであり、二十年を経過し、社会経済環境や地域経済を取り巻く状況が大きく変化しています。その変化や今後の動向を見据えた条例の改正が求められています。  今般、区で報告された素案では、これまで我が会派が求めてきた建設業、福祉や教育など多様な産業の振興が方針に位置づけられた点を評価しています。また、条例が産業の振興を通して、豊かな区民生活の実現に資するものとなるよう、SDGsなど新たな視点が盛り込まれた点も今後に期待されるところです。  一方で条例改正に先立ち、地域経済、区民生活の実態把握と分析が不可欠です。コロナ禍以前から長期にわたるデフレの中で、我が国のGDPの伸びは停滞、労働者の所得は低下しています。人々が貧しくなった背景の一つには、雇用形態の変化が指摘されています。総務省の労働力調査でも、非正規雇用者数、非正規雇用者の割合は二〇二〇年まで増加傾向にあり、特に若年層においても非正規雇用者の割合が増加していることは看過できません。加えて、消費税増税、社会保障費の負担増も家計を圧迫しています。  日本経済の失速や税金、保険料の負担増などが区民生活に与える影響も踏まえ、データの収集分析、公開を求めます。  また、区民生活の向上にも寄与するソーシャルビジネスも新たな条例には位置づけられていますが、まずは、そもそも区内にどのようなソーシャルビジネスがどれだけあるのか、どういった方々がどこで活動し、どのような支援を必要としているかなど把握できているのでしょうか。実態を把握し、今後、効果的な支援や発展に結びつけていくことが求められます。区の見解を問います。  次に、せたがやPayの評価検証と普及啓発について質問します。  電子商品券せたがやPayを活用した飲食店支援については、議会では複数の会派から加盟店舗の少なさなどが指摘されてきました。まずはこの間のせたがやPayの評価検証を求めます。  事業主体である商店街が直接地域住民に対し、このアプリの使い方を支援し、普及啓発をしていけば、せたがやPayの活用が進み、飲食店の応援になるだけではなく、地域住民のICT活用スキルの向上にもつながると考えます。区からも商店街振興組合にそのような取組を働きかけられないでしょうか。  また、我が会派では、これまで紙で発行してきたプレミアム付商品券の効果を疑問視してきました。コロナ禍で特に落ち込んでいる業種を応援し、ICT化の推進にも役立つせたがやPayについては、今必要性のある施策と考えてはいますが、従来のプレミアム付商品券については、瞬発的効果はあっても、恒久的に発行し続けるのは、今回の条例で掲げる地域経済の持続可能な発展という観点からもなじまないと考えます。今後の方向性について、区の見解を問います。  次に、時代の変化に応じた都市整備政策への転換について、ニーズの多様化に対応できる住宅政策にということで質問をさせていただきます。  区では、区民の様々な居住問題に対応していくため、第四次住宅整備方針を策定中です。この間、区では、災害に備えた耐震化や不燃化、バリアフリー化、空き家活用の取組や環境配慮型住宅の整備促進など、様々な取組を進めてきたことを評価しています。  一方で、高齢者、障害者、ひとり親世帯といった従来の区の住宅確保要配慮者の考え方は縦割りで、実態を十分に反映していません。長期失業やコロナ禍などでの収入の大幅減少、また所得の低い若いカップルと子どもの世帯、未成人だけでなく、大学生などお金のかかる子どものいるひとり親世帯、子どもだけでなく、低年金や無年金で働けない状況にある親も養わなくてはならないシングルの方など、様々な状況で住宅確保に困っているとの相談を多く受けています。縦割りではなく、多様な困窮世帯が利用できる低廉な住宅供給が急務です。  また、住まいサポートセンターの支援対象も縦割りです。区としてどう改善し、支援していくのでしょうか。  世田谷区ひとり親世帯向け家賃低廉化補助事業は、要件緩和を国や都に求めてきたところですが、オーナーにとってのメリットを強化し、さらなる物件の確保ができるような取組も重ねて要望します。  次に、時代に合った緑政策への転換についてお尋ねします。  区制百周年、二〇三二年に区の面積の三分の一を緑にすると目標を掲げて取り組んできた世田谷みどり33は、前区長の熊本区政の時代から今の保坂区長に引き継がれ、推進されてきましたが、財源確保などの課題も大きい中で、その達成は非常に困難と言わざるを得ません。  一方で、社会経済に目を向けると、自治体や企業が環境配慮事業、グリーンプロジェクトに使途を限定して発行する債券、グリーンボンドや、環境・社会・ガバナンス要素も考慮したESG投資など新しい考え方が提唱、支持されてきています。  区の緑政策も、ただ緑地面積で数字を達成するということではなく、視野を広げて、区民の緑や環境への関心をより高め、参画を促す仕組みづくりが不可欠と考えます。  岩崎学生寮近辺の土地を購入する方向で民間事業者と協議していますが、事業費全体として百億円程度が見込まれています。交付金などを活用し、区の持ち出しはないと説明されていますが、取得後の維持管理にもコストはかかります。資金捻出を視野に、様々な区民参加や、税外収入の確保策を検討することで持続可能なまちづくりを進め、地域全体の魅力向上につながるような活用を求めます。区の見解を問います。  最後に、新しい教育体制と教育現場のICT化について質問します。  今春から区に新たに教育監が就任されました。区においては、国とも連携し、情報教育やICTを活用した指導、ICT環境整備などのGIGAスクール構想を進めていくことが求められています。区の教育行政における教育監の役割はどういったものになると認識していますでしょうか。  また、新たな教育総合センターは、今の教育センターの二の舞にならないようにしなくてはいけません。建物だけが新しくなるのでは不十分で、中身を刷新し、現場の教員から求められる機能を持った場所にしなくてはならないと考えます。  熊本市での会派視察では、教員自身が参加したいと思えるような研修をオンラインで手軽に受けられることで、現場の教員のスキルアップやモチベーションアップにつながることが実感されました。それを広めていくためにも、まずは校長先生の理解を得るための研修を強化していました。本区では、教員研修のオンライン化の具体策は進んでいるのでしょうか、答弁を求めます。  新教育総合センターができた後の現教育センターの活用のビジョンも具体的に明示するよう求めて、壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 中塚議員にお答えをいたします。  人口減少時代を迎えて、今後の行政運営の在り方について質問いただきました。  区の人口は、基本計画策定時の平成二十六年以降、増加の一途をたどってきたわけですが、本年四月、初めて前年度を下回る数値となりました。コロナ以前から引き続き、三、四十代の子育て世代の人口は減少し、五十代以上の年代の増加傾向が続いています。現在は、納税額の高い年齢層の方々も、将来的に生産年齢人口の減少がイコール税収減となり、今後、さらに進展する高齢化は、社会保障関連経費の増加と結びつくなど、厳しい財政運営が中長期的に迫られることとなります。  区民生活の安全と安心を守り抜くために、それぞれの施策を最優先に、区政を運営していくために、不断の行政経営改革の取組は不可欠なものとなっています。同時に、子どもが減少するという事態に対して、さらに乳幼児期からの育児・子育て支援、教育支援にも一層の時代に合った充実改善も必要だと考えております。  新型コロナウイルス感染症の収束がいまだはっきりは見通せない状況にありますが、この状況から見えた様々な課題への対応も待ったなしで求められています。本庁舎整備を始め、地域行政の新たなシステムづくり、自治体DXの推進など、いずれも、今後の区の在り方に大きく転換点となるという、そういった時期を迎えていることになります。  令和四年度、五年度の二年間の実施計画について、次の基本計画につながるよう、持続可能な行財政運営が可能となり、また時代の変容を捉えて、まさに世田谷区の持続的な継続と同時に、大きな転換期のその区行政の役割を明確に位置づけていく準備をしてまいりたいと思います。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 私からは、二点について御答弁申し上げます。  最初に、外郭団体の抜本的改革についてでございます。  区では、新実施計画(後期)の最終年度に当たりまして、外郭団体改革の取組を集中的に進めることとし、私も含め庁内PTの下、所管部とともに見直しに向けた検討を行っております。  御指摘の特定団体につきまして、サービス公社では、障害者雇用や区内業者育成など地方公社としての業務範囲、トラストまちづくりでは、公益法人化を見据えた専門性に特化した事業展開、産業振興公社では、収益性確保や区との役割分担など人材及び経営面など様々な課題が上がっております。  この三団体につきまして、課題の整理とともに、統合や再編などの点を含め、引き続き議論いたしまして、団体と協議を重ね、今年度中に方向性をまとめてお示しできるよう、鋭意検討を続けてまいります。  続きまして、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックにつきましての認識、発信でございます。  東京二〇二〇大会は、組織委員会や国、東京都が開催を前提として準備を進めている一方、新型コロナウイルス感染症拡大の不安から、開催延期や反対といった声があることは十分承知しております。  現在、アメリカ選手団の安全対策や体制づくりを最終的に詰めておりまして、区民の不安を払拭するためにも、組織委員会等に任せることなく、区として感染症対策を徹底していくことが必要と考え、この間、必要に応じまして、関係機関に様々な意見の申出、照会を重ねてまいりました。  今後、区自らも区民へ丁寧な説明、情報発信は必ず行ってまいりたいと考えております。並行いたしまして、アメリカ選手団のキャンプを含め、感染防止対策に全力を挙げて大会の準備を進めてまいります。  以上でございます。    〔岡田副区長登壇〕 ◎岡田 副区長 私からは、二点について御答弁申し上げます。  まず、まちづくりセンターを身近な相談窓口としてのアピールについてでございます。  今回の取組につきましては、急な実施であったにもかかわらず、町会・自治会、民生委員、児童委員、ケアマネジャー等、地区の多くの方の御協力をいただき、延べ一万三千人を超える大変多くの方に御利用いただけたことで、インターネットになじみのない高齢者の方の接種機会の確保に向けた支援につながり、また、まちづくりセンターを知っていただく機会にもなったと考えております。  今後、区民に一番身近な行政機関であるまちづくりセンターの役割を明確にし、地区の多様な相談やまちづくり支援、情報発信の拠点として充実し、より地区の方の信頼に応えられるよう、(仮称)地域行政推進条例及び推進計画の検討の中で、区民や地域活動団体の方々の御意見を聞きながら、庁内議論を重ね、検討を深めてまいります。  次に、まちづくりセンターへの多様な人材の配置についてでございます。  今後の地域行政では、多様な区民や地域の活動団体が地区内の情報を共有し、区民が主体となり、課題解決に結びつける仕組みづくりが重要であり、DXを推進する中で新たな住民参加の取組を進めることも重要であると認識しております。
     まちづくりセンターが地区まちづくりのコーディネート役として、新しい技術も取り入れながら、町会・自治会やNPO、民間事業者などの多様な関係者のネットワーク化や、マッチングを支援する機能強化を図ることを地域行政の見直しの方向性、視点と捉えております。  今後、まちづくりセンター職員の人材育成をはじめ、職員配置の在り方、まちづくりアドバイザーなど外部人材の活用を含め、まちづくりセンターの職員体制づくりについて具体的に検討をしてまいります。  以上でございます。    〔中村副区長登壇〕 ◎中村 副区長 私からは、在宅要介護高齢者のワクチン接種について御答弁いたします。  集団接種会場や病院、診療所に行くことが難しい在宅の要介護高齢者の方への新型コロナワクチンの接種につきましては、かかりつけ医などによる訪問接種が必要になっています。この訪問接種につきましては、六月中旬以降、準備の整った診療所から順次開始できるよう、現在調整を行っているところです。  ワクチン接種を希望される区民の方が取り残されることなく、安心して安全に接種できるよう、医師会をはじめとした関係機関と連携し、進めてまいります。  以上です。    〔渡部教育長登壇〕 ◎渡部 教育長 新教育センターができた後の現教育センターの活用のビジョンについて御答弁申し上げます。  新教育総合センターが新たな出発をすることとなったことから、議員お話しのとおり、中央図書館を軸とする既存施設を有効に活用することが重要となります。現在、この施設は、世田谷区の知の拠点として貴重な財産であり、今後、生涯学習の展開に向けた役割を果たしていくこととなります。  当面、中央図書館としての設備面の全ての機能が整うまでは、不登校特例校の分教室、本庁舎整備に伴う仮庁舎となりますが、中学生である思春期の子どもたちが必要とする情報を本を通して知り、レファレンス機能の充実の場とするなど、ノウハウを蓄積させることが中央図書館の使命であると考えます。さらに、ここで得た知見を地域図書館に反映することも重要です。  今後とも、議会の意見もいただきながら、限られた資源をより有効に活用すべく、教育委員会として、あらゆる創意工夫をしていきたいと考えています。  以上でございます。 ◎松村 技監 私からは、ニーズの多様化に対応できる住宅の支援についてお答えをいたします。  現在策定中の第四次住宅整備方針では、基本方針の一つに、多様な居住ニーズを支える暮らしづくりを掲げ、重点施策に居住支援の推進による安定的な住まいと暮らしの確保を位置づけ、住宅確保要配慮者や多様な世帯の状況に応じた居住支援を推進することとしております。  区では、この間、区立住宅やせたがやの家の供給とともに、お部屋探しサポートの地域展開や、入居時に保証会社を紹介する制度、ひとり親世帯への家賃低廉化補助事業の実施など、居住支援に取り組んでまいりました。  今後も、いつまでも住み慣れた地域で安心して住み続けられるよう、東京都住宅供給公社との連携、都営住宅の受入れ協議の継続などによりまして、公的住宅のセーフティーネット機能の強化に取り組むとともに、居住支援協議会を中心に多様なニーズに対するさらなる支援策の検討を進めてまいります。  以上です。 ◎粟井 教育監 私からは、GIGAスクール構想を進めていく上での教育監の役割についてお答え申し上げます。  私は、文部科学省で教育行政を進めるに当たりまして、自信を持って行動できる子どもたちを育ててまいりたいと考えておりました。自信とは、何が起きても何とかなりそうだなと思えることでございまして、幅広く数多い経験を積み重ねることが大切であると考えております。  私に期待されている役割といたしましては、コロナ禍によります学習環境の変化やICT技術の急激な発展など、子どもたちを取り巻く教育環境が大きく変化している中、国の掲げるGIGAスクール構想のさらなる充実など、国や都と連動した教育政策の企画立案や各関係部署との横断的な調整などを通して、教育長の指示の下、世田谷区の教育の質のさらなる向上を図っていくものだと認識しております。  以上でございます。 ◎粟井 教育政策部長 続きまして、教員研修のオンライン化の具体策についてのお尋ねにお答え申し上げます。  昨年度行われたオンラインによる教員研修の成果と課題を踏まえ、今年度も緊急事態宣言下におきましては、教員対象の教育委員会主催の全ての研修をオンラインで実施しております。  今後は、研修の質の向上を図るため、事前に講義内容や資料を動画で視聴させまして、研修当日は、電子会議アプリの機能を使い、意見交換や課題解決的な活動をグループで行うといった研修方法を取り入れるなど、より効率的かつ効果的な研修を行えるよう取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎舟波 地域行政部長 私からは、ワクチン接種の予約支援を契機とした孤立者を出さない取組について御答弁申し上げます。  今回のまちづくりセンターにおけるワクチン接種予約支援につきましては、町会長、自治会長や民生委員、児童委員、あんしんすこやかセンター、ケアマネジャーなどからの個別周知やそのほか口コミで伝えていただいたことが最も効果があったと考えております。しかし、福祉サービスの利用や地域活動への参加、近隣の方と日常的な関わりがない方は、必要な情報の入手が困難な場合もあると認識しております。  今後、孤立しがちな方々への対応につきましては、身近な地区で互いに顔の見える関係づくりを進めていくことが何より重要であり、まちづくりセンターを中心に地区の見守り、支えあいの強化、デジタル化の進展に伴うICT利用が困難な区民の方への支援など、地区の住民をつなぐ行政拠点の役割につきまして検討を深めてまいります。  以上でございます。 ◎加賀谷 デジタル改革担当部長 私からは、DXで業務効率化を図り、職員の区民対応の増や区民のデジタルデバイド解消についてでございます。  この間のワクチン接種予約の状況から見ましても、高齢者の情報格差、いわゆるデジタルデバイドの解消は、デジタル技術を活用した行政サービスを進めていく上で非常に重要な課題であることを改めて認識いたしました。DXの推進に当たりましては、行政サービス、あるいは行政組織も含めた変革により、区民の利便性向上と行政の効率化を図ることを目指しており、これにより生み出された人材と財源を福祉サービスなどの区民により身近な地域の諸課題への対応にシフトすることが可能になると考えてございます。デジタルデバイドの課題も踏まえ、行政サービスの再構築を目指して、できるところからの取組を積み重ねてまいります。  以上でございます。 ◎池田 総務部長 私からは、DX推進に係る職員間の格差について御答弁いたします。  区では、窓口業務をはじめ様々な業務に多くの会計年度任用職員を配置し、区民サービスの一翼を担っております。この間、新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するため、窓口へのアクリル板の設置、職員へのマスクの配付、職場の定期的な換気などに取り組んでまいりましたが、現在の環境下においては、窓口業務を含む各種業務を自宅でオンラインでの対応に切り替えることは困難であると考えております。  今後、デジタルトランスフォーメーションの取組により、区民サービスの提供の方法も多様化するなど変化し、それに合わせて会計年度任用職員を含む職員の働き方も変わってくるものと認識しております。職員の任用形態を問わず、従事する職務の内容や特性に応じて、デジタルデバイスの活用などが図られていくよう取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎内田 スポーツ推進部長 私からは、アメリカ選手団の受入れとコロナ差別につきまして御答弁申し上げます。  国や組織委員会が定めるガイドラインによれば、海外からの大会関係者の行動範囲は、宿泊場所、大会会場、練習会場など、事前に認められた場所のみに制限され、公共交通機関の使用も禁止とされております。アメリカ選手と大蔵キャンプの受入れ先には、警備上もチェックポイントを置き、選手はバスなど専用車両に乗車して出入りを行います。また、キャンプ会場は一部フェンスを設置し、アメリカオリンピック・パラリンピック委員会が占有するエリアを明確に分け、IDを付与された関係者以外の立入りを制限し、エリア内では消毒の徹底、飛沫対策、換気、三密回避の対策を講じてまいります。  海外の選手、スタッフが日本へ入国することに不安を持たれている方もいらっしゃると思いますが、大蔵運動場において関係者以外の立入りが制限されることにより、感染のリスクが低いことを区民にお伝えし、理解していただき、そのことが差別などの抑止につながっていくものと考えております。  以上です。 ◎田中 経済産業部長 私からは、五点、答弁いたします。  まず、実態の分析についてです。  バブル経済の崩壊以降、数々の経済的ダメージ、産業構造、雇用環境の変化など、コロナ禍以前より区民生活を取り巻く環境は変化していました。そのような中、新型コロナウイルス感染症の拡大により、働き方や消費生活など、社会の在り方にさらなる変容が生じております。  区では、コロナ禍における区民や事業者支援として、就労マッチングや緊急融資、業態転換支援等の取組を実施し、その利用状況や企業の景況感、就労や雇用、働き方に関するデータなどをまとめ、議会にもお示ししてまいりました。  今後も、継続して地域経済などのデータ収集及び分析を行い、経済産業白書などで定期的にまとめ、政策実施に活用してまいります。  次に、ソーシャルビジネスについてです。  産業振興基本条例の改正素案では、地域社会課題の解決を重要な柱の一つとし、地域社会課題をビジネスの手法で解決するソーシャルビジネスの推進が重要と考えております。ソーシャルビジネス的な活動をしている事業者は、一部は把握しておりますが、支援策などの課題も多くあると認識しております。  そのため、昨年度、特別区長会調査研究機構とともに特別区が行うソーシャルビジネスの活動支援策の共同研究を実施し、事業者へのヒアリングや実態把握、支援策の検討等を行いました。三月に立ち上げたSETAGAYA PORTでは、この研究も踏まえ、取組の一つとしてソーシャルビジネスを位置づけ、社会起業家と区民等が地域や社会の課題の解決に向けて協働する取組を進めます。  今後、この手法を中心に様々な世代や多様な事業者が地域社会課題の解決に参画できるよう、環境整備や機会の創出に取り組んでまいります。  次に、せたがやPayについてです。  五月末現在で、チャージ額約二億二千万円、決済額約一億六千万円となっています。チャージ額の七〇%が消費され、おおむね当初想定どおりの消費喚起策となっております。  一方、加盟店数は緊急事態宣言の影響など初動の遅れもあり、目標に届かず、第一回目の反省点と捉えております。加盟店数の増加については二千店舗上積みすることを目指し、加盟店を増やした場合に報酬を支払う営業の外部委託に加え、区商店街振興組合連合会、産業振興公社が連携し、電子決済に抵抗感がある店舗への直接の訪問など、継続的に幅広く加盟店の開拓に注力してまいります。  次に、ICT活用スキルの向上についてです。  商店街でせたがやPayの普及のため、電子決済に不慣れな方々にせたがやPayのアプリの使い方の支援をすることで、スマートフォン活用のきっかけとなり、地域のICT活用スキルの向上にもつながると考えております。  今後は、商店街が実施するイベント期間中にせたがやPayの説明ブースを設けるなど、より多くの区民が使用できる環境となるよう、商店街に働きかけてまいります。  次に、プレミアム商品券についてです。  産業振興基本条例の改正素案で掲げる地域経済の持続可能な発展という観点から、せたがやPayが目指す地域通貨的な取組への支援が必要であると考えています。今回、紙の商品券とせたがやPayを併せて発行の支援を行ってまいりました。特にせたがやPayについては、単なる決済手段だけでなく、収集したデータを活用し加盟店がクーポン券を発行できたり、利用者同士でボランティアのお礼にポイントを使うなど、区内消費や経済循環を促すためのプラットフォームとして発展させていきたいと考えております。  今後は、紙の商品券からせたがやPayへ支援の軸足を置き換え、区内循環が進み、区民と事業者にとって使いやすいツールとなるよう検討してまいります。  私からは以上です。 ◎須藤 障害福祉部長 私からは、二点、重度訪問介護など感染リスクの高いサービス事業者へのワクチン接種、それから、在勤の区外在住者への対応、こちらの二点について御答弁申し上げます。  訪問系サービスを提供する事業者への優先接種につきましては、介護保険サービスを行う事業者のほか、居宅介護、重度訪問介護等のサービスを行う事業者も対象となっております。本件については、「区のおしらせ」やホームページ等で周知するほか、五月には重度訪問介護等を行う事業者約百九十か所に対して、優先接種に係る案内や希望調査を行い、六月十五日以降、希望者に対して接種券を発送することとしてございます。  ワクチン接種に際し、国や都、区など様々な動きがあり、事業者にとって情報が複雑化していることは認識をしております。多くの情報をなるべく分かりやすく整理し、メールやファクス等、情報媒体を活用するなど、事業者への情報提供を工夫してまいります。  また、在勤の区外在住者につきましては、現在、対象とはなっておりませんけれども、従事者の方が安心して訪問系サービスを提供できるよう、関係所管と検討してまいります。  以上です。 ◎辻 世田谷保健所長 私からは、コロナの感染経路の判明率向上についてお答えをいたします。  新型コロナウイルス感染症の感染源の特定には、法に基づく疫学調査として保健師等が行動調査を行っており、できる限りの調査をしております。調査時は、感染リスクの高い行動を具体的に示しながら聴取しており、引き続きチェックリストの徹底や手法のスキルアップなど、より精度を高めてまいります。  現状として、感染源が特定できるのは全体の約四割程度であり、中には、患者が感染の機会と捉えても疫学調査の結果、感染源不明とすることもあります。なお、患者に加え、施設や診断した医師により、感染源の情報提供をいただくことで、より感染源の探索が進むと考え、今後、さらに協力を求めてまいります。  御提案の無記名のアンケートにつきましては、有効性を含め研究してまいります。  以上です。 ◎畝目 都市整備政策部長 私からは、住まいサポートセンターについてです。  住宅に困窮する高齢者、障害者等の住宅確保要配慮者におかれましては、民間賃貸住宅の入居を拒まれるケースが多いことから、区と協定を結んだ不動産団体の協力により、民間賃貸住宅の空き室情報を提供するお部屋探しサポート事業を実施してございまして、世田谷区居住支援協議会においては、セミナーの開催やリーフレットによるオーナーへの理解促進に努めてございます。  区といたしましては、住み慣れた地域で安心して住み続けられるよう、お部屋探しにお困りの全ての方が身近な不動産店で相談できるよう、居住支援協議会の協力不動産団体と連携し、昨年度より、区ホームページにて協力店の公開を開始し、掲載協力店も増えている状況で、引き続き実効性のある取組を推進してまいります。  以上でございます。 ◎釘宮 みどり33推進担当部長 私からは、時代に合った緑政策への転換につきまして御答弁申し上げます。  これまで公園整備を含めた緑事業においては、補助金やみどりのトラスト基金などの活用を図るとともに、玉川野毛町公園や上用賀公園など大規模用地の取得に当たっては、特別区債を発行し、区民の事業参画や資金調達を図ってまいりました。今後とも、自然保護や地域の緑づくりなどの資金調達を目的としたグリーンボンドやESG投資など、区民の参画を広げる新たな手法について他自治体の事例などを研究してまいります。  また、維持管理のコストの負担を軽減するための税外収入の確保につきましては、これまで売店や自動販売機の設置、移動販売車や二子玉川公園での民設民営のカフェなど、民間事業者からの使用料収入を増やしてまいりました。さらに、玉川野毛町公園の整備に当たっては、パークPFIなどの導入を検討しております。  議員お話しの岩崎学生寮周辺敷地につきましても、地域特性やニーズを踏まえるとともに、新たな活用を探るためのサウンディング調査などを実施し、官民連携による魅力向上につながる公園づくりを目指してまいります。  以上でございます。 ◆三十二番(中塚さちよ 議員) 御答弁、ありがとうございました。  特にお聞きしたいのは、訪問とか在宅の介護サービスで、在住じゃない在勤の方へのワクチンなんですけれども、世田谷区は、杉並、渋谷、中野、大田、目黒、狛江市と、本当にいろいろな自治体と接していまして、そうした区境のところの事業者さんとかには、特に他の地域から本当にたくさん働いている人が来ています。あと、重度訪問とかは、長時間である程度の金額になる仕事なので、本当に遠くからもアルバイトに皆さん来ていらっしゃるんです。障害者の方、高齢者の方の命とか生活を預かっている方々が、住んでいるところが違うという理由でワクチンの接種が遅れていては、全く片落ちと言わざるを得ないのではないかと思うんですけれども、これは検討と言いますけれども、いつになったらその結論を出していただけるのか、答弁をお願いいたします。 ◎須藤 障害福祉部長 区内在住でない方で勤務の方のワクチンの接種ということですけれども、今、実際にワクチンの接種について区内の高齢者の方から順次行ってまいります。これから在住の方を含め優先接種となる方の準備を進めておりますので、次の方の接種券の発送等を含めまして、ワクチン接種の担当のほうときちんと詰めて検討してまいります。  以上です。 ◆三十二番(中塚さちよ 議員) よろしくお願いします。人口減少で少子化になっていきますこれからの時代を考えていくと、逆に言えば、これから高齢者の方々がどれだけ地域でその人らしく、また、役割を果たしていただいて活躍していけるかが、この地域がよくなっていくことの本当に一つのポイントだと思うんです。本当に地域の高齢者の方々が緑の保全であったり、ソーシャルビジネスであったり、そういったことに携わっている方はたくさんいらっしゃると思います。ぜひそうした方々が最後までこの世田谷区でよかったと思えるように、介護になったときにも安心して暮らしていける、ワクチンもちゃんと接種できる、そうした町になっていっていただきたいなというふうに本当に希望しております。どうぞよろしくお願いいたします。 ○下山芳男 議長 以上で中塚さちよ議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、無所属・世田谷行革一一〇番・維新を代表して、四十六番桃野芳文議員。    〔四十六番桃野芳文議員登壇〕(拍手) ◆四十六番(桃野芳文 議員) 無所属・世田谷行革一一〇番・維新の代表質問を始めます。  初めに、新型コロナウイルスワクチンの住民接種についてです。  振り返ると、今年四月、東京都内の自治体で一番にワクチンが配分されたのは、八王子市と世田谷区でした。この頃は、さながらワクチン争奪戦の状況であり、少量といえども当区にワクチンが配分されたことは、喜ぶべきことだと私は感じていました。  一方、区長は四月七日、例の保坂展人さん個人ツイッターで以下発信しています。「四月十二日からの高齢者対象のワクチン接種は、集団接種に見合う量ではない。世田谷区ではリスクの高い高齢者施設の多床室などを持つ施設での接種に限定した。にもかかわらず、『高齢者接種が始まった』と報道されると、あたかも本格的接種が始まったかと受け止める高齢者の方々が問い合わせを始める。」引用、以上です。他自治体に先駆けてワクチンが配分されたにもかかわらず、区長は何やら不満げで、さあ、やるぞという気持ちがみじんも感じられません。  さて、現状はどうでしょうか。八王子市のサイトを見ると、六月十三日現在の接種回数は合計十六万百三十回。世田谷区の接種回数は、六月十四日十時時点で合計十万三千三百四十七回、八王子市のワクチン接種回数を百とすると、世田谷区は六十五にしかすぎません。今、高齢者から順に接種していますが、一回目の接種を終えた六十五歳以上の市民、区民の割合を見ると、八王子市は約七一%、世田谷区は約四五%です。  区長は、ツイッターで頻繁にワクチン敗戦という言葉を使い、政府を批判しています。あまり感心しない言い回しですが、あえて区長に自省を促す意味で言うなら、保坂区政こそが、今、ワクチン敗戦の瀬戸際ではないでしょうか。今からでも遅くありません。ツイッターで政府批判に血道を上げるのではなく、区長として地に足をつけ、安全、迅速なワクチン接種を進めていきましょう。  まずは、安全な接種です。  アナフィラキシーへの対応について聞きます。  アナフィラキシーとは、アレルゲン等の侵入により、複数の臓器に全身性にアレルギー症状が引き起こされ、生命に危機を与え得る過敏反応です。アナフィラキシーに血圧低下を伴う意識障害、あるいは脱力が認められた状態をアナフィラキシーショックと言います。  報道によると、厚生労働省は六月九日の専門部会で、ファイザー社製の新型コロナウイルスワクチンのアナフィラキシーの報告件数が五月三十日時点で百万回当たり十三件だったと報告しました。区の集団接種のワクチンもファイザーであり、仮に区が接種券を送付する八十二万九千人の八割の方が二回接種した場合、あくまで確率論ですが、十七件のアナフィラキシーが報告される計算になります。言うまでもなく、アナフィラキシー対応には万全の準備が必要です。区の接種会場でワクチン接種後の方にアナフィラキシー症状が出た場合は、医師の判断によりますが、アドレナリン注射などの応急処置をしつつ、救急車の到着を待つケースが想定されるでしょう。  厚労省は、令和三年六月四日の新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引き(三・一版)にて、実際に重篤な副反応が発生した場合、発症者の速やかな治療や搬送に資するよう、あらかじめ搬送先の候補となる接種会場近傍の二次医療機関等を選定しておくこととしています。しかし、区に確認をすると、消防署には接種会場を事前に知らせてあるものの、対応は通常の一一九番通報と同じで、搬送先まで決めていないとのことでした。
     区の接種会場からどの医療機関へ搬送するのか、接種会場の医師は救急車に同乗するのか否かなどを事前に決めておくべきだと考えます。見解を伺います。  次に、接種会場の運営についてです。  会場で働くのは派遣会社を通じて集められた医師や看護師で、日替わりでその顔ぶれが変わります。こうした仕組みでは、日を重ねても仕事の練度が上がっていきづらいということもあるでしょう。せめて、ある程度の日数まとまって現場にいる責任医師が必要ではないでしょうか。  私が接種会場を視察し、接種終了後に現場の医師らの方々とお話しした際、様々な御意見をいただきました。いわく、派遣元の社員が来ておらず、名前も身分証明の確認もないのはセキュリティー面で問題ではないか。一緒に働く方々の名前も分からないので、いざというときのチームワークに懸念がある。医療器具や医薬品の管理がずさん。区職員が医療器具や医薬品の名前を知らないので、話が通じなかったり、どこにあるかと聞いても答えられなかったりする。人工呼吸用の挿管グッズが置いてあったが、集団接種会場でそのような対応は無理であり、そこまで医師に求められているのかと驚いた。接種会場にある備品は、厚労省の手引きの最新版に合わせてあるのか。日本語を母語としない人も接種会場に来るだろうから、簡単な日本語、英語、イラストなどの表記でスムーズに接種が進むようにするべき。接種後の経過観察は十五分もしくは三十分間並べられた椅子に座っているだけだ。ワクチン接種後の注意点など、十五分で一周するビデオを流してはどうか。日報のような申し送りのための仕組みをつくるべきなどなど、いただいた御意見を挙げれば枚挙にいとまがありません。  区は、委託事業者に任せたのだから、あとは知らないということでしょうか。今は現場で志ある方々が一つ一つ問題を解決して進めてくださっているようですが、そうした方に頼るばかりでは、仕組みとして脆弱だと言わざるを得ませんし、他の接種会場との事例の共有も困難です。区はまず、先ほど挙げた課題の解決に急ぎ取り組むべきだと考えます。  また、全十九の集団接種会場の総点検、課題や改善策の共有などを行うコーディネート機能、アドバイザー機能を整備すべきだと考えますが、区の見解を伺います。  次に、接種体制の強化についてです。  以下、五月二十一日の例の保坂さんツイッターを引用します。「『ワクチン敗戦』という言葉がある。ワクチン接種開始が著しく遅れ、米英で接種が進み日常が戻りつつある時期に、三度目の緊急事態宣言下にあり、感染拡大が止まらない。海外の成功例に学び、平時の法制度・慣行を打ち捨てるべきだ。戦略的に災害時モードで対応して、変わるべき時だ。」引用、以上です。  かつて区長は、ニューヨークはPCR検査で感染を封じた成功例だから学ぶべきだとし、世田谷区では、誰でも、いつでも、何度でもPCR検査だと、テレビや雑誌でぶち上げました。その後、実際にはそんなことが実現しそうな気配すらなかったのは皆様御存じのとおりです。さて、区長はワクチン接種についても海外の成功例に学べと言い出したわけですが、それより国内他自治体の取組から学び、実行すればいかがでしょうか。繰り返しますが、ワクチン接種回数において、世田谷区は八王子市の六五%にしかすぎません。  私は、世田谷区の接種会場で医師からもっと打てる、時間には物すごく余裕があると話を伺いました。調べてみると、世田谷区では全会場共通で一人にワクチンを打つ時間を四分と計算していました。会場ごとに動線の長さ、接種会場のスペースなどが違うのですから、一律に一人四分で計算して予約数を決めるのは、あまりにも大ざっぱではないでしょうか。これから接種の対象年齢が下がっていくことから、一人当たりの接種時間を短くすることはできるでしょう。足腰等に問題のない方であれば、注射前の問診は立ったまま、ごくごく短時間で行うこともできます。  現在、問診、注射を行う際の動線は、つい立てでクランク状につくられていますが、これは必要でしょうか。声は外に丸聞こえですから、プライバシーを守る機能はほとんどありません。動線が長く、かつ、歩きづらいだけです。希望する方は本当にプライバシーが守られるスペースに案内し、その他大勢の方には最短距離の動線を進んでもらうべきです。  改善策について、見解を伺います。  接種を受ける人は座ったままで、ワクチンを打つほうの医師や看護師が会場内を移動する手法を取っている自治体があります。静岡県三島市、佐賀県唐津市、高速大名行列接種とも言われる福岡県宇美町などの手法が報道されていますが、世田谷区の一人四分に対し、宇美町の高速大名行列接種は一時間に最大百二十人、つまり一人三十秒です。  世田谷区はこうした他自治体の取組に学ぶべきだと考えます。見解を伺います。  そして、接種回数をさらに増やすためには、接種会場を増やすべきです。八王子市では、毎週日曜日、市内各地の三十校ほどの小中学校で集団接種を行っています。世田谷区には九十の区立小中学校、ほかにも大学、都のスポーツ施設などがあります。まだまだ会場は増やせるはずです。区長はこれまで、ワクチンの打ち手を増やすため、規制緩和をすべきだとツイッターで政府批判をされていましたが、実際には、神戸市などのように歯科医師を打ち手にするなどの行動を区長は一切しません。要は、区長はツイッターで言うだけ、行動はしないのです。  今後、接種会場を増やすつもりがあるのか、あるのなら、いつどれくらいまで増やせそうか、見解を伺います。  予約機能も増強すべきです。これから接種対象の年齢が下がってくれば、電話予約は減り、多くがネット予約になるでしょう。区長はこれまたツイッターで、六十歳以下に一斉に接種券を送付すると、申込みが殺到してしまうと政府批判をしていますが、それを言うなら、区長として、まずはできる限りネット予約の機能を増強すべきではないでしょうか。見解を伺います。  先行接種の対象者についても再検討すべきです。五月十四日の企画総務委員会にて、会場で余ったワクチンは接種券を持たない医療従事者に打つことや、余った場合に打つ人を事前にリスト化しておくことなどを提案しました。その後、すぐこの提案が実現されたことは高く評価します。しかし、余剰ワクチンのみならず、さらに一歩前進させるべきではないでしょうか。明日以降、六十歳から六十四歳の方へ接種券が発送されます。今後、五十代、四十代、三十代それ以下と時期をずらして接種券を送る手はずとなっているようですが、そういう段階に入ったのであれば、年代を問わず、いわゆるエッセンシャルワーカーを先行接種の対象にすべきではないでしょうか。特に求めたいのが、感染症に罹患すると重症化しやすい医療的ケア児と接する方々への優先接種です。  そのほかにも、ワクチン接種会場で働く区職員や教員、保育士など、エッセンシャルワーカーを先行接種の対象にすべきだと考えます。見解を伺います。  区長の言う社会的検査について聞きます。  これは、区内の高齢者施設等を対象にローラーをかけるようにPCR検査をして、施設内での集団感染を防ぐという区長こだわりの施策です。我々は、区長のこの施策に対して検査の頻度と間隔の問題を指摘し、一貫して反対してきました。最近、区長は記者会見等で慶應義塾大学の西原広史教授の監修の下で分析した結果から、社会的検査の重要性が確認できたと熱心に喧伝していますが、区長のこうした言動は、まさに牽強付会、自身に都合よく話をねじ曲げてしまおうとする態度です。  西原教授の意見は、無症状者を対象にした検査で陽性になった方の中には、Ct値が低い方、つまりウイルス量が多い方がいた、症状の有無で陽性、陰性、感染力の強弱を判断することは難しい、よって定期的なPCR検査がクラスター予防に有用であるというものです。  そして、同時に西原教授は以下述べています。検査頻度は、潜伏期間を考慮すればおおむね週一回程度の受診で効率的にクラスター発生を予防できると考えられるが、必要な場合は、週に複数回の検査を行うことも考慮すべき、つまり、我々と同じく、区長の言う社会的検査の頻度や間隔では意味がないと言っているのです。西原教授監修の資料は、五月二十六日の福祉保健常任委員会で報告されましたが、後段の部分に区は全く触れずじまいでした。  まず確認ですが、西原教授は我が会派が再三再四申し上げてきたように、潜伏期間を考慮せず検査をしても意味はないと言っているのですよね。お答えください。  区長はこれまで、定期検査の間隔を二か月に一回から月一回へ短縮したなどと述べていますが、それは受けてくださいという区長の願望を言っているのであって、実際には、受検したとしても一回こっきり、ごくまれに二回以上受検した施設があるという状況に相変わらず変化はないですよね。そして、過去、社会的検査で陽性者が出た施設で二回目の検査を受けたところはいまだないですよね。  施設数、検査間隔を数字で示してお答えください。  区長のこだわりで、今このような検査に力を注いでいる場合ではありません。ワクチン接種など、ほかに注力するべきことがあるはずです。区長、もう意味のない検査はやめましょう。見解を伺います。  オリンピック・パラリンピックについて聞きます。  オリンピック・パラリンピック開幕まで約一か月となりました。この間、各地の首長が、公道での聖火リレーを中止したり、海外選手団の事前合宿受入れを断念したりといった動きもありましたが、世田谷区は予定どおり、聖火リレーもアメリカ選手団の事前キャンプも行われるようです。  そこで確認ですが、区長は、オリンピック・パラリンピックの開催を後押しするために力を尽くすというお考えでよろしいか、質問します。  また、いまだ東京は非常事態宣言下であり、区民は、この先、いつまで、どのような生活上の制約が課され続けるのか分からない中で、区長が聖火リレー、事前キャンプは安全に開催できる、対策は万全であると言うのであれば、その根拠も含めて区長が区民にしっかり説明すべきだと考えます。根拠も含めてお答えください。  昨年十月の区立保育園での虐待事件について聞きます。  今年三月、外部有識者による検証報告書が公表されました。報告書では、保育園の最初の対応として、令和二年九月九日に職員から園長に当該保育士の不適切な行為についての相談があり、九月二十四日に園長が当該保育士に対して、不適切な行為についての指導を実施したとあります。しかし、今般、我々が調査したところ、この保育園では当該保育士の虐待を含む様々な問題行為について、もっと以前から、何人もが園長、副園長に相談、報告を寄せていた。しかし、一向に対応されなかったという話が出てきました。事実であれば、検証報告から漏れている問題です。  区として、こうした事実を把握しているのか、そして、事実であれば、なぜ園長、副園長は適切に対応しなかったのか、見解を伺います。  また、報告書では、保育士としての能力、適性を考慮した人事についての記載がありますが、当該保育士は、今後、子どもと接する仕事に配置されることはないと考えてよいか、また、当該保育士へはいまだ懲戒処分が行われていないようですが、懲戒処分に係る今後の見通しをお答えください。  以上、壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 桃野議員にお答えをいたします。  社会的検査についてです。  区でこれまで実施してきた社会的検査の陽性者の分析結果から、無症状でもウイルス量が多く感染を及ぼすリスクのある方がいらっしゃることが改めて確認されています。この間、国も東京都も高齢者施設への定期的な検査の必要性、これは広く認識をされ、共有されているところであります。  課題は、議員からもたびたび御提言いただいているように、検査の頻度であります。区では、定期検査を一か月に一度程度、スクリーニング検査も東京都の事業も活用し一週間に一回程度とするなど、実施サイクルを短縮し、高齢者の重症化防止や施設のクラスター化の抑止に努めております。  今年度に入って検査の実施状況ですが、いわゆる第四波の影響から、随時検査の検査数とその割合が増えています。また、区のスクリーニング検査の実施件数、施設数は増加傾向にあり、さらに、今年度は東京都のスクリーニング検査も九十施設を超える施設が活用するなど、定期的な検査の実施が進んでいる状況です。  ワクチン接種は、感染収束に向けた要であり、接種の拡大によって重症化や発症者が減少することが期待をされます。国や東京都とも連携を図り、接種のスピードを拡大、加速する必要はあると考えています。区として、七月中に高齢者施設の入所者、また、六十五歳以上の高齢者の接種完了を目指しておりますが、集団免疫が獲得されるまでは、高齢者施設における感染対策はワクチン接種後も引き続き重要との認識の下、接種後の施設の感染状況や変異株の今後の動き、クラスターの発生状況などを周辺も見定めながら、今後の体制の判断をしていきたいと思います。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 私からは、オリンピック・パラリンピックにつきまして一括して御答弁申し上げます。  東京二〇二〇大会は、組織委員会や国、東京都が開催を前提として準備を進めている一方、区自らもアメリカ選手団の受入れを含め、感染防止対策に全力を挙げて大会の準備を進めております。  キャンプ会場でございます大蔵運動場は、一部フェンスを設置し、アメリカオリンピック・パラリンピック委員会が占有するエリアと区民利用のエリアを明確に分けまして、関係者以外の立入りを制限いたします。区民の安全につながる感染症対策をどのようにしていくかを区民の皆様へしっかりとお伝えしてまいります。  聖火リレーにつきましては、東京都聖火リレー実行委員会が主体に運営を行いますが、区といたしましては、現時点におきまして、感染防止対策の基本に従いまして、インターネット観覧や沿道において声を発しない応援を推奨することなどによりまして、三密の回避や飛沫感染・接触感染防止につなげてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎久末 住民接種担当部長 私からは、新型コロナワクチン接種に関して、七点、御答弁いたします。  初めに、アナフィラキシーが起きたときの体制について御答弁いたします。  ワクチン接種時にアナフィラキシー等の副反応が出た場合は、医師が救急搬送を行うかどうかを判断しつつ、会場にある救急処置用品を使用し応急措置を行います。接種会場の医療用物品につきましては、厚生労働省から示されている実施の手引きを基に、医師会や委託医療機関等に意見をいただきながら準備しております。緊急搬送を行う場合、医師は同乗しませんが、あらかじめ区内の消防署には、救急搬送を依頼した際に対象者を速やかに医療機関へ搬送していただけるよう、事前に接種会場の住所等を共有し、搬送体制の確保を依頼しております。駆けつけた救急隊は、救急システムデータベースを基に症状に応じた最も近い医療機関へ患者を搬送いたします。区民の方が安心して接種いただけるよう、引き続き体制整備に取り組んでまいります。  二点目は、接種回数の増加の可能性と他自治体のよい例を取り入れることについて御答弁いたします。  集団接種会場運営を効率的に行い、一会場当たりの接種回数を増やすことは、ワクチン接種を速やかに行う上で重要な課題の一つだと認識しております。区では、五月三日、二施設から集団接種会場を開始し、国のワクチン供給状況を踏まえつつ順次会場数の増加を行い、六月八日には、計画の十九施設において開設いたしました。その後、時間当たりの接種回数の増加や、さらに、七月からは開設時間の延長を行ってまいります。この間、他自治体のよい事例につきましては、国からも通知が来ております。事例を参考にするとともに、各会場では実際に運営を経験し、運営を担う総合支所や施設所管部を中心として、一部レイアウトやオペレーションの改善を行い、より効率的な運用に努めているところでございます。  現在は高齢者の接種を行っており、歩く速度も人によって様々なことから、多少余裕を持った運営を行っております。今後は年代が若くなってまいりますが、受付や接種済証等交付ブースでの滞留などが課題だと考えており、会場の物理的な制約をどうクリアしていくか、現場のレイアウトの工夫も行いながら、接種回数の増加ができるよう、さらなる改善を図ってまいります。  次に、会場における課題解決についてアドバイザー機能を置くべきとの御質問です。  各集団接種会場では、日々、多くの医師、看護師に従事をいただき、住民へのワクチン接種を進めております。従事いただいている医師、看護師の方からは、副反応が起こった際により円滑に対応できるような医療物品の配置等、様々な御提案をいただいており、好事例に関しては会場に取り入れ、他会場への展開を行っております。会場をさらに安定して運営できるよう、委託医療機関の責任者とともに改善点の洗い出し等を行っているところですが、議員御指摘の責任医師の固定化やアドバイザーの設置等のさらなる改善策を検討してまいります。  次に、医療的ケア児と接する職員をはじめとしたエッセンシャルワーカーの優先接種についてです。  新型コロナのワクチン接種は、重症化リスクの大きさや医療提供体制の確保等を踏まえ、まずは医療従事者等、次に六十五歳以上の高齢者、その次に基礎疾患を有する方、高齢者施設等の従事者への接種を行い、その後、それ以外の方に対し、ワクチンの供給量や地域の実情を踏まえ、自治体の裁量により順次接種をすることができます。  お話しのありました医療的ケア児に接する療育施設の職員のほか、社会生活をする上で必要不可欠な仕事に従事するエッセンシャルワーカーに対して先行して接種を行うことへの御要望もいただき、重要なことと認識しております。  今後、高齢者をはじめとした優先接種が進み、六十歳未満の世代への接種が開始されるに当たり、区として先行接種についての考え方を取りまとめていく予定です。引き続き、接種を希望する区民が安心して安全かつ迅速に接種できるよう努めてまいります。  次に、接種会場を増やす予定があるかという御質問です。  国は、接種の加速化に向けて、五月下旬に開設した大規模接種センターに加え、六月下旬からは企業や大学での職域接種を開始することとしており、報道によると、既に千八百件を超える申込みが来ているとのことです。また、東京都も築地のほかに五か所の大規模接種センターの開設を決定したほか、区でも六月中に病院や診療所での個別接種を開始する予定であり、接種体制の拡大や多様化は今後一層進んでいくものと見込まれます。  当面、区の接種計画は集団接種を基軸に見通しを立てておりますが、今後の集団接種会場の数も含めた運営につきましては、こうした接種体制の拡大による予約状況への影響なども判断の材料とし、早期の接種完了と効率的な運営のバランスを見極めながら検討していきます。  最後に、インターネット機能の増強についてです。  六十歳未満の方はインターネット利用の多い世代であることに加え、これまでよりも短期間で接種券を送付することで、予約システムへの一時的な集中が見込まれることから、機能の増強が欠かせないと考えております。これまで以上のアクセスに耐えられるよう、システムの処理能力の増強を含めた抜本的な強化を行うとともに、アクセス数が少なくつながりやすい時間帯を御案内して集中を避けるなど、速やかに予約が取れる体制を整えてまいります。  以上でございます。 ◎有馬 保健福祉政策部次長 私からは、社会的検査について、潜伏期間を考慮せず検査を行っているのではないか、また、定期検査の受検頻度の状況について一括して答弁いたします。  議員お話しの潜伏期間と検査については、五月二十六日の福祉保健常任委員会で御報告したウイルス量に関する報告書に記載の西原教授のコメントですが、検査頻度は、潜伏期を考慮すればおおむね週一回程度の受診で効率的にクラスター発生を予防できると考えられるが、必要な場合には、週に複数回の検査を行うことも考慮すべきと述べております。  現在、定期検査は一か月に一回程度、スクリーニング検査は東京都の事業も活用し一週間に一回程度受検可能なことから、御意見も踏まえ、一定程度潜伏期間を考慮した検査体制が構築されているものと認識しております。定期検査の受検頻度について、令和二年度末時点の状況ですが、定期検査を一回受検した施設は三百三十七施設、二回受検した施設は六十一、三回受検した施設は二施設、四回受検した施設は三施設となっております。検査間隔は大半は一回ですが、複数回を受けたところは施設により一か月から数か月に一回程度となっております。  また、陽性者が発生した翌月以降、三か月間における月一回の定期検査の受検施設ですが、対象三十施設に対し実績はございません。  私からは以上です。 ◎和田 保育部長 私からは、区立保育園で行われた不適切な保育、虐待行為について、二点、御答弁いたします。  まず、現場では、以前から当該保育士について園長らに相談、報告されていたという件についてです。  令和二年十月に匿名の通報を受け、直ちに保育課が園の職員に聞き取り調査を行った中で、御指摘のように、職員から園長、副園長に相談が寄せられていたということを把握いたしました。その後、区は事態を重く見て、子ども・子育て支援法に基づく特別指導検査を実施し、改めて周囲の職員へのヒアリング、会計年度任用職員を含めた全職員アンケートを行い、そこで得られた情報から事実を特定し、九つの行為について改善を要する事項としてまとめました。  この特別指導検査の中で明らかになった九つの改善すべき行為に該当する内容について、職員から園長に相談があった日を起点として、経緯を外部有識者による検討会にお示しし、御議論いただいたものです。報告書の中では、園長、副園長の指導力の強化や問題が発生した場合の対応方法の検討などの提言をいただきました。これらを踏まえ、組織におけるマネジメント研修により、園長の指導力強化に取り組み、また、各保育園職員が直接保育課等へ相談できるフローチャートを作成して、休憩室等へ掲示して、職員の声に迅速に対応できるようにするなど取組を進めております。  今回のような事例を二度と起こすことのないよう、取組を継続し、区立保育園の組織風土として根づかせてまいります。  次に、当該保育士の現場復帰についてでございます。  外部有識者による区立保育園における保育のあり方検討会では、当然保育士について、子どもの権利、人権に対する意識が薄かったことや保育士としての必要な能力、適性について、園長の評価や適切な指導が不十分であったなどの検証結果が示されました。さらに、検討会からは、園長職による適切な職員評価と問題解決への支援や保育士としての能力、適性を考慮した人事などの提言をいただいたところです。  当該保育士は、現在、保育の現場におりませんが、今後の人事配置については検討会の検証結果や提言、さらには処分の有無を踏まえ、保健福祉領域の本庁部門や保健福祉センターなどを含めた福祉職の職域の中で、本人の能力、適性も考慮し、判断をしてまいります。  以上です。 ◎池田 総務部長 私からは、職員の懲戒について御答弁いたします。  本件につきましては、所管部より区立保育園における保育のあり方検討会による検証報告書が提出され、また、報告書を踏まえた事故発生報告書がこの四月に提出されております。現在、総務部として服務監察規程に基づく事故監察を実施する準備を進めており、その結果報告に基づき、おおむね八月を目途に職員分限懲戒審査委員会を開催することを想定しております。職員分限懲戒審査委員会においては、明らかとなった事実に基づき厳正な審議を行い、その答申を踏まえて、懲戒処分の要否や内容等につきまして区として判断してまいります。  以上でございます。 ◆四十六番(桃野芳文 議員) まず、社会的検査ですけれども、今の説明というのはいろんな検査を混ぜこぜにして、何か正当化するような答弁です。潜伏期を考慮して、都のスクリーニング検査というのは仕組みとしてつくられているんでしょう。世田谷区の定期検査と呼んでいるものは、潜伏期間を考慮しないで仕組みとしてつくられているわけじゃないですか。全体として、潜伏期を考慮してやる検査として、別にスクリーニング検査があるんだから、それは使えばいいです。ちゃんと西原教授が言っているとおり、考慮してやっているんだから、別にこの定期検査を外したって、一週間に一回は変わらないじゃないですか。あとは、受ける意思もほとんどないじゃないですか。だから、一回こっきりで何が定期検査なんですか。全然施設からも求められてもいないじゃないですか。お金がかかるばかりで効果はないし、ワクチン接種という今どうしても注力しなきゃいけないこともあるんだから、早くやめたほうがいいということです。だから、それについて、今、部長から説明があったけれども、定期検査をやめたって潜伏期間を考慮した検査というのは実現できているでしょう。要らないでしょう。それを答えてください。  あと、先行接種、優先接種ですけれども、今の答弁を聞いていると、区として先行接種についての考え方を取りまとめていく予定ですというのは、非常に悠長に聞こえるわけです。明日から六十代前半の方に接種券が行きます。五十代が六月三十日から、その後は一週間置きにどんどん接種券が行くわけです。優先接種、先行接種と言っているんだから、今やらないと意味ないじゃないですか。先行接種、優先接種なんだから、今から考え方を取りまとめていくといったら、実現するまでにどれだけかかるんですか。いつまでにやるんですか。教えてください。  それで、いろいろ理事者と質問をつくる前に事前にやり取りをしていまして、私の感覚としては、この優先接種というのはどうなんだろうかと、そんなに積極的じゃないのかなという印象は持っておりましたけれども、昨日の六月十三日午後六時二分の保坂展人さん個人ツイッターを見ると、自治体独自の優先枠をエッセンシャルワーカーに広げていくことを検討していると、明確に、今検討しているとおっしゃっているんです。だから、区長も本当にこれをやるんだったら、やると言ってください。ツイッターでこんなことを言っているんじゃなくて、ここでこそ言わないと。エッセンシャルワーカーに広げていくことを具体的に検討していると、ここでちゃんと答えてください、ツイッターでこんなことを言っているんじゃなくて。  部長には、具体的にいつからやるのか聞きます。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 再質問に御答弁いたします。  エッセンシャルワーカー、社会的検査も対象としてきた方々、介護施設に関してはワクチンに関して優先接種していますけれども、例えば、保育だとか、幼稚園だとか、学校の先生、接種が先行して行われるべき方々に対する、いわば先行接種というかこれについては、現在検討を加えております。 ◎有馬 保健福祉政策部次長 私からは、再質問についてお答えいたします。  まず、社会的検査の定期検査ですが、こちらは高齢者の入所施設、通所施設、障害者の通所施設、入所施設に対して月一回行っております。東京都が行っているスクリーニング検査は、現在、入所のみを対象にしておりまして、通所が行われていないという状況です。そういった意味では、まだ週一回、月一回というような制度設計が全体に行き渡っていないようなところがございます。現在、ワクチン接種を高齢者入所施設等で行っておりますが、社会的検査の予算自体は九月までとなっておりまして、今後、十月以降の体制については、ワクチン接種の状況、また、東京都や国のスクリーニング検査の状況等を踏まえまして、今御指摘のありました定期検査の在り方も含めまして、議会にお示ししたいと思います。  以上でございます。 ◎久末 住民接種担当部長 私からは、エッセンシャルワーカーの優先接種についての時期についてお答えいたします。  現在、東京都で大規模接種会場を設置しておりまして、こういったところでは警察、消防のほか、消防団、獣医、鍼灸、柔道整復師など、エッセンシャルワーカーと言われている方々が優先的に接種を行われております。区といたしましても、このような国や東京都の大規模接種会場、それから、企業、大学の職域接種というのもございますので、このような接種機会の拡充、多様化を見据えまして、区としてのエッセンシャルワーカーの優先接種につきましては、まずは実施方法を整理いたしまして、急ぎスタート、検討をしてまいりたいと考えております。  以上です。 ◆四十六番(桃野芳文 議員) まず、社会的検査ですけれども、何回も言いますけれども、西原教授は、潜伏期間を考慮してやらないと意味がないと言っているんです。だから、今やっている定期検査というのは一か月に一回なんだから、潜伏期間を考慮してやっていないんだからやめちゃって、スクリーニング検査を補強するんだったらいいです。対象を広げるとか何とか、ちゃんと潜伏期間を考慮した検査に組み替えればいいじゃないですか。それをやらないと意味がないというんです。それを答えてください。  あと、久末さん、いつから始められるのか、ちゃんと答えてください。全部行ってからでは、先行接種の意味がないんですから。 ◎有馬 保健福祉政策部次長 再々質問にお答えいたします。
     西原教授がおっしゃっている潜伏期間を考慮してということで、一週間に一回、もしくは複数回ということで御意見をいただいております。議員からも、この間、潜伏期間等について、また頻度について御指摘をいただいているところでございます。先ほど申し上げましたとおり、区の定期検査と東京都のスクリーニング検査、また、区が行っている通所施設へのスクリーニング検査等を合わせますと、そういった意味では、制度的には週に一回以上受けられる状況になっております。ただ、実際に受けられている施設と受けられていない施設もあるのは、実態としてはございます。区としては、引き続き、施設等に制度を説明し、潜伏期間を考慮した上で、週一回受けられるということを改めて周知するとともに、また、先ほども申し上げましたが、今後は、ワクチンの接種状況等を踏まえまして、議会にお示しをさせていただきたいと思います。  以上でございます。 ◎中村 副区長 優先接種の検討についてお答えいたします。優先接種の考え方につきましては、先ほど部長が御答弁させていただいたとおりですけれども、加えまして、会場の特定、打ち手の確保など、整い次第スタートしたいと考えております。早期に実施したいと考えております。  以上です。 ○下山芳男 議長 以上で桃野芳文議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後四時四十分休憩    ──────────────────     午後四時五十分開議 ○下山芳男 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  代表質問を続けます。  自由民主党を代表して、三十九番畠山晋一議員。    〔三十九番畠山晋一議員登壇〕(拍手) ◆三十九番(畠山晋一 議員) 質問通告に従い、自由民主党世田谷区議団の代表質問を行います。  まず、新型コロナウイルス感染症への対応について順次聞いてまいります。  世田谷区では、先月三日より、旧二子玉川仮設の庁舎と大蔵第二運動場体育館、それぞれで事業を開始して以降、接種会場を順次拡充をし、現在十九か所の会場において高齢者を対象としたワクチン接種事業を進めているところであり、当初区には、予約のための電話やインターネットがつながりづらいといった意見が多く寄せられておりました。  我が会派は、先月の七日と三十一日に区長へ緊急要望を提出をいたしました。ワクチン接種事業に関しましては、インターネット予約システムの安定稼働に向けた対策をはじめ、コールセンターへの通話料の無料化や集団接種会場の感染防止対策の徹底を求めております。早速、本日の他会派の答弁にあったように、コールセンターへの通話料無料化に向けた取組が具象化してきております。また、ワクチン接種事業をスピードアップさせるためには、医師や看護師などの人員配置を十分に施すことが何よりも重要であり、区長からも国へ積極的に働きかけるべきです。区施設でのワクチン接種事業の開始から一か月が経過した現在、徐々にノウハウが蓄積されていると思います。  今後、現役世代のワクチン接種を本格的に開始するに当たり、各種のオペレーションのカスタマイズを重ねて、予約から接種後の経過観察までの一連の流れを円滑に進められるよう、さらには集団接種会場での接種が難しい、例えば障害者などへの配慮など、より一層の工夫を凝らしていただきたいと考えますが、区の見解を伺います。  また、かかりつけ医での個別接種の早期実現、学事等により接種期間が限定される学生への配慮、後期高齢者で予約を完了していない方への予約促進など、ワクチン接種に関する課題は山積をしております。区職員の英知を結集をして、これらの課題の早期解決を図るよう要望いたします。  そして、ワクチン接種に関しては、区長が、ある機関から六月末で打ち終わらないと使えなくなるという相談を受けている、こういった不安をあおるようなツイートを行い、またもや区政に混乱を招きました。区長たるもの自らが発するメッセージの重要性をわきまえ、区の業務に支障を来すような言動は厳に慎むよう、改めて申し上げます。  続いて、区内中小企業者の支援についてです。  昨年以降、区では新型コロナウイルス感染症への緊急経済対策として、営業に影響を受けた区内の中小事業者や商店街のための緊急融資をはじめ、業態転換や新ビジネス創出支援の補助、アーティストの支援など様々施策を展開しており、我が会派としても一定の評価をしているところであります。しかし、東京都では三度目の緊急事態宣言が発出されるなど、感染症の収束までの道筋はいまだ明確に示せていない状況であり、区内経済も依然として厳しい状況が続く見込みです。この間、国、東京都、そして世田谷区の各種の支援により、何とか業務を継続してきた区内事業者の体力も限界に近づいてきております。  そのような中、今年度規模を拡大して実施した業態転換及び新ビジネス創出支援補助の申請が、早くも予算額の上限に達する見込みであると聞いております。また、専門家の派遣と補助金により、伴走型で事業者を支援するハンズオン支援事業も、三十事業者の支援枠に対し百五十件以上の応募があったと伺いました。コロナ禍で激変した事業の環境に何としても適応しようと努力している中小事業者への支援が、ここで断ち切られることがあってはありません。  区は、早急に支援事業の拡充、延長に取り組むべきであると考えますが、見解を伺います。  続いて、小売業に対する支援についてお聞きします。  新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、経済的に大きな打撃を受けた業種としては、飲食業や宿泊業などが挙げられます。一方で、新型コロナがプラスに影響した業種としては、いわゆる巣籠もり消費の増加などにより小売業が挙げられ、特にスーパーマーケットの売上げが堅調に伸びているという報道をよく耳にいたします。  しかし、本年四月の委員会で報告があった新型コロナウイルス感染症に係る区内経済状況についてによりますと、区における感染症対策の緊急融資の業種別の申込件数のトップは卸売業、そして小売業が一千五百五十六件と全体の一八%を占めていることが分かります。業種全体で見れば、業績が伸びている小売業でありますが、酒屋さん、花屋さん、クリーニング屋さんをはじめとする区内の中小規模の小売業は、各種イベントの中止に伴って売上げが激減するとともに、巣籠もり消費の恩恵が届いていないということが推察をされます。  我が会派は、このような個店への支援策として、区内事業者が区内小売店から商品等を調達することに対して何らかのインセンティブを与えるなどして、区内の経済を循環をさせて、個人の小売業者まで十分な経済波及効果が及ぶ政策を展開する必要があると認識しております。そこで、区の見解をお聞かせください。  また、区内経済の循環と同時に消費の拡大を図ることで、さらなる経済の活性化が見込まれております。区では、本年二月より実施している個店支援プロジェクトに加え、東京都生活応援事業を活用したプレミアム付き区内共通商品券の発行支援を新たな消費喚起策として実施する予定であり、我々としては大いに期待するところであります。  我が会派は、プレミアム付き区内共通商品券に加え、せたがやPayも区内消費拡大の鍵を握っているツールであると認識をしております。株式会社電通の調査によりますと、五割近くの方が昨年三月の緊急事態宣言以降、支払いや買物に占めるキャッシュレスの決済の比率が増えたと回答しております。私の周囲を見渡しても、クレジットカードや電子マネー等による非接触決済を利用する方が明らかに増えています。せたがやPayについては、加盟店も利用者も徐々に増えていますが、ほかのスマホ決済サービスのように割り前勘定、いわゆる割り勘機能や個人間の送金機能を付加するなど、ユーザー目線での改良も必要なのではないでしょうか。  せたがやPayの利便性を向上させて、もっと多くの区民に利用していただき、区内消費の拡大につなげるべきと考えますが、区の見解を伺います。  続いて、起業、そして創業支援についてお聞きします。  区においては、昨年六月以降、新型コロナウイルス感染症の影響による新しい生活様式に対応した業務転換や経営の多角化等により新たなサービスを実施する経費への助成事業をスタートさせて、区内中小事業者の事業の継続を支援しており、半年間で百八十七件の補助申請があったとのことです。さらに今年度は、補助上限額を十万円から三十万円に引き上げるなどの拡充を行い、新規事業の構築や新商品の開発の促進を図る予定です。また、先ほどの質問でも触れたハンズオン支援事業の実施など、区が区内事業者に寄り添う姿勢を見せていることについては、評価をいたします。  そこで、提案でございますが、アフターコロナを見据えて新たな時代に対応する事業を世田谷で始めようと考えている方々に対しまして、例えば、保育スペース設置に関わる経費を一部助成するなど、区独自で実効性のある起業支援、創業支援を積極的に展開し、区内産業及び区内経済のさらなる活性化につなげるべきではないでしょうか。区の見解をお聞きします。  次は、非来庁型行政の実現に向けたマイナンバー制度の推進についてです。  コロナ禍において非効率な行政手続が顕在化していましたが、区民サービスの向上のため、本人の意思確認などがどうしても必要なものを除いて、極力オンラインで手続を済ませられるようにすべきと考えております。区が本年三月に策定したDX推進方針においても、こうした方向性は示されているものの、一方で、その重要なツールとなるべき民間のコミュニケーションサービスについて、例えば、LINEを取り巻く個人情報保護の問題など、様々な弱点も指摘されております。急速に進化する分野であればこそ、安定感に欠ける面はあるとはいえ、こうした点に必要以上に拘泥することで利便性を犠牲にしてしまうと、区民にとっては損失を被ることにもつながり、そして、リスク管理を優先しながらバランスの取れた判断が求められます。これらのことを総合的に考慮すると、全国共通の基礎情報集約システムであるマイナンバー制度を有効に活用することが、区民にとっては利益につながるものと考えます。  区はどのようにして手続や相談を非来庁型に転換していこうとしているのか、見通しを伺います。  何事もスタートダッシュが重要です。本年四月に新設されたデジタル改革担当部が庁内の議論を力強く牽引して、早期に非来庁型の行政を実現してください。  次は、高齢者・障害者施策について順次聞いてまいります。  区では、令和三年度からの施策の方向性を示す世田谷区高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画及びせたがやノーマライゼーションプランに基づき、各施策に取り組んでいます。地域で高齢者や障害者の生活を支える重要な役割を果たすあんしんすこやかセンターについては、支援の対象となる方の増加や相談内容の多様化、そして複雑化に伴ってスタッフの業務量が増大する一方で、一人一人に寄り添ったきめ細かい支援が求められております。DXの推進によって業務の効率化を図るのであるならば、おのずと一人一人への支援拡充が望めます。  あんしんすこやかセンターの機能については、業務改革が必要な時期に来ていると考えますが、区の見解を伺います。  続いて、認知症の予防と区民への理解促進です。  区は、本年三月に世田谷区認知症とともに生きる希望計画を策定しました。計画には、重点テーマに挑む四つの推進プロジェクトを掲げていますが、中でも我が会派は、地域づくりプロジェクトの推進が最も重要であると認識しております。認知症とともに生きることが当たり前になる地域づくりを推進するには、地域包括ケアの地区展開の活用はもちろん、警察、消防、地域の様々なネットワークとの連携を欠かすことはできず、区に対しては、各団体とのコーディネートをしっかりと進めていただきたい。  そこで質問をいたしますが、区は今後、区内二十八地区に新たなアクションチームを立ち上げて、この地域づくりプロジェクトを強力に推進するとのことですが、具体的な取組内容とスケジュールについてお聞きをします。  次は、障害に対する理解促進と差別解消に向けた取組についてです。  二〇一一年に東京都が考案をし、その後、全国展開されている内部障害など外見から認知されにくい障害や病気などの不自由さを知らせ、配慮につなげるヘルプマークですが、これほど多くの方が困難な生活をされているのかと認識を新たにするほど、町中や公共交通機関などで目にする機会が増えております。助け合いの輪がさらに広がるよう、区としてもより一層の普及を図ることが必要です。そして、普及啓発と併せて、ヘルプマークの意義を全ての人が共有をし、地域や学校、職場などあらゆる生活空間でのさりげない配慮が身につくように、特に教育の現場を中心とした理解促進に努めるべきであります。  区はどのように取り組んでいくのか、予定を示してください。  また、特色ある条例として報道等で取り上げられた認知症とともに生きる希望条例のように、障害者施策に取り組む区の姿勢を明確に示した条例を新たに制定し、区民や区内事業者等に、この障害理解の促進と差別解消に向けた取組を広く知っていただく手法も有効なのではないでしょうか。区の見解を伺います。  次は、健康増進政策についてです。  国立がん研究センターが四月二十七日にがん患者の十年の生存率を公表しました。全体で五九・四%の方ががんの診断から十年後に御存命でいらっしゃるとのことですが、当然ながら、診断時点での病状の進行状況によって結果は大きく異なっております。早期発見、早期治療がいかに重要であるかを改めて認識しました。新型コロナウイルス感染症の影響で、昨年以降、各種がんの検診の受診率が低下をし、早期発見、早期治療による重症化予防が危ぶまれております。  世田谷区におけるこのがんの検診受診の現状とコロナ後の受診率向上に向けて、区はどのような対策を講じるつもりでしょうか、伺います。  また、今回のパンデミックを経験する中で、ウイルスに打ち勝つためには基礎体力や免疫力の大切さが再認識されております。そのような中、区では、第八期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画における三つの目標の筆頭に健康寿命の延伸を掲げて、栄養、運動、社会参加を軸とした包括的なフレイル予防や社会参加の普及啓発に取り組んでおり、一定の評価をするものであります。  そこで伺いますが、年齢や心身の状況に合わせて、特に高齢者が適切な運動や健康づくりを続けられるような環境整備、仕組みづくりを今後どのように進めていくのか、お聞きします。  次は、子ども・教育政策について順次質問をしてまいります。  国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた国民を育成するためには、まず、就学時にしっかりと土台を築かなくてはなりません。以前より申し上げているとおり、我が会派は、人間力を強化する上でいわゆる読み、書き、そろばんと言われる基礎学力と、将来、我が国の社会を担うために必要となる基礎体力の向上こそが、公教育として最も力を入れるべき事柄であると考えております。また、新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、オンライン授業の必要性が急激に高まるなど、区立小中学校を取り巻く保護者や子どもたちのニーズも大きく変容している状況であり、世田谷の公教育における課題は多岐にわたっております。  本年四月より本区の教育監となられた粟井教育監は文部科学省の御出身ということですので、全国各地の特色ある教育政策等に精通されていらっしゃると思います。世田谷に配属されて二か月余りが経過した今、世田谷区における公教育の最重要課題は何であると認識されているのか、また、その課題解決のためには何が必要であるのか、教育監のお考えをお聞かせください。  さて、昨年度、区では国の後押しもあり、巨額の補正予算を計上して教育面におけるICT化の環境整備を進めたところであります。しかし、人間の成長の過程では、同じ空間で他人とじかに接し、生の意思疎通を行うことでしか得られない体験、経験もたくさんあるはずです。  豊かな人間性を育む対面教育を大切にした上で、子どもたちを指導する教員が的確にデジタル機器を駆使し、児童生徒たちの知的好奇心を刺激するとともに、学習意欲をさらにより一層かき立てる教育が求められていると思いますが、区の見解を伺います。  また、コロナ禍では特に経済面における影響が大きく、ひとり親世帯の困窮が一層深まるケースが見られております。このような世帯の子どもたちが健全な生活を維持できるようにする仕組みが必要です。痩せ我慢とか、武士は食わねど高ようじといった古き日本の美徳は、社会全体がある程度豊かになった現代ではノスタルジーにすぎません。自分でできることは自分で努力することを前提にしつつ、本当に困ったら助けを求めることをちゅうちょしない、他人に頼ってもよい、助けを求めることは甘えではないという意識の醸成が必要であり、スティグマ、誤った認識の解消に向けて、今後の区の施策に反映していただきたいと考えております。  続いて、スポーツや文化活動を通じた子どもの育成についてです。  新型コロナウイルスの感染拡大防止が最重要課題となっている今、子どもたちのスポーツや文化活動も大きく制限されてしまっております。しかし、スポーツ等を通じて知り合った地域の仲間たちと同じ目標に向かって切磋琢磨するということは、人生の基礎を育む上で非常に大切なことであり、感染対策を万全に施しつつ、その機会を確保していくべきです。地域に根差した活動の環境を整え、後押しするのは私たちの使命であると考えます。  地域によっては、学校の音楽クラブの練習場や器材置場が整っておらず、満足な活動ができないといった声も聞いております。また、学校の垣根を越えて地域でチームをつくって練習する野球やサッカーなどのチームが多くありますが、校庭の空き時間を使ってさらなる活動ができるよう、学校と地域団体の相互協力の仕組みが必要ではないでしょうか。  学校施設である以上、これはもちろん学事が優先されるのは当然でありますが、子どもたちが属する地域団体が校庭の空き時間や空き教室をもっと有効に活用できるよう、全校での実態調査を行った上で、柔軟かつシステマティックな仕組みづくりを求めます。区の見解を伺います。  学校施設に関連して、もう一点お聞きします。  以前と比べ、コロナ対策として窓を開けて換気する時間が圧倒的に増えているために、学校の教室や近隣のお宅に校庭の砂じんが舞い込むことが問題になってきており、天然の土であろうと、人工素材のダスト舗装であろうと、風に吹かれてほこりが舞うことは大差がなく、校舎内の汚れのみならず健康への影響も懸念されるところであります。  砂じん対策として、校庭の天然芝生化や人工芝生化、ゴムチップ舗装などに積極的に取り組むことを検討すべきと考えますが、区の見解をお示しください。  次は、地域行政制度についてです。  区では、今年の第三回定例会で地域行政推進条例を提案する予定でありましたが、区民への浸透度の不足等により、条例制定のスケジュールを先送りにすることにしました。この間我が会派は、地域行政の推進に必要不可欠な要素として、本庁至上主義からの脱却、すなわち総合支所長やまちづくりセンター所長への権限移譲を提案してまいりました。また、議会では、他会派からも多面的な意見や要望などが多数挙げられる中、地域行政に関する特別委員会をさきの臨時会で衣替えをしており、集中的に議論する土台が整ったところであります。地域の実情に応じたまちづくりを積極的に進める、こういった大きな理念そのものは、多くの区民の理解が得られると考えております。しかし、その理念を実現するための道筋が明確でないため、区民の関心が高まらないのではないでしょうか。  現在の膠着状態を打破するとともに、この条例の新設の是非を議会に問うのであれば、区はアフターコロナを見据えてどのように仕事を進めていくのか、三層構造の役割分担をどうしたらいいのかなど、本質的な見解をもっと打ち出すべきであります。区長はどのように考えているのか伺います。  次は、危機管理政策についてです。  保坂区長就任後の平成二十六年に策定された世田谷区の基本計画における重点政策の一つには、安全で災害に強いまちづくりが掲げられております。その解説文には、災害に強いまちづくりを目指して、建築物の耐震化や不燃化を進め、また、避難路や緊急輸送道路の整備、延焼遮断帯の形成等を進めますとあり、我が会派のかねてからの主張と一致するものであります。中でも、木造住宅の密集地域における不燃化については、世田谷・北沢地域内の五地区で、東京都の不燃化推進特定整備地区制度、いわゆる不燃化特区制度を活用して、老朽している建物の建て替えの促進に区が鋭意取り組んでいることは認識をしております。  しかしながら、一方で遅々として進んでいないのが避難路や緊急輸送路の整備です。私は、以前の予算特別委員会において道路整備事業、特に都市計画道路整備に対する歴代区長のスタンスと比較をして、現区長の消極的な姿勢を皆様に示させていただきました。それもひとえに、町の骨格をなす都市計画道路を含む主要な生活道路が脆弱であれば、ソフト面で地域、地区の防災力を高めたとしても一定の効果しか上げられないと考えるからであります。  震災に強い都市基盤を目指すのであるのならば、区内における都市計画道路網の整備にもっと注力する必要があるのではないでしょうか。見解を伺います。  続いて、多摩川流域の治水の対策についてです。  一昨年十月に襲来した台風十九号は、世田谷区のみならず多摩川流域に大きな被害をもたらしました。翌年の一月には、社会経済の被害の最小化を目標に、国をはじめ流域の一都一県、二区六市が連携して多摩川緊急治水対策プロジェクトを取りまとめております。これは河川における対策、流域における対策、そしてソフト施策で構成されており、区内の二子玉川地区の堤防工事や河川の土砂の掘削、そして堰の改築、そしてダムの洪水調整機能の強化などの河川における根本的な対策が盛り込まれております。多摩川の流域にお住まいの方の生命と財産を守るためには、こうした洪水処理能力のさらなる向上につながる対策を、スピード感を持って整備することが肝要であります。引き続き、国や東京都に積極的に働きかけることを強く求めます。  そして、我が世田谷区は、流域における対策として浸水被害を軽減する取組を重点的に進める必要があり、中でも、区独自で実施可能な雨水の流出の抑制施設の整備は、非常に有効な手段であると考えております。  多摩川流域の治水対策に必要な多摩川緊急治水対策プロジェクトの取組状況と、区が取り組む雨水の流出抑制施設の整備推進に対する区の見解をお聞きします。  続いて、特殊詐欺の被害防止対策についてです。  昨年来、感染症の拡大防止対策として外出自粛が求められ、在宅時間が増えていることから、自宅にかかってくる犯人からのいわゆるアポ電、これに出る機会が多くなり、その結果、還付金詐欺やキャッシュカードをだまし取られる預貯金の詐欺などの被害に遭うケースが増えていると聞いております。そのような中でありながら、区の報告によりますと、令和二年の一年間における世田谷区内の特殊詐欺認知件数は前年比で七十二件減少をし、百七十二件になったとのことであります。特殊詐欺の認知件数の減少に至った要因を推察すると、自動通話録音機の貸与や特殊詐欺相談ホットラインなどの相談窓口の充実による効果のほか、特殊詐欺に対する区民一人一人の意識向上が挙げられるのではないでしょうか。  しかし、特殊詐欺認知件数が減少したとはいえ、計算上は二日に一回の割合で詐欺被害に遭われる区民がいらっしゃることに変わりはありません。卑劣で悪質な特殊詐欺から被害者をなくすために、区では警視庁の協力の下、ワクチンの接種後の待機時間を利用してこの自動通話録音機を周知するなど、高齢者に特殊詐欺防止を呼びかけていると聞いております。  区に対しては、警察などの関連機関とさらに連携、協力を強化し、きめ細かい区民への注意喚起を継続的に行うよう求めるものでありますが、今後の対策強化案について伺います。  さて、私たちは生活している上で様々な犯罪や災害に巻き込まれるおそれがあります。特に若者に対しては、ダイエットに効果がある、疲れが取れる、一回だけなら大丈夫などと言葉巧みに違法薬物の使用を勧められたり、大学内のサークルを装うカルト宗教からの勧誘、さらにはイベント活動等で信頼関係を築いてからマルチ商法の話を持ちかけるなどといった事例があるようで、知らず知らずのうちに自分が犯罪被害者になり、最悪の場合は、自らも勧誘行為を行って加害者になってしまう可能性もあります。  また、災害に関しましては、近年多発している局地的豪雨をはじめ、首都直下地震への備えとして、自主避難や縁故避難などの避難方法の確認、家族構成に応じた備蓄物の準備、そして耐震補強工事や家具転倒防止など、多岐にわたって対策を講じておく必要があります。るる申し上げたように、これらの犯罪や災害から自分自身の身を守るためには、事前に正しい知識を習得しておかなければなりません。東日本大震災の発災以降は防災教育の必要性の機運が高まり、区としても多角的に防災教育を進めてこられたと認識しておりますが、一方の防犯教育については、もう少し踏み込んだ教育を行う必要があるのではないでしょうか。自らが的確な判断を行い、危険から回避する能力を伸ばすという意味では、防災も防犯も通じるものがあると思います。  就学時における防災教育、防犯教育に関する教育委員会の見解をお聞きします。  続いて、通学路における交通安全対策についてです。  京都府亀岡市の通学路で集団登校していた児童たちの列に自動車が突っ込むなど、登下校中の児童等が死傷する重大な事故が連続して発生していることを受け、今から九年前の平成二十四年には、文科省をはじめ国土交通省、警察庁の三省庁からの依頼で、全国各地の学校、道路管理者、警察等による通学路の緊急合同点検が実施をされました。区内においても、交通安全の観点から、平成二十四年度内におおよそ三百か所の点検を行い、区による注意喚起等の看板の設置や交差点のカラー舗装、また警察による交通規制の取締り強化などの対策が直ちに行われたものと記憶しております。  しかし、残念なことに、平成二十六年には池之上小学校の通学路においても痛ましい事故が発生をしてしまい、区は警視庁が選定した抜け道の危険箇所を中心に、再び合同点検を実施しました。さらに、平成三十年には新潟で下校中の児童が殺害される事件の発生を受け、防犯の観点から緊急合同点検を行い、その後、区は路上の死角となる箇所を中心に防犯カメラを設置したことは記憶に新しいところです。  登下校時の交通事故や犯罪から子どもたちを守るための施策にゴールはありません。学校、道路管理者、警察署、それらによる合同点検を定例化して必要な対策を講じるとともに、校舎の改築時にセットバックを行って周囲の道路に歩道を設けたり、歩道の新設が無理であるのならば、路側帯にポールを設置する、さらには色あせたカラー舗装の再整備など、交通安全対策に関して地道ながらも着実に取り組むよう強く求めるものでありますが、区の見解を伺います。  次は、公共施設整備についてです。  区の人口は、新型コロナの影響等により全体としては減少傾向にあるものの、六十五歳以上の高齢者数は、昨年と今年の四月一日現在の比較で一千人以上増加をしております。人生百年時代と言われる長寿社会において、高齢者が地域で生き生きと暮らし続けられることは、地域の活力向上にもつながります。また、新型コロナの影響は区民の働き方にも大きな変化をもたらし、働き盛りの現役世代が在宅勤務により日中も地域にいる機会が増えたことは、このような世代が身近な地域に関心を持ち、地域とつながる最高のチャンスであります。  そして、地域の活動の拠点となるのが区民センターや地区会館などの区民利用施設です。区民利用施設は地域の重要な資産でありますが、中には利用率の低い施設もあると伺っております。  区は、その原因や周囲の集会施設との位置関係による使用実態をしっかり分析して、大事な資産が有効に使われるよう工夫するとともに、複合化や長寿命化により維持更新経費を削減して、区民センター、地区会館などの地域の活動拠点を持続可能なものにしていく必要があると考えます。区の見解を伺います。  また、世田谷区最大の公共施設である本庁舎の改築工事がいよいよ来月から始まります。コスト圧縮による下請事業者へのしわ寄せや粗雑工事が生じることが決してないよう、工事の進捗管理の徹底を求めておきます。  さて、先ほどの質問でも触れましたが、私たちがスポーツや文化活動などに携わって文化的な生活を営むことは、人と人が触れ合う喜びであったり、成果への感動であったり、生きがいであったりと、人が人らしく生きる上で大変に重要なことです。コロナ禍においては、感染拡大防止のため仕方のないことではありますが、施設の利用制限や外出自粛など、行動を抑制する場面が増えたことで、改めて、スポーツや各種文化の重要性を区民の皆さんは実感したことと思います。  九十二万区民を擁する世田谷区は面積も広いため、上用賀や第一生命グラウンドなど、国有地や都有地、民間施設などの数少ない貴重な大規模の敷地を有効活用して、スポーツや文化活動にも対応できる多目的な体育館など、区民に身近な各地域に整備していくことも必要ではないでしょうか。区の見解を伺います。  次は、農地の保全についてです。  区では今年度より、障害者の就労支援をはじめ労働力不足により運営が困難な農地の保全を図るための農福連携事業を新たにスタートするということで、我が会派も大いに期待しているところであります。しかしながら、平成二十一年には百十六ヘクタールあった区内における農地面積が、十年後の令和元年には八十三ヘクタールと大幅に減少している現状を踏まえると、もっと効果的かつ根本的な対策を講じる必要があるのではないでしょうか。  区の都市整備方針によりますと、農地の保全に当たっては、農地保全重点地区を中心に都市計画公園、緑地に指定をし、農業公園などとして整備を進めることとしております。また、みどりの基本計画では、農地保全重点地区内においては、活用可能な農地及び屋敷林をあらかじめ農業公園として都市計画決定をし、所有者が農地を手放さざるを得なくなったときに、区が農地を取得して農業公園として整備するとしております。民間事業者に生産緑地をはじめとする農地が譲渡されてしまいますと、区のみどり率が一気に低下することにつながります。  世田谷区が本気でみどり33を推進するのであるのならば、みどりの基本計画で示している農地の取得に向けて、以前より我が会派が提案している生産緑地の取得を目的とした基金の創設を含め、財政出動による農地保全政策に取り組むべきであります。区の見解をお聞かせください。  最後に、行財政運営について伺います。
     現行の世田谷区新実施計画(後期)の計画期間は、今年度までとなっております。区では、基本計画の実現に向けた具体的な取組を示す次の実施計画は、今年度中に策定することをさきの委員会で示しました。現行の新実施計画(後期)は四年の計画期間のうち、後半二年がコロナ禍での区政運営となったため、我が会派は、次の実施計画において、コロナの影響から区民生活と区政運営を着実に立て直すとともに、区内事業者の活動を力強く支える施策を反映した計画にする必要があると考えております。一方で、人口減少などにより今後大きく落ち込むことである、この区の歳入動向を見据えた事務事業の見直しも進めなければなりません。新型コロナウイルス感染症の大流行以降、区民ニーズや社会経済状況が変化するスピードは増すばかりでありますが、我々と同様、残りの任期が二年を切った保坂区長は、今後の行財政運営をどのように進めていくのか、区長の考えを伺います。  さて、いよいよ来月二十三日には東京二〇二〇大会が開幕いたします。区長は、本日の招集挨拶でUSOPCをはじめ、東京都、組織委員会等の関係機関と連携をし、新型コロナウイルス感染防止対策を徹底した上で進めていくと発言されておりました。しかし、御当人のツイッターなどを今まで拝見をしている中では、開催自体に後ろ向きとも取れるリツイート、様々なコメントを残しており、果たして本当にやる気があるのか、ないのか全く分かりません。冒頭のワクチン接種の質問でも申し上げましたが、九十二万区民をあずかる自治体の長として、地に足のついた言動に努めていただくようを強く要望し、壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 畠山議員にお答えをいたします。  まず、ワクチン接種のより一層の工夫をという御指摘です。  ゴールデンウイークの後半から開始した集団接種は現在十九会場に拡大をいたしまして、国の大規模接種センターでの実績も合わせまして、現時点の接種回数が約十万回を超えて、一回の接種を終えた方は高齢者の四割以上ということになっております。  ワクチン接種を期待する多くの高齢者の皆様から、予約、問合せが集中いたしまして、インターネット、コールセンターともにつながりにくい、大変御迷惑をおかけいたしました。こうしたことを教訓といたしまして、素早く改善に生かすことが必要だと考え、まちづくりセンターでの予約支援の導入や、また、接種体制の見直しをかけまして、一人当たり接種時間の短縮、また、接種会場の稼働時間の延長、また、地域ごとに稼働日の拡大等も決定をしてきているところでございます。  職域接種の開始、対象年齢の十二歳への引下げなど、接種をめぐる状況は目まぐるしく変わっております。接種の拡大と加速化は、区単独ではやはり限界があり、国や東京都の取組も不可欠であります。医療従事者の確保や大規模接種センターの増設、情報の速やかな開示など、引き続き国や都に働きかけてまいります。  また、来週から本格化する職域接種でございますが、区内外で開始されることで、ここで区民の接種がどの程度広がって拡大をしていくのか、大変大きな要素だと思います。内閣府や厚労省とも連絡を密にしていきます。しっかり情報を取りながら進めていきたいと思います。今後、病院やクリニック、診療所での個別接種や在宅高齢者への訪問接種の実施など、高齢者がより接種しやすい体制を整えるとともに、障害のある方にはうめとぴあにその専用枠を設けるなど、安心して接種を受けていただける体制をつくります。  さて、明日から基礎疾患のある方、高齢者施設で働く方、六十代前半の方に接種券を送り、そして六月末日から、いよいよ六十歳未満の世代に対しての接種券の送付スケジュールを示しているところです。御提案の迅速な予約システムの改善など不断の見直しを加えながら、安全、迅速な接種を行ってまいります。  次に、地域行政制度、それから区民にどこまでこれが広がっているのかということに対するお尋ねです。  御指摘のように、区民、住民の関心が高まらなければ、地域行政制度の改革も根づいていきません。昨年からのコロナ禍は、地域での自主的な活動を困難にさせまして、コミュニティーの希薄化が危惧される一方で、在宅勤務やテレワーク等の対応で、これまで見えなかった居住する地域に関心を持つようになった、こういう方の声も寄せられています。  また、デジタルトランスフォーメーション、DXの考えに基づく行政サービスや組織の在り方の変革も、これまで以上に、このコロナ禍の状況の中で強く求められています。今後、区民や町会・自治会、NPO、民間事業者など、地域や地区の多様で多次元のコミュニティーのネットワークを広げ、多世代、多様な区民による住民参加の促進と住民自治の確立につながる地域行政制度の改革を進めます。  今後は区民に身近な地区を重視し、区民参加のまちづくりや行政サービスの向上を図るため、地区の特性を生かした参加の機会をつくっていくとともに、まちづくりセンターにとどまらず、総合支所や本庁の仕事の在り方も改革をしてまいります。また、デジタル技術を生かした身近な窓口業務の内容も見直してまいります。  今後、区議会での御議論をいただきながら、より多くの区民との対話や徹底的な庁内検討を通して論点を掘り下げ、(仮称)地域行政推進条例の制定や推進計画による施策にまとめてまいります。  最後に、行財政運営が大変困難な中、残りの任期で何を目指しているのかというお尋ねでございます。  現在、世界中がパンデミックに見舞われており、日本のみならず世界の人々の生命の危機に直面している状況がございます。改めて、公衆衛生のセーフティーネットの重要性を認識し、資源の有限性と気候危機の大波が襲ってくる中で、ライフタイルのみならずデジタル化の急速な進行など、社会全体の価値観や行動変容も進み、産業構造、仕事の構造そのものも変わりつつあると認識しています。世田谷区でもまさに区政の変容、トランスフォーメーションが求められているものと思います。  また、経済への打撃も大きく、二〇二〇年度の実質GDP成長率がリーマンショック時を超える――これはマイナスでということですが、戦後最大の落ち幅となるなど、引き続き厳しい区民生活と財政状況が見込まれています。  こうした状況の中、現在の基本計画の最後の二年間となる次期実施計画については、これまでの計画の単なる継続ではなく、コロナ禍をはじめとして大きく変化する社会状況を踏まえ、次の基本計画につなげていく計画としていく必要があり、今般策定に当たって、考え方として四つの政策の柱を示しているところであります。来年度、次期の実施計画となる(仮称)世田谷区未来つながるプランを策定しまして、また、来年度には次期基本計画の検討に着手をしていきます。  基本構想に掲げている区が目指す将来像の下、中長期的な視点で持続可能性を前提とした行財政運営の在り方について、しっかりと情報を開示し、区民、区議会とも議論を深め、さらなる困難な時期、さらなる区政の発展につなげてまいる決意でございます。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 私からは、マイナンバー制度の有効活用、手続や相談を非来庁型にという御提案です。  コロナ禍の下、行政手続における書面、押印、対面対応の抜本的な見直しが急務の中、非来庁型で行える手続を増やすことで、区民の行動や区職員の働き方も変わり、生み出された時間やコストを区民へ還元でき、さらなる区民サービスの向上につなげることができると考えております。行政手続のオンライン化の促進には、情報セキュリティポリシーやデジタルディバイトの課題を踏まえた上で、重要な基盤であるマイナンバーカードの普及が鍵であり、引き続きカードの普及促進に取り組んでまいります。  一方、デジタルトランスフォーメーションの目指す姿は、データやデジタル技術を活用してサービスや組織の在り方そのものを変革、変容することにあります。そのため、オンライン化自体が目的化してしまわないよう、手続の簡素化や効率化などに立ち返った業務改革の下に進める必要がございます。  今後、国が主体的に進める自治体業務システムの標準化等の動向、区における地域行政の条例に関する検討状況なども踏まえまして、窓口サービスの在り方等、区役所業務の将来像につきまして、議会の御意見等を踏まえながら、仮称でありますが、DX推進計画の策定を進めてまいります。  次に、公共施設整備につきまして、地域の活動拠点を持続可能なものにしていく必要があることについてでございます。  世田谷区公共施設等総合管理計画の中で掲げる重点方針におきまして、利用率の低い区民集会施設の有効活用等の検討を進めまして、地域住民の利用機会の拡充など、既存施設のさらなる有効活用に取り組むこととしております。特に四〇%を下回る利用率の低い施設の活用につきましては、現状の利用実態の把握を進めるとともに、維持管理にかかります将来コスト、老朽度、用途地域、立地及び近隣施設の状況などを分析いたしまして、民間へのヒアリングも行いながら、様々な利用の可能性を検討しているところでございます。  また、利用率に反映されておりません個人利用枠での活動状態も考慮いたしまして、現在進めております高齢者の地域参加促進施策の取組の一つであります気軽に立ち寄れる居場所の開発や地域コミュニティー活動での一層の活用も併せて検討しております。検討に当たりましては、地域の声を丁寧に把握いたしまして、例えば、利用率の低い一部諸室につきまして、多様な場への転用や利用率の低い施設と至近の施設との統合の可能性も含めまして、地域資源の有効活用に向けまして、今後、具体的な活用をお示ししてまいります。  以上でございます。    〔岡田副区長登壇〕 ◎岡田 副区長 私からは、三点について御答弁申し上げます。  まず、コロナ禍にある中小事業者への支援事業の拡充、延長についてでございます。  業態転換及び新ビジネス創出支援補助金が、百事業者の支援を想定して予算を確保しております。現時点で八月までの面談の予約、百枠分が全て埋まってしまっている状況にございます。既に申請のあった事業計画では、飲食店がデリバリーを開始し、商品開発にも取り組む、あるいは衣料品販売店が家電のお取り寄せ販売にも取り組むといった提案をいただいており、事業者それぞれの環境の変化に対し、業態や事業手法の転換に迫られていることが見て取れます。  アフターコロナにおいては、テレワークやDXの推進、非接触型サービスの展開など、事業を取り巻く環境の変化がそのまま定着していく可能性が高く、事業者の新事業創出や販路拡大、業務改善の必要性は今後も高まると思われます。区としても、早急に支援策の拡大を検討する必要があるというふうに考えているところでございます。  次に、区独自の実効性のある起業支援、創業支援についてでございます。  コロナ禍において、区では、新規事業の構築や新商品の開発の促進を図る補助、創業予定者も対象とする事業者の経営課題に即した実務専門家によるハンズオン支援など、事業者の挑戦に寄り添う支援を新たに展開しております。交流、連携の場であるSETAGAYA PORTでは、相互交流可能なコミュニケーションツールを活用し、創業予定者と区内企業やフリーランスなどとの異業種間連携を促進するとともに、創業経験者と交流できる場を提供し、有意義なアドバイスやサポートを得ることができるなどの創業支援を提供しています。  アフターコロナを見据えた創業者への支援につきましては、これまでの支援に加え、現在進めている池尻中学校跡地の活用や、御提案いただいたような事業者の新たなニーズや世の中で起こる変化などを踏まえつつ総合的に検証した上で、区内経済の活性化につなげるべく、有効な施策体系を構築してまいります。  次に、財政出動による農地保全政策についてでございます。  区内の生産緑地の約八〇%、約六十七ヘクタールが平成四年に指定を受けており、令和四年十月に買取り申出のできる三十年目を迎えることになります。令和三年二月現在、平成四年指定の面積の約七五%が特定生産緑地の移行申請をしておりますが、区では九〇%以上の移行率を目標に掲げ、現在、取り組んでいるところでございます。  また、御質問にありましたが、農地保全方針に基づきまして農地を取得し、農業公園として活用する取組も進めており、昨年度には北烏山農業公園の都市計画決定をしたところであります。さらに、都市農地貸借円滑化法を活用して、生産緑地での区民農園や農福連携農園を開園する準備も進めております。  区といたしましては、農業者の皆さんと連携しながら、あらゆる手段を講じ農地の減少を食い止め、農地の多面的価値を保全する必要があると認識しており、領域を横断した世田谷区農業振興・農地保全PTを設置し、全庁的な取組を開始しております。  農業公園では一定程度の補助金が見込まれますが、公園以外の目的で大規模な生産緑地を一般財源のみで取得することは、財政的に大変厳しいと考えております。規模の小さな生産緑地については、御提案の基金や福祉目的の寄附を農福連携農園用地へ活用すること、あるいは東京都の生産緑地買取・活用支援事業による補助金などについても検討を進め、農地保全とみどり33の推進に取り組んでまいります。  以上でございます。    〔中村副区長登壇〕 ◎中村 副区長 私からは、障害者施策に取り組む区の姿勢を明確にした条例の制定について御答弁いたします。  せたがやノーマライゼーションプランにおいては、障害理解や差別解消、言語としての手話に関する条例の在り方について検討するということとしております。こうした条例の制定は、障害理解や差別解消、行政の計画にとどまらず、議会を含めた区の区としての意思を明確に示すとともに、条例の検討過程において多くの区民の参加を通じて、心のバリアフリーを一層浸透させていくことが期待できるものと考えております。  今後、共生社会ホストタウンの取組や障害者施策推進協議会のほか、シンポジウムやワークショップを通じて、障害当事者や区民の方々からも広く御意見をいただき、適宜議会に御報告しながら、地域共生社会の実現を目指す区の姿勢を明らかにした条例の在り方の検討を進めてまいります。  以上です。    〔渡部教育長登壇〕 ◎渡部 教育長 区立小中学校における対面教育とデジタル化の融合について御答弁申し上げます。  コロナ禍は、教育現場にとっても学校休業という予想だにしなかった大きな試練であり、全教職員が創意工夫を持って取り組みました。デジタル機器を活用したオンライン授業と環境整備に御協力いただきました議会の皆様に改めて感謝申し上げます。  この初めての経験の中、新しい教育の在り方が求められ、私たちは今までにはない形での人と人とのつながりによる教育の可能性を日々探ることとなりました。一人一人に寄り添う教育は、これまで対面の中でこそ実現できると考えていましたが、この経験の中で、子どもの思考の過程が可視化でき個に応じた課題が提案できるなど、デジタルならではの子どもへの寄り添い方が新しい形で展開されることとなりました。  一方で、人と人との直接的な関わりによる相互理解により、オンライン学習は相乗効果が生まれ、学びが深まることが授業を行う現場の教員の意見として挙げられています。対面とオンライン学習は相反するものではなく、そのよさを補完することにより、深く広い教育効果が期待されるものと考えます。教員同士、または教員と子どもがお互い知的好奇心を刺激し合うようなデジタル機器の活用も念頭に、新たな時代の世田谷の教育を推進してまいります。  以上でございます。 ◎松村 技監 私からは、都市計画道路網の整備についてお答えをいたします。  東日本大震災から十年が経過し、この間も熊本地震をはじめとする大きな地震が多発をしております。区としましては、切迫性が指摘される首都直下地震に備えるため、建築物の耐震化、不燃化に加え、都市基盤の強化、特に発災時において、避難、緊急物資輸送、延焼遮断などの役割を担う都市計画道路等の整備の必要性、重要性は十分認識をしているところでございます。災害に強い町の実現には、防災、減災のため、また、迅速な復旧、復興のためにも、道路整備を計画的に進めることが不可欠でございます。  区は、平成二十六年三月にせたがや道づくりプランを策定し、特に早期整備が望ましい路線として選定した都市計画道路につきまして新たに着手し、事業を進めている区間もございます。コロナ禍により、区財政は当面非常に厳しい状況が見込まれておりますが、都市計画道路等の整備につきましては、財政状況等を見きわめながら、引き続き国や都の交付金等の活用による財源の確保と、より効果的で効率的な事業執行に努め、着実に整備を進めてまいります。  以上です。 ◎粟井 教育監 私からは、世田谷区における公教育の最重要課題の認識とその課題解決についてお答え申し上げます。  私は文部科学省で安全教育推進室長を務めておりましたが、これからの日本の教育に必要なことは、自分で主体的に学習に取り組むことができる子どもを育てることであると考えております。これまで世田谷区では、地域運営学校の設置、幼小中による学び舎での教育活動など先進的な取組を実施するとともに、昨年度から一人一台端末を活用した授業の実現に向け、環境の整備、人材育成計画の作成、保護者啓発の取組や新しい学習指導要領の理念の実現に向けた探究的な学びの研究など、さらなる取組を推進していると認識しているところでございます。  一方、様々な教育活動を推進していくためには、教育活動を支える教員の力によるものが多く、教員の資質、能力のさらなる向上を図っていくことが課題であると考えております。このため、今後、新しく開設する教育総合センターを中核に教育長の指示の下、区長部局と連携した社会的な課題に対応した研修の実施、大学、企業等と協力した先進事例や研究データの共有、専用窓口による授業改善やICT機器活用の相談対応など、学校、教員の支援をさらに充実させていく必要があると考えております。  以上でございます。 ◎粟井 教育政策部長 私からは、三点、お答え申し上げます。  まず、一点目といたしまして、ヘルプマークの意義と、それから特に教育の場を中心とした理解促進に努めるべきというお尋ねでございます。  学校教育におきましては、子どもたちが人権尊重の理念を正しく理解するとともに、思いやりや社会生活の基本的なルールを身につけ、社会に貢献しようとする精神を育むために、全ての教育活動を通して計画的に指導していくことが大切だと思っております。特にヘルプマークを含め、外観からは認知しづらい障害や病気を抱えている方々への対応の理解を推進していくことは必要であると考えております。学校の授業におきましては、小学校四年生の総合的な学習の時間における障害者理解の授業でヘルプマークの役割について学んだり、中学校における家庭分野の教科書に掲載されている福祉に関するシンボルマークについて、その意味や対応の仕方について学んだりしているところでございます。  教育委員会といたしましては、このような学習を通して、子どもたちが日常生活の中でも援助や配慮が必要な人たちに積極的な声かけをしたり、自然に手を差し伸べることができるような対応力を身につけられるよう、人権を尊重した教育を推進してまいりたいと考えております。  続きまして、デジタル教育を駆使して子どもたちの知的好奇心の刺激や学習意欲を一層かき立てる教育についてのお尋ねにお答え申し上げます。  コロナ禍は、教育現場にとりましても学校休業という予想だにしなかった大きな試練でございまして、全教職員が創意工夫の中取り組みましたけれども、デジタル機器を活用したオンライン授業等、環境整備に御協力いただきました議会の皆様方に、改めて感謝を申し上げます。この初めての経験の中――失礼いたしました。ちょっと別のものを答弁してしまいました。替えさせていただいて、すみません。大変失礼いたしました。  失礼いたしました。自らが的確な判断を行い、危険から回避する能力を伸ばすという意味では、防災教育、防犯教育に関する教育委員会の見解に関するお尋ねでございます。  日常生活におきまして、子どもたちが自分自身で災害や犯罪に遭遇する危機を予測いたしまして回避できる力を身につけるためには、より実践的な防災・防犯教育を推進していくことが必要であると認識しているところでございます。現在、各学校では警察と連携した不審者への対応や災害発生時の避難訓練を行うことにより、危険に対して日頃から意識すべきことを子どもたち自らが考えることができるようにしているところでございます。  就学時における防災・防犯教育につきましても、児童に防犯ブザーを配付して、自らで身の安全を守ることを指導するとともに、就学時保護者会で保護者に通学路の危険箇所を伝えて、児童とともに確認することを促したり、児童やPTAが作成する地域安全マップを活用したりして安全教育を推進しているところでございます。  今後も、防災に加え防犯につきましても、就学時から発達段階に応じた安全教育を進め知識を深めるとともに、自らが的確な判断を行い、危険から回避できる力の育成に向けた取組を推進してまいりたいと考えております。  一点間違えておりまして、二点でございます。大変失礼いたしました。 ◎田中 経済産業部長 私からは、事業者支援、二点、御答弁いたします。  区の事業者数の約四分の一を占める小売業、卸売業は緊急事態宣言の発出に伴う外出自粛の直接の影響に加え、一部業種では飲食店の休業や時短営業の影響など、他業種の事業縮小に伴う影響を大きく受けています。そこで、この六月一日より、せたがやPay利用可能店舗での決済に対し五%分のポイント還元を行うキャンペーンを実施し、小売店での消費を促すインセンティブを設けています。また、第二次補正予算において、区内共通商品券とせたがやPayを活用した消費喚起策を八月以降に商店街振興組合連合会との協働で実施する事業を提案しております。  お話にあった割り勘機能や個人間送金、事業者間の決済が可能となる機能を構築することで、利用者の利便性を向上させるだけでなく、お話の区内事業者が区内小売店から調達する際のインセンティブ設計も含め、区内経済の循環を加速するインフラを構築できると考えております。  今後も、機能の具体化に向けた取組を進めてまいります。  私からは以上です。 ◎長岡 高齢福祉部長 私からは、二点、御答弁いたします。  まず、DXの推進によるあんしんすこやかセンターの業務改善についてです。  あんしんすこやかセンターで対応している支援内容につきましては、お話のとおり、複雑・多様化しており、よりきめ細かい支援が求められております。また、DXの推進、業務改善も喫緊の課題と認識しております。現在、あんしんすこやかセンターでは、相談記録を作成し管理するため、利用者基本台帳システム等を利用したり、コロナ禍の中、オンライン会議を積極的に導入するなど業務の効率化に取り組んでおります。  区といたしましては、今後、あんしんすこやかセンター職員に対し、DXの推進等に関するアンケート調査を行う予定であり、意見や要望などを把握した上で、可能なところから業務の改善を図るとともに、利用者への支援の充実につなげてまいります。  次に、認知症とともに生きる希望計画における地域づくりプロジェクトの推進についてです。  認知症とともに生きる希望計画では、認知症観の転換や、希望と人権を大切に、暮らしやすい地域をともにつくるなどの四つの重点テーマに対応した四つのプロジェクト推進チームを設置し、一体的に進め、区内二十八地区においてアクションチームを編成していくこととしています。  本年五月には認知症施策評価委員会に係る部会を開催し、地域づくりプロジェクト等のプロジェクト推進チームの位置づけや活動内容などについて整理を行っております。今後、区と認知症在宅生活サポートセンターが事務局となり、認知症の御本人、介護職員や専門家などがチームを組み、地区へ出向いてまいります。そして、まちセン、あんすこ、社協と連携し、既に見守りネットワークや認知症カフェ等に取り組んでいる団体や認知症に課題認識を持っている町会・自治会などの紹介を得て、働きかけを進めてまいります。  まずは、小さな単位で本人も参画し、認知症条例に関する勉強会や見守り活動、認知症になってからも暮らしやすい地域等をテーマとして、警察、消防とも連携を図り、地域の中で具体的な活動につなげていく核となるアクションチームの準備等を令和五年度までに区内二十八地区で始動してまいります。  以上です。 ◎辻 世田谷保健所長 私からは、二点、まず、がん検診受診の現状とコロナ後の受診率向上にお答えいたします。  がんは、死因の第一位の疾患として、早期発見、早期治療が重要なため、医師会等の御協力の下、検診の受診率向上に努めているところです。受診率の現状ですが、昨年度、緊急事態宣言により、四月半ばから五月末まで検診を休止し、六月以降、人数制限や換気の徹底等の上、再開した結果、全体で令和元年度が約十四万四千件だったのに対し、令和二年度は約十四万二千件と、約一・五%の減少にとどまりました。この中で、胃がんエックス線は対前年度比の約五七%、胃がん内視鏡は約七八%となっており、エックス線検診車内の密状態や胃カメラ挿入時の感染リスクなどを懸念した区民の受診控えが影響したと分析をしております。  その一方で、偶数年齢を対象とした乳がん及び子宮がん検診では、令和元年度に新型コロナの影響で受診を控えた区民を令和二年度の受診者とみなす特例を実施した結果、乳がんは前年より微増、子宮がんは約九%の増加となっております。今年度も、検診会場の感染対策を継続するとともに、乳がん及び子宮がん検診等の個別勧奨を実施、がんポータルサイト、ツイッター、がん情報コーナーなど、あらゆる媒体を活用してのがん検診の重要性の積極的な啓発など、関係機関と協力し、コロナ禍においてもがん検診の受診率の向上について引き続き努めてまいります。  次に、高齢者の健康づくりについてです。  令和二年度に実施した区民の健康づくりに関する調査では、六十歳から七十歳代の女性の六割以上が地域活動や趣味の集まりに参加したいと回答し、また、同調査においては、男女とも三割以上が地域活動に必要な条件は、身近な場所で参加できることと回答しています。このような区民の意識を踏まえると、高齢者の運動や健康づくり支援では、高齢者が身近な場所に集まる機会を捉え、仲間とともに互いに意欲を高めながら取り組む環境づくりが重要であると考えます。  区では今年度から、高齢者の地域活動と連携した健康づくりを促進するため、高齢者クラブの活動時に運動指導員等が訪問し、簡単な体操により、仲間とともに運動の習慣化を働きかける取組を開始する予定がございます。この取組を進めるに際しては、運動の推進に加えまして、参加者の健康状況に応じて、あんしんすこやかセンターを御案内し、適切な相談支援につなげるとともに、せたがや高齢・介護応援アプリも活用し、より多くの方が地域活動と連携して健康づくりを知る機会を設け、高齢者が健康づくり活動に触れる機会を増やせるよう工夫してまいります。  私からは以上です。 ◎内田 生涯学習部長 私からは、子どもの育成における学校施設の利用についてお答えいたします。  校庭や体育館等の学校施設は、学校の教育活動に支障がない範囲で開放しており、学校が地域の団体に活動の場所として提供するほか、けやきネットを通じて登録団体に一般利用をしていただいております。学校は児童生徒の学びの場であるとともに、地域のスポーツや文化活動等と連携協力し、地域コミュニティーの核としての役割も担っていると認識しております。教育委員会としましては、子どもたちが様々な機会を通して、スポーツや文化活動等を十分に行えることは重要なことと考えておりますので、利用状況の把握も含め、子どもたちが所属する地域団体の学校施設の活用の在り方について検討してまいります。  以上でございます。 ◎知久 教育総務部長 私からは、二点、お答えいたします。  まず、校庭整備と砂じん対策についてです。  学校の校庭整備につきましては、ダスト舗装を基本としておりますが、砂じん対策として敷地周囲に防砂ネットを設置するとともに、スプリンクラー等で適宜散水を行うなど、適切な管理、運営に努めております。一方、一部の学校では、緑化の推進や周辺環境への配慮の観点から、校庭の全面、または一面の天然芝生化、もしくはゴムチップ舗装を採用しております。
     校庭整備は、コストに加え、透水性や利便性、安全性、環境面など配慮すべき事項のほか、住宅地内にあるなど敷地状況に応じた整備が必要であるものと認識しております。そのため、昨年度に校庭の人工芝化のモデル事業の実施を通じて、課題の検証を進めることとしておりましたが、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う事業の緊急見直しにより、一旦、延期しております。  今後の校庭整備の在り方につきましては、引き続き財政状況を踏まえるとともに、人工芝由来のマイクロプラスチックによる環境負荷軽減策等についても、他自治体の状況などを参考に検討してまいります。  次に、通学路の交通安全対策についてです。  区では、平成二十九年二月に通学路交通安全プログラムを策定し、区立小学校を四つのグループに分け、学校、PTA、道路管理者、警察と区教育委員会が連携した合同点検を各校で四年に一回実施するほか、年一回、学校とPTAが安全点検を実施するなど、定期的に通学路の安全対策に取り組んでおります。  合同点検に当たっては、学校とPTAで重点的に点検すべき箇所を洗い出し、道路管理者や警察と現場確認を行い、教育委員会も関係機関と調整し、必要な安全対策を可能なものから順次実施することとしております。主な対策としては、電柱への立て看板の設置や路側帯のカラー舗装などによる運転ドライバーへの注意喚起、ポール設置による歩行空間の確保などを実施しており、こうした必要な対策とともに、実施後の経年劣化への対応など、通学路の環境維持に努めることも重要と考えております。  今後も、通学路交通安全プログラムに基づいた合同点検を継続し、学校やPTAからの要望を踏まえ、道路管理者や警察とも一層の連携を図りながら、通学路の環境整備と安全対策に全力で取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎桐山 豪雨対策推進担当参事 私からは、多摩川流域の治水対策の取組状況につきましてお答えいたします。  多摩川緊急治水対策プロジェクトの取組につきましては、現在、国土交通省京浜河川事務所による二子玉川無堤防箇所の堤防整備や河床の状況に応じた河道掘削を、また、東京都におきましては下水道樋管ゲートの遠隔操作化、そして、世田谷区では土のうなどの水防資材の備蓄充実や排水ポンプ車の二台配備などを行っているところでございます。  雨水流出抑制施設の整備につきましては、これまでも区道や公園、区立小中学校等の改修工事に合わせまして、透水性舗装や雨水貯留浸透施設などの整備を、グリーンインフラの考えを積極的に取り入れまして、区の計画で定めました雨水流出抑制対策量の確保に努めているところでございます。また、民間施設の建築等におきましても、要綱に基づきます指導や助成制度の活用による雨水流出抑制施設の整備を促進しておるところでございます。  区といたしましては、多摩川緊急治水対策プロジェクトを進めまして、多摩川流域の浸水被害が早期に軽減されるよう、引き続き関係機関に強く働きかけるとともに、流域の関係自治体とも協力しまして、庁内関係所管が連携して、今後も着実に雨水流出抑制施設整備を推進してまいります。  以上でございます。 ◎菅井 危機管理部長 私からは、特殊詐欺対策につきまして御答弁申し上げます。  区と区内四警察署では、区内の特殊詐欺発生状況及びその手口について情報共有を図るとともに、特殊詐欺のいわゆるアポ電を認知した際の連絡体制も取っており、アポ電が入電したエリアに二十四時間安全安心パトロールカーを急行させ、その手口に沿ったリアルタイムな注意喚起の広報活動及び周辺警戒を実施しております。  また、区内の高齢者の方々がワクチン接種に訪れる会場におきましても、警察と協力し、待機エリア等における被害防止啓発活動を実施しており、接種会場のチラシを見て、自動通話録音機を借りたいとのお問合せが複数寄せるなど、その効果が出ております。コロナ禍の影響で、対面での防犯キャンペーンが開催し難い状況におきまして、今後もあらゆる広報の機会、媒体を活用し、被害防止意識を区民の皆様に浸透させるとともに、警察、金融機関等と連携したATM前での声かけなど、平素からの注意啓発活動と被害直前の未然防止活動両面の対策強化を図ってまいります。  以上です。 ◎加賀谷 政策経営部長 私からは、大規模敷地を有効活用した各地域への施設整備について御答弁いたします。  スポーツや文化活動は区民の健康の保持、増進、体力の向上、生きがいにつながることはもとより、人々の交流、連帯感を深め、活力あるまちづくりの一助となると考えております。そうした観点から地域バランスも勘案した多世代、多機能な施設整備は大変重要であると認識をしています。  区では、令和二年三月に策定いたしました上用賀公園施設整備事業基本構想において、幼児から高齢者、障害のある方たちも気軽に楽しめ、多様なニーズに活用できる中規模体育館や多目的広場を整備することとしております。  今後とも、貴重な大規模敷地の活用機会や既存施設の改築、改修の機会を捉え、例えば、パークPFIなどの民間活用や、複合化、多機能化により公共施設を最大限有効活用することで、施設総量抑制も図りながら、より多くの区民の利用に資する公共施設となるよう、様々な手法を取り入れ、進めてまいります。  以上でございます。 ◆三十九番(畠山晋一 議員) 再質問させていただきます。  砂じん対策の在り方について、今、教育総務部長から答弁をいただきました。しかし、この砂じん対策というのは、コロナが発生したことによって、今までは教室内に砂じんが舞うことがなく、児童生徒に影響がないような状況があった中、コロナの影響でもって変化を来し、これは世田谷区のみならず東京都、ひいては日本全国の課題ともなっている事案でございます。そこで、全国各地の特色ある教育政策に精通されていらっしゃる、今回、登壇された教育監である粟井さん、こちらに文部科学省として、国として学校設置者に対して行っている、また別の内容、例えば、具体的な財政的な支援などが何かございませんでしょうか、答弁願います。 ◎粟井 教育監 お答え申し上げます。  国におきましては、学校施設の計画及び設計における留意事項を示しました学校施設整備指針を作成しておりまして、校庭等の配置や表層部分の材質につきましては、周辺住宅地等へのほこりの影響をできるだけ避けることや、ほこりの発生防止などに十分留意することとしております。  また、校庭整備と一体で設置するスプリンクラー設備や防砂ネットにつきましては、一体で設置する場合には国庫補助の対象とされているところでございます。国の指針を踏まえつつ、世田谷区におきましても適切な砂じん対策に取り組んでまいりたいと思っております。  以上でございます。 ◆三十九番(畠山晋一 議員) 今回、十三名の区議団の団員を代表して二十六問の質問をさせていただきました。いずれの施策も重要な施策でございますし、いかに変化に対応していくか、区長自身の答弁の中にも、特にワクチンの接種に対しましては、目まぐるしく状況が変化することに対して、この変化にも対応していくといった答弁の中で、障害のある方にも優先枠を設けるなどの答弁をいただきました。  いずれも、ここでほっと安心するんじゃなくて、安心というのは心がぶれていない状態で安定している状態が安心ですから、ぜひともそういったことを心がけて、一つ一つの施策に努めていただくことを要望して、自由民主党世田谷区議団の代表質問を終わります。 ○下山芳男 議長 以上で畠山晋一議員の質問は終わりました。  これで各会派の代表質問は終了いたしました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 以上をもちまして本日の日程は終了いたしました。  なお、明十五日は午前十時から本会議を開催いたしますので、御参集願います。  本日はこれにて散会いたします。     午後六時十六分散会...